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ケルン・コンサートの楽譜から学べること #1

2016年08月04日 | 音楽

バックヤードという言葉があります。

どんなものにも表の顔があれば、

裏の顔があります。まさにコインの表裏のように

それは表裏一体のものです。 

ケルン・コンサートのCDが表の顔であれば、

彼の演奏を楽譜にしたものや舞台裏のお話しは

裏の顔と言ってもいいでしょう。

作品を裏から見るか、表から見るか。

例えば、生花をみる時、作者が見て欲しい通りにみることは

当然でしょうが、その生け方の美しさを味わうには

花を生けていったプロセスを考えることによって、

その生花の素晴らしさをさらに深く理解できるというものです。

音楽も同じです。私は、かねてから、沢山のジャズプレイヤーの演奏を聞き、

多くの影響を受けてきました。フレーズやサウンドの構成に興味がありました。

高校生の頃、たまたまスイッチをひねるとラジオから

ビル・エヴァンスの演奏が流れたとき、あまりの

エレガントな演奏に釘付けになってしまったのですが、

そんな素晴らしい音をどうすれば出せるのか興味がありました。

結局、それを再現するには音をコピーするしか無いのです。

 

さて、ケルン・コンサートの楽譜です。これを目の前にすると、

この演奏を残したキース・ジャレットに感謝したいです。

実はこの時の録音に使ったグランドピアノはベーゼンドルファーです。

ただし、最悪のコンディションのベーゼンドルファーだったのです。

ケルン・コンサートに使用する特注のピアノが届かず、

結局演奏に使ったのは、ホールにおいてあった、

あまり整備されていないピアノだったのです。

一聴すれば、ピアノは綺麗に録音されているように聞こえますが、

実は高音の一部の音域がまったく駄目です。気の抜けた音です。

本来、ベーゼンドルファーは、中高音がきらびやかなピアノです。

それがまったくスカスカした気の抜けた音として録音されています。

CDの中の4曲目の後半部を聞いたら、それが十分わかると思います。

ピアノが届かなかったのは致命的なアクシデントです。アクシデントはそれだけでは

ありません。

さらに悪いことに、当時キース・ジャレットは腰をいためていたそうで、

コンディションは最悪だったそうです。

しかし、そういうアクシデントを乗り越えて、

世界に大きく影響を与えた演奏を成し遂げたところが

キース・ジャレットのプロの演奏家としての素晴らしいところです。

このCDは今でも売れ続けています。まさにジャズピアノソロの金字塔です。

彼の音楽を弾いてみると、曲としてのアイデアは実に叙情的で

何度聞いても飽きない演奏です。ところが意外にコード進行は

シンプルです。この曲を分析したものは今後このブログで紹介します。

 

 

 


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