野菜通信@畑の中心で愛を叫ぶ・・

長崎県・西海無農薬やさいの会生産者の一人、
フッチーが気ままにつづるブログです。

石木ダム建設事務所に質問状を送りました。

2015年07月24日 13時53分45秒 | 石木ダム

長崎県石木ダム事務所から、

石木ダム建設予定地の共同地権者の一人である私のところに、

「土地を譲渡してくれ」とのお願い文書がきましたので、質問状を

送りました。

<ダム事務所からの依頼文書>


 

<これに対する私の質問状>


長崎県石木ダム建設事務所
所長  古川 章 様

                       
 
 先日、「石木ダム事業に必要な土地の譲渡について」という文書が送付されてきましたが、
石木ダム建設にはその必要性について大きな疑問があり、それが解消されるまでは土地の
譲渡に協力することはできません。相手に事業への協力を得るためには、疑問に答え、その
必要性について納得のいく説明をするのが常識です。石木ダム事業が「必要不可欠」な事業
であるとするならばなおさらです。九州地方整備局の事業認定の文書も読みましたが、佐世
保市や長崎県の言い分をそのまま受け入れただけのもので参考になりませんでした。事業
認定されたから説明しなくてよいというのは理由になりません。また、送付されてきたパンフレ
ットは6年前の平成21年3月のもので古すぎます。
必要性について理解ができれば協力することにやぶさかではありません。
とりあえず、石木ダム建設事業の疑問点について以下の質問をしますので具体的にお答え
下さい。


<佐世保市の水需要予測について>


 2012年度の石木ダム事業再評価の際の佐世保市の水需要予測では2014年度の一日
最大配水量の予測値は91,717㎥でしたが実績値は77,210㎥、その差なんと14,50
0㎥にもなりました。一日平均配水量も73,649㎥の予測に対して実績値は69,233㎥で
その差は4、416㎥と大きなものになりました。右肩上がりに増加するという水需要予測は事
実によって完全に破綻しました。そして佐世保市水道局は平成27年度(2015年度)予算の
策定にあたって一日平均配水量の見込みを、79、210㎥の予測だったものを70,231㎥
に、約9,000㎥も引き下げています。このことは佐世保市自身が水需要予測の破綻を事実
上認めたことになります。長崎県と佐世保市は、「佐世保市の水需要は今後右肩上がりに増
大する」と予測し、だから「石木ダムが必要」と言っていましたが、実際の数値は確実な右肩下
がりです。今年度になってからも、その傾向は続いています。平成19年度に行った予測でも
予測値と実績値の間にとても大きな乖離がありました。なぜこのような実績値と著しく乖離した
意味のない予測を繰り返すのか理解できません。
地権者が不信感を抱くのも当然です。以上を踏まえ下記の質問をします。



 2012年度の石木ダム事業再評価の際の前提が同じならば平成27年度(2015年度)予算
の策定にあたって佐世保市の水需要の見込みも、予測値と同じ数字になるはずですが、大き
く下方修正しているのは前提に何らかの変化、変更、訂正などがあったものと考えられます。
特に工場用水については6,605㎥/日の予測だったものが1,848㎥/日に大幅に下方修正
されています。なぜこのようなことになったのか、具体的にデータを示してご説明下さい。また
予測値と実績値の間に極端な差があったことについて今回はその原因をどのように分析して
いますか。(前回、平成19年度予測の破綻の際は①リーマンショック以来の全国的な経済不況
の影響②渇水の影響などの理由を挙げていました。)



 事業認定時の佐世保市の水需要予測はすでに破綻しており、無効だと考えます。つまり実積
値でその誤りが明らかになった予測を示してダムが必要、とは言えなくなりました。もしまだ
「有効」とするならばその理由をご説明下さい。


3,
「石木ダム建設事業は佐世保市の慢性的な水不足を解消するため」としていますが、①平成
6~7年の渇水時と比較すると現在は年間で約2ヶ月分の水が使われなくなってきている。
②佐世保市の水需要は年々減少し、平成26年度は1日安定配水量77、000㎥/日をわず
かに越えた日がたった一日、平均配水量は70、000㎥/日を割っている。今年度も3ヶ月以
上が過ぎて安定配水量を越えた日は一日もなく、3ヶ月間の平均配水量も70、000㎥/日を
下回っている。さらに「不安定水源」としている水源からも20、000㎥/日以上をまかなえる
こと、などの数値からすると現在の水源で十分足りている。③年間貯水率はこの7年間毎年
90%以上で推移しており、平成19年以来、市民への「節水のお願い」もなされていない。
佐世保市民は水道料金さえ払えばふんだんに水道水を使用できる状態にある。
 以上の客観的事実から見て「慢性的な水不足」「佐世保市民は一般的な受忍の限度を超
えている」と言えると状況はどこにもないと思いますがそれでも「慢性的」「受忍の限度を超え
ている」というのであればその理由を具体的なデータに基づいて証明して下さい。

まだたくさん疑問点はありますがとりあえずこの3点について文書でご回答をお願いします。

収用裁決まで行って進めようとしている事業なので上記の質問には即答できるものとは思い
ますが、余裕を見て回答期限を2015年7月31日とします。

                                                       以上




 




「石木の地次世代に引き継げ」-7/15長崎新聞の投稿

2015年07月18日 22時30分16秒 | お知らせ

7/15の長崎新聞の読者投稿欄に載せられていたものです。

まったく同感ですね。石木ダム建設予定地のこうばる地区は日本の原風景を彷彿させる、

まさに自然遺産と言っても良いくらいのすばらしいところ、次世代に引き継ぐ宝の場所です。

安倍首相は、建設費用が膨れあがって国民の厳しい批判を浴びている新国立競技場について

「白紙に戻す」と言っているそうですが、石木ダムを白紙に戻すのはもっと簡単です。

ダムがなくて生活に支障を来す人は誰もいないし、それにつぎ込む莫大な無駄金を、県民

のために使えば逆に多くの佐世保市民、長崎県民から喜ばれるでしょう。

一句浮かびました。

まだ間に合う  白紙に戻そう  石木ダム



「石木ダムはほんとうに必要か皆で考えよう」ーパタゴ二アのラッピングバス

2015年07月13日 22時40分12秒 | 石木ダム

シャッターチャンスは突然訪れるものです。

先日、佐世保市内のとある電気店の駐車場に車を止めて車内にいたところ、

失うものは美しいもの

水は足りています

ダムが必要かどうか皆で考えましょう

と書かれた例の西肥バスのラッピングバスが目の前の交差点の信号で止まるではありませ

んか!!アウトドアーメーカーのパタゴ二ア日本支社石木川まもり隊が共同で企画し、今年

5月から走らせているラッピングバスです。あわてて車の外に出て連写、連写、連写でした。

石木ダム建設予定地・川棚町川原(こうばる)の住民であるイラストレーター石丸ほずみさん作

のあったか~いイラスト。しかも、老若男女、こうばるのすべての住民の似顔絵が描かれている

のですからすごい!

 













 

石木ダム反対!と声だかに叫ぶのではなく、「必要かどうか皆で考えよう」というスタンスが良

いですね。


下は、「石木ダム建設促進佐世保市民の会」という「市民」団体が20年前から運行している佐世保

市営バスのラッピングバス。「市民の会」といいながら、活動費は全額佐世保市負担。つまり税金

です。事務局も佐世保市役所内。実態は行政のダミー団体、やらせ団体なのです。

「どうしてもお願いしたい石木ダム」と書かれていますが、

「強制収容(強奪、強盗)して造ろう石木ダム」に書き直すべきでしょう。


パタゴ二アのラッピングバスとはクオリティーの差が歴然ですね。

さてあなたが乗りたいのはどちらのバスでしょう。




現代の狂気-石木ダム建設

2015年07月11日 21時24分28秒 | 石木ダム

昨日は、石木ダム建設予定地川棚町の川原(こうばる)まで足を伸ばしてきました。

いつ行ってもこうばるはいいところです。

ここをダムの底に沈めようとする人間たちがいることが信じられません。

しかもそのやり方が酷い。必要性の説明もろくにせず、同意も得ず、強制的に家屋、土地を収用

しようというのですから狂気の沙汰、今の世の中にあるまじき人権侵害です。


ダムができたら水の底に沈んでしまうであろう場所をたくさん写真に納めてきましたので一部を紹

介します。



これは空き家ではありませんよ。今現在、住民がいて生活を営んでいるのです。

ほかに11件の家屋があります。県は、抵抗する住民を無理やり引きずり出して、13戸すべてを

重機で取り壊すつもりでしょうか・・。恐ろしい・・。








こううばる公民館。老朽化が進み雨漏りがしていたのですが、どうせダムの底に沈むのだからと

行政の支援はえられず、広くカンパをつのり、屋根の葺き替えが完成したところです。

私もわずかですがカンパしました。






清流石木川。

雨続きだったので、勢いよく流れていました。ここもダムの底へ。









夏休みに入ると子供たちで賑わう遊泳場。天然のプールです。

地域の子供たちの心身を育んできました。

石木ダムは子供たちの夏のささやかな楽しみも奪います。










毎年、綺麗な乱舞を披露してくれるホタルたちも水の底へ・・・。






田植えからしばらくたち、稲も順調に育っていました。

隅々まで気持ちを込めて作られていました。

代々受け継いで、しっかりと守ってきた田んぼも取り上げられ、潰されてしまうのでしょうか・・・。











季節の花々が綺麗でした。(まだまだたくさんありましたが一部だけ・・)
























しかしこうばるの人たちは強い。

強制収容につながる法的な準備が進められ、普通なら心が折れそうな状況ですが、明るく

したたかに県と対峙しています。

「絶対にふるさとは渡さない、絶対にダムは造らせない」と。
















県が付け替え道路工事を強行しようとしているゲート前では連日阻止行動行われていいます。


















石木ダムー県は強硬姿勢をやめよ(2015/07/10長崎新聞論説)

2015年07月10日 19時59分33秒 | 石木ダム

2015/07/10 今日の長崎新聞論説。

客観的で、よく考え抜かれた論説でまったく同感です。

特に石木ダムを推進している県知事、佐世保市長、議員さんたちには必読だと思います。

くれぐれも「けしからん!長崎新聞なんかつぶしてしまえ!」なんて考えないように。

それにしても、


「県は強硬姿勢を止めよ」


「強制収容という手法で、自分の家で生活を営んでいる住民たちを無理やり引きはがしてまで


作業をするなど、今の日本において、まともな光景ではない。県は立ち止まってほしい。」


『「石木ダムとは必要なのか」と疑問に思っている県民がいかに多いことか。県民にこれほど


理解されない不幸な事業を他に知らない。』


などなど、ずばりよく言いましたね。

ジャーナリズムはこうでなくちゃ。