放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

香田証生について考える

2006年10月14日 | 半死的世界旅行
2004年10月、香田証生がイラクで武装組織に拘束され、殺害された。

今僕は、その彼がイラク入国直前に泊まっていたホテルにいるというのは、以前書いたとおりだ。
そこには、サーメルという、かなり親日的なパレスチナ人従業員がいる。



クリフホテルという、このホテルは、けして綺麗でなく、宿泊代も安いわけではない。それでも、ここに多くの日本人旅行者がやってくるのは、この宿に置かれている情報ノート見たさもあるだろうけど、それ以上に、旅行者のあいだで「いい人すぎる」と噂されているサーメルがいるからだろう。

そんなサーメルは、香田証生のことを忘れることはできないと言った。
イスラエルからやってきて、たった1泊しかしていないにもかかわらず、だ。

サーメルは1冊の本を僕に差し出した。



僕の大好きな下川裕治さんの本だった。
これを読み始め、僕は香田証生のことについて、僕なりに考えてみようと思った。

以前、香田証生が武装勢力に捕らえられたとき、僕はまだ会社員だったが、このブログ「放浪日記」なかで、以下のように書いている。


イラクでバックパッカーが武装組織に拘束されている。

彼と同じようにバックパッカーとして旅行をし、これからもそのスタイルで続けていくだろう身として、この事件について人ごとだとは思えない。

旅行をしていると、つねに非日常に身をさらしていることもあって、なにが危険でどこまでが大丈夫なのかが不明瞭になっていくことがある。
自分で宿を決め、自分の食べたいものを食べ、好きな時間に起き、そして寝る。前に進むことも、その場にとどまることも、すべて自分の判断で行なっていくうちに、自分の力を過信していくのだ。
それまで旅行をしてきたのは、偶然であり、出会った人々の親切を消化してきたということを忘れ、それがすべて自分が自分一人の力で得てきたもののように思うとき、自分の限界には目をつむり、未知の可能性だけを信じて動いてしまうことがある。

旅はけっして甘くない。
こっちが油断したら、いつでも歯を向いてくる。
これは僕の旅の哲学でしかないが、真実の一端はふまえていると思っている。

そして、もうひとつ。
日本でやらないようなことには、海外ではけっして手を出してはいけないと思う。
ただでさえ言葉が違い、文化が違う。
そこがアウェイの地であることを理解すれば、勝ちに行くことは難しい。
アウェイでは「負けない」ことを考えなければいけない。
サッカーの例えで恐縮だが、勝ち点3を狙いに行くよりは、引き分けの勝ち点1を確実に取りに行って、ホームに戻ってきたときに確実に勝ち点3を取りにいくのが正攻法だと思う。
ホームの試合でやったことがないフォーメーション、戦術をいきなりアウェイで試すことほどバカげたものはない。
審判だって、贔屓目に笛を吹いてくる。
サポーターだってごく少数しかいない。
そんな状況で、初めての戦術で「勝ちにいく」のは正気の沙汰とは思えない。
サッカーの試合ならまだしも、それが誰にも頼ることのできない旅行中ならばなおさらだ。
もし彼が、日本でも武装集団に属していたり、軍隊できちんとした訓練を受けていれば、「勝ち」を狙えただろう。でも彼は「勝ち」が狙えるほどの技術は持っていない。「小泉さん、すみません」と言うくらいのことしかできない。
もちろん、なにが「勝ち」で、なにが「負け」かは、人によって違うだろう。
ただ、自分の勝手な判断で政府の決定を揺るがすような事件を起こし、首をはねられかねない状況に追い込まれていることについて、彼にとってみてこれが「勝ち」であるわけがない。

以前、イスラエルとパレスチナがドンパチやっている最前線で日本人のカップルが捕まるという事件があった。彼らは観光客だった。
彼らは、単純に遺跡を観にきただけだった。ニュースなどをまったく見たことがなく、そこが戦場ということを知らないだけだった。
無知は恐ろしい。

そして、過信も恐ろしい。

人命は大切だと思う。彼には生きて帰ってきてほしい。
ただ、自ら地雷原のなかに突っ込んで行く輩をわざわざ助ける必要はない。
イラクの真の姿を見たいと願っていたのは彼で、イラクに行くと決めたのも彼なのだから。

いま彼の置かれている状況がイラクの真実だとしたら、彼はきっと満足していることだろう。



(追記)
拘束された彼は、ヨルダンでツーリストやジャーナリストが多く集う宿に荷を下ろし、しばらく情報収集したのち、引き止めてくれる声を振り切ってイラクに入った。
彼はニュージーランド(?)で働いたのち、旅行に出た。途中イスラエルで旅費を貯めるために働いていたという。
って、ひょっとしてキブツで働いていたのか?

じつは、パスポートにおもいっきりイスラエルのスタンプ押してあって、それを知らずにイラクにノコノコ入って行って、武装組織に捕まって、パスポート見られて、そしたらスタンプ見つかっちゃって、武装組織の怒りを逆なでして、で、今回のようになっちゃった……ってことはないよね……。






事件が発覚し、香田証生が殺害される前の記事(だと思う)。
そのころはまだ何が真実で噂なのかも、はっきりとわかっていなかったので、今読み返すと、僕の推測が当たっているところもあれば、まったく見当違いのことを書いている箇所もあるのだが、あえてそのままで抜粋した。



そして今、下川さんの本を読みながら、僕は「香田証生のとった行動は果たしてあのときの日本中がバッシングをしたほどにひどいものだったのか?」ということを考えていた。

以下は、今の僕の感想だ。
香田証生の家族・関係者のみなさんが読んだら不愉快になる部分があるかもしれない。でも、これが今の僕の正直な感想であるし、意見だ。
下川さんの本を読了後、いつも持ち歩いているメモ帳に書きなぐった、そのままを書き出してみようと思う。



クリフホテルに泊まり、下川さんの書いた本をサーメルに借りて読み、アンマンの「つまらない町並みを眺め」ながら考える。
香田証生にとっての旅とは?
香田証生がイラクで首をはねられたことは馬鹿な行動だったのか?と。

香田証生は自分の旅のスタイルをまだよく理解できていない、つかめていない、いやもしくは理解し始めていたのかもしれないか、まだ完全に理解できていない、いわゆるビギナーの旅行者だった。
NZ(※注釈 ニュージーランドの略だ。以下もNZと略す)で悶々とした日々をすごし、物価の高さに日々少ない貯金を減らしながら焦っていただろう。人生を、日本人の感覚からすると「大冒険」のような人生を選択して、NZに一念発起してやってきたが、英語力は思うように上達せず、予想していた「働きながら英語を学ぶ」環境もなく、何のために自分はここまでやってきたのだろうと煩悶したに違いない。この時点で香田証生の目指していたものが「イスラエル」にあるということを彼は聞く。異文化の中で働きながら金を得るということ。なけなしの金を使って20万円近い航空券を買ってまでも、香田証生は日本を離れるときに抱いていた自分の理想を追いかけようとしていた。少しばかり焦っていた香田証生に、政治問題などを懸念する余裕は残っていたのだろうか。
しかし、香田証生はNZに続きイスラエルでも理想はあくまでも理想であり、夢のようなものだったと、なり得なかった現実に直面する。落胆しただろう。生活費を削ってまでもやってきた中東の地でも、香田証生は裏切られた。そこで聞いたであろうイラクの話。手ぶらで帰るわけにはいかない中東の旅。航空券代と英語を学ぶはずだった貴重な時間の代替として、香田証生はイラクに行くことを決める。香田証生にとって行くべき場所は、イラクしかなかったのか。
戦場カメラマンなどに会い、イラクの写真が高く売れるかもしれないと聞いたのかもしれない。
ともかく香田証生は、シリアでもゴラン高原でもなく、イラク行きを決めた。
NZに帰るまでの日にちをイスラエルで過ごすにはとてもじゃないがお金が足りない。隣国ヨルダンはイスラエルよりは安いといっても、そこまで安いというわけでもない。シリアにはイスラエルの入国スタンプが押されてしまっているため入国ができない。エジプトは観光地が多いため、予算的に無理だろう。だから、イラクだったのではないか。いや、これは推測の域を出ていないし、かなりの暴論だと思うのだが。もしヨルダンの物価がシリア並みに、インド並みに安ければ、香田証生はアンマンのクリフホテルに滞在し続け、イラク行きを決めかねているうちに(NZへの)帰国の日を迎えたかもしれない。
香田証生はあまりに無知であった。事前の下調べもなく動いてしまう傾向があったことは否めない(なぜなら、イラク行きを当初から決めていれば、けしてイスラエルの入国スタンプをパスポートに押されるということはなかったはずだ。おそらく香田証生がこういう行き当たりばったり的な行動にでるのは、彼が日本での一人旅を経験して「旅はなんとかなるものだ」ということを身体で得てしまっていたからかもしれない)。だから、香田証生はイラクに無謀にも向かい、運悪く殺害されてしまった。香田証生の前にも、三人のジャーナリストやNGO関係者が人質になっているなどの情報を得ていたのか。少なくともアンマンでその話は耳に入ったことだろう。しかし、香田証生自身は、自分が同じような状況になるとは夢にも思わなかったはずだ。
極論になるが、香田証生は旅人としてはかなり未熟でアホだと思う。
自分の旅スキルも知らず動いてしまったこと、そのために起きたあの事件の責任は香田証生にある。日本を巻き込んだ自衛隊の撤退などに利用されてしまったことは不運だったとも思うが、彼自身の行動がその最大の原因であることに異論はないはずだ。レベル3の勇者がラスボスのいる城に乗り込んでいってしまったドラクエのようだ。
旅とは、最終的には自分で乗り切っていかないといけないものだ。自分の体力、精神力、経済力、コミュニケーション能力、知識など、自分の持てる能力のすべてを動員しないと勝てるゲームじゃない。体力のない年寄りは経済力を使えばいいし、経済力のない者はコミュニケーション能力を磨いて武器にすればいい。女が色仕掛けで無銭に近い旅をするのも悪いことじゃないと思う。しかし、彼にはそれがわからなかったのではないか。運だけで乗り切ろうとしていたのではないかと思えるほど無謀だ。愚か過ぎる。

世界中には数多くの旅人が、自分の限界と戦いながら旅をしている。そんな旅人に、香田証生の運だけで動く旅というのは、ひどく不愉快にうつる。旅人が今の旅スキルを習得するまでにどれだけの辛苦を舐めたのか。レベルの低い奴が一気にクリアできるほど、イラクへの旅というゲームは甘くはなかった。
香田証生は、ワーキングホリデー帰りのスタンダードコースともいえる、NZ→シンガポール→マレーシア→タイ、そして東南アジアへという旅を経験するべきだった。彼のレベルに相応の。しかし、彼の気持ちからすると、そんなイージーな旅では満足しなかっただろうとも思う。

僕は香田証生に同情する気持ちはまったくない。
自分の今やっている旅は、しょせんガイドブックの後なぞり作業でしかなく、けして誇れるものではないけれど、僕は僕の旅レベルを自覚しているし、そのレベルにあった土地にしか向かわないだろう。
僕も旅を始めた頃、危険な目に何度も遭った。命がひょっとしたらなくなるかと思ったこともある。それでも、今こうして生きていられるのは、運がよかっただけかもしれないし、頭で考えたほど、その場で感じたほど、その状況のクリアが難しくなかったのかもしれない。
(本の著者である)下川さんは香田証生の足跡をたどっていくうちに、自分の姿に重なってきたと書いていた。それは僕も一緒だ。僕と香田証生とは紙一重だと思う。だからこそ、紙一重の差もないかもしれない旅行者同士だからこそ、あえてこう結論したい。
香田証生は未熟であり、アホやったから、殺されたんだ、と。

明日殺されるのは、僕ではないかという思いを、すべての旅人に投げかけた香田証生の冥福を心より祈りたいと思う。



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29 コメント

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旅とは (香港のピンポン)
2006-10-18 12:23:17
仕事で心と体が弱っている自分には、重すぎる内容でした。。。



前から聞こうと思ってたんですが、にいやさんにとって旅とは何ですか?何が突き動かすんですか?



自分にとっての旅は、「好奇心」であったり「開放感」でしかないです。



いろんな国にバックパックしてますが、まだレベル3ですね。
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Unknown (にいや)
2006-10-20 02:10:00
香港のピンポンさん>

重すぎる内容、失礼しました。

でも、あのホテルに泊まってると、なんか感慨深いものがあってねぇ…。



僕にとっての旅とは、マスターベーションであり、無意味なものです。つまり旅をするということが目的ではなくって、何かの目的があって旅をしています。

その目的はけっこうコロコロ変わるものから、最初から貫き通していることまで、いろいろありますが。



僕も、偉そうなこと書きましたが、まだまだレベル低いです。でも、レベル上げようとはあんまり思ってません、じつは。

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初です。 (ticca)
2006-10-23 04:43:38
書き込み処女のキングticcaです。お久しぶり。



全部の日記は読んでないけど、タイトルに惹かれてコレ一気に読ませていただきました。



ticcaもただの平民に見えて実はキングだったり、ダラダラしてるように見えて色々考えてることはあるんだけど、にいやさんの「香田証生論」読んでひとつスッキリした気分です。



>明日殺されるのは、僕ではないかという思いを、すべての旅人に投げかけた香田証生の冥福を心より祈りたいと思う。



そうなんです。明日は我が身かも。

つい忘れがちになりますよね。特にダラダラ沈没していると。

それでなくとも日本に育っただけで危機察知能力は低いってのに。



彼が教えてくれたことは大きい。

非日常に身を置いてる限り、意識してなきゃいけませんね。



・・って、ダハブのにいやさ~ん!

油断と隙だらけっぽいですよぉー!
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Unknown (fuji)
2006-10-23 21:24:19
俺もクリフには泊まったけど、俺はその本読まなかったんだよね。

 でも香田証生さんの話はいろいろ聞いたな。

一番ひどかったのはトランプの賭けで負けてイラクに行ったらしいって噂だった。どうもそうではなさそうだけどね。



 イラクでなくても同じように誘拐されたり、殺される危険性はどこにでも潜んでいるんだろうな。とはいつも思ってるけどね。

 結局彼は話題になったから取りだたされただけで、同じような事例って結構あるんじゃないかと思うんだよね。目立っちゃったんだよ。

 イラクって場所もいけなかったけど。

 

 まあ、つまりはうちら旅行者にはいつでもどこにいたって、同じような危険は付きまとっているってことを肝に銘じとかなきゃいけないんだろうね。

 ダハブだって爆弾テロがあったところだしね。それで死んでも香田さんのように槍玉にあげられることはないかもしれないけど、死んでしまえば結果は一緒だよね。危険と思うところには近寄らない。危険だと思うことはしないことが大事なんじゃないかな。

 ま、お互い無事に旅を楽しんで帰ろうよ。
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Unknown (にいや)
2006-10-24 00:06:32
ticcaさん>

コメントありがとうございます。

彼についてはいろいろ考えたんですけど、今のところ僕が書けるのはこれくらいかな、と。

もっといろんな人の意見聞きたくて、ネットで探してみたんですけど、どれも閉鎖に追い込まれているところが多く、タブーになってしまってるんでしょうか。



タブーは、身近なことだからタブーだそうです。

昨日読んだ言語学の本に書いてました。



油断してるし、隙だらけなんですが、ticcaさん、どうしてわかったんですか?





fujiさん>

イランよりコメントありがとうございます。



>トランプの賭けで負けてイラクに行ったらしい

そりゃ、サーメルも一生の傷をおって…って、そんなバカな。

ウワサは怖いですね。

旅人のウワサは、時に人を傷つけるほどのことがありますから。

fujiさんも、やったらめったらと真偽不明のウワサを流さないようにしてください。

韓国と日本は新幹線ではつながってませんから!

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Unknown (Unknown)
2006-10-30 02:16:16
またアホがアホのことでアホみたいにアホな記事書いてアホだね~くらいにしか思わなかったけど。



ん、またおもんなかった?



何ならあんたが「おもろい中傷コメントの書き方」というタイトルで記事して教えてよ。

私はあんたみたいに挑発が得意ではないんでね。
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Unknown (SHIN)
2006-11-01 20:21:11
にいやさんだっけ?死んだ人間のことなんだし最低限調べてからじゃないとまずいんじゃない?

香田さんは戦争を知らなければ平和は語れないと言ってたみたいですね、テレビでも放送されましたけどこれだけ知ってたらあんな文書けないわな、
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Unknown (にいや)
2006-11-02 23:00:49
Unknownさん>
おもしろい中傷コメントの書き方を教えちゃうと、もうこのブログ覗いてくれなくなるでしょ?
そんなん、僕、サミシーから、できませんことよ。
努力がひょっとしてお嫌いなのかしらん? なんでも答えは転がってないんだよ。わかる?


SHINさん>
コメントありがとうございます。貴重な意見ありがとうございました。

香田氏が「戦争を知らなければ云々」と発言し、実際に戦争を見に行ったということは、目的目標さえしっかりしていれば、その行動がバカっぽいことでも評価をしなければいけないのでしょうか?

そして、テレビで放映されていることがはたして真実なのでしょうか?
マスコミ関係者でもない一個人が、なにかを発言するときに、まるで著作を出版するときのような調査取材を行なわないと発言がすべて意味がないものになるんでしょうか?

SHINさんのコメントを読ませていただいて、僕が思ったことを書かせていただきました。
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香田さんについて (ゆう)
2009-10-27 18:26:38
香田さんは旅人としてのスキルを上げるためにイラクに行ったのではありません、
彼は日本に居る時からホームレスへの炊き出しや老人福祉施設での介護など奉仕活動をしていました、
海外青年協力隊や義足等にも興味があったようです、
イラクに入国する際も「戦争を知らなければ平和は語れない」と言っていたようです、これだけでも観光気分の馬鹿なバックパッカーという論理は崩れると思うのですが、当時のマスコミ、コメンテーターは一切議論で触れませんでした、
あの人が捕まった状況はアンマン行きのバスに乗れず焦っていた時に笑顔で近づいてきた若者2人の 車に乗りそのまま武装勢力に引き渡されたのではないかということです、
これは香田さん自身が親切な人柄で相手の善意だと疑いもしなかったからでしょう、
逆の立場でも同じ様に困ってる人を助ける様な人だったということです、
あの人が死んだのはあの人の罪によるものとは僕は思いませんね。
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Unknown (にいや)
2009-10-27 19:57:49
ゆうさん>
コメントありがとうございます。貴重な意見ありがとうございました。

この記事自体がかなり昔に書いたもののため、あのときの情熱をもってお返事できないのが残念なのですが…

香田氏は、書いていただいたとおり、旅人としてのスキルを上げるためにイラクに向かったわけではないですが、周りの忠告を無視して向かったのも事実です。奉仕活動をしてようがしてまいが、何に興味をもとうが、そんなん知ったこっちゃないです。
どんなに夢や希望を描いていても、他人からすると、氏は警告を無視して国境に向かっていって捕まって政治利用されて殺された人でしかないでしょう。
戦争を知らなければ平和は語れないというのであれば、「友愛」だの「平和」だのをのたまうこの日本では、もう一回空襲にでもあったほうがいいのかもしれません。
人間は想像力を使って発展してきた生き物です。実際に体験してみないとわからないなんて、完全に子供の発想ですよ。
マスコミの一方的な報道もどうかとは思いますが、氏は「バカなバックパッカー」ではなく「バカな人」だったのではないでしょうか。
危険な地域にいて善意だのどうだのということは、死人に鞭打つようですが、もはやどうでもいいことです。困っていると偽りの訴えをしてきた悪人に殺されたとしても、氏は笑顔で死んでいったのでしょうか。

氏が亡くなったのは、氏だけの罪ではないですが、氏の罪の部分も絶対的にあると思います。
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