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森ゆうこ参院議員「検察審査会の謎を解明せよ」の発言内容(1/2)

2011年02月12日 13時31分23秒 | 政治・社会
2月9日の「検察審査会の疑惑を究明する市民と国会議員の会」結成集会で森ゆうこ参院議員が講演された「検察審査会の謎を解明せよ」の発言内容を

漫画家イラストレーターぼうごなつこさんが文字化してくれました。

長い講演を全て文章化されたぼうごさんのにご努力に感謝いたします。

2回に分けて転載させていただきますのでよろしくご参照ください。

▼ 森ゆうこ議員 検察審査会の憲法違反、小沢氏審査会起訴の手続き無効を指摘  ぼうごなつこ氏

2月9日に行われた「検察審査会の疑惑を究明する市民と国会議員の会」内での、森ゆうこ議員のお話を文字化しました。

 2011.02.11 「まんがイラスト・ぼうごなつこのページ」

まんがイラスト・ぼうごなつこのページ

その前に、初めてこちらを読む方のために前説。

小沢一郎さんが検察の捜査を受けて結局何も証拠が出てこずに不起訴になりましたが、その後、ある市民団体によって検察審査会に申し立てがされ、

そこで二回の起訴相当議決が下り、公判に入ろうとしています。

けれども、その検察審査会の開催事態に様々な問題があるようです。

きちんとした本来すべき手続きを経ないで、とにかく小沢さんを起訴したいがために、乱暴な手段で行われていたんじゃないかということ。これは小沢 さんに限ったことではなく、

もし検察から標的にされたら誰でもそうなってしまうということです。

本来、検察の不起訴に納得できなかった被害者や当事者が「検察はしっかり捜査したの?」と申し立てをする検察審査会が、ある人を起訴したいがため に、

むしろ検察が検察審査会の「二回の起訴議決で強制起訴」ということを悪用して、何も証拠が出なかった案件を強制的に起訴しようと利用してしまうな んて、

たまったものではありません。

森議員や、一連の出来事がおかしいと思った一般の人たちが調べていく中、検察審査会の制度や法律自体に様々な不備があることや、検察・裁判所・検 察審査会が事実上繋がっていて、

三権分立が全く無視された状態で行われていることがわかってきたことも副産物です。

それでは、森議員のお話の文字おこしは、以下からお読みください。

(繰り返しの部分などは読みやすいように、適当に編集しています)

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皆さんのもとに資料は届いていますでしょうか。「検察審査会のナゾを解明せよ」ということで、ほんとにこれ膨大な資料がありまして、どこをご報告 させていただいたら

いいのか悩みましたけれども、まず、後ろの方の、私が「のり弁」とツイッター上でつぶやいております、これ、一番後ろの方ですね(当日の配布資料 を見ながら)。


■検察審査員の11人の中身は入れ替わる。毎回同じ人ではない

これが、検察審査員、補欠の検察審査員、臨時に検察審査員の処分を行うものの選定(?最後少し聞き取れず)です。国民の皆さんはマスコミに騙され ているんですが、

審査員11人はずっと同じ人が出席するわけではありません。

毎回毎回、欠席者がいます。小沢さんの起訴議決を行った検察審査会は、多いときで4人の、11人のうち4人の審査員が欠席をして、そのつど・・・ ここに臨時の「臨」という

スタンプが押してありますが、臨時の審査員が選定をされて補充員として選ばれるんですが、その方達が審査員となって、審査をする。ここがポイント です。

この、臨時選定員というふうに略称で呼ばせていただきますけども、後で、しっかりとご報告をさせていただきたいと思いますが、


■検察審査会は憲法違反、9月14日の検察審査会の起訴議決は無効

まず、結論から申し上げます。検察審査会は憲法違反である。そして、小沢一郎民主党元代表に対する9月14日の検察審査会の起訴議決、強制起訴に 繋がる起訴議決は、

手続き上、無効であります。

本日は、これを皆様にご説明するために、私の調査した順に追ってご説明をさせていただきたいと思います。


■誰も責任をとらない制度・検察審査会

それでは2ページをご覧下さい。これはもう、この市民の会の皆様の集会に出席をされてる皆さんは、もう既にご存知かもしれませんが、改めて、検察 審査会というのは一体

どういう位置づけのものなのかということを図にしてみました。

ご案内のように、わが国は三権分立。つまり、律法・行政・司法。これは何のために存在するのか。国家権力、公権力の行使から基本的人権を守るため の権力の分散。

そのチェックアンドバランスを保っていく。

そのことによって国民の基本的人権が守られる。そのために三権分立となっております。

元・参議院法制局の播磨弁護士が、近々学会に論文を提出することになっておりますけども、この検察審査会というのは、三権のどこにも属さない。誰 も責任を負わない。

憲法違反の組織である。ということになると思います。

■検察審査会以外の独立委員会の場合、責任の所在は明確

検察審査会、これは密室で決定する起訴というのは、強力な国家権力の行使でございますので、これを決める。しかし、誰も責任を負わない。まあ、独 立委員会だから、

検察審査会法第三条において、独立してその職務を行うことになっていますが、独立委員会だからしょうがないんじゃないの、そう思うかもしれませ ん。

しかし、例えば行政委員会で、公正取引委員会というのがいわゆる会でございます。これは、昨年の11月26日の参議院予算委員会において当時の 「仙谷法務大臣」に対して

質問をいたしましたけれども、さっぱり答えられなかったときの質問のために使わせていただきましたが、公正取引委員会、これも独立して職務を行う という意味では、

独立した行政委員会でございます。しかし、他にも行政委員会ございますが、全て、所轄が決まっています。

公正取引委員会は内閣総理大臣の所轄に属しますが、所轄というのはつまり、任命責任を負っているということです。また、国会同意審議(?)にかか るものですので、

こういう、独立の行政委員会は、最後、何かあったらやはり内閣が責任を取ります。警察にしても、これは準司法といわれておりますが、やはり所轄は 法務大臣です。

責任の所在が明確です。


■検察審査会は一体どこに属しているのか・・・法律上の不備

では検察審査会はどこに属しているのか。裁判所に属しているんだろうと思われるかもしれませんが、違います。

たしかに、検察審査会の下にある事務局の職員は裁判所から出向しています。

裁判所の事務官というからどんなに優秀な人かと思ったら、11人の平均年齢を出すのに1人足し忘れて、10人足して11で割る、計算間違い。

その次に「間違えました」と発表した。

しかしそれも間違えて3回、11人の平均年齢を発表した、素晴らしく優秀な職員でいらっしゃいますけども(笑)その方達は、裁判所の事務官から出 向しております。

そして、予算は裁判所の管理。つまり、私が予算委員会で、検察審査会の質問をすれば、

最高裁判所の担当者、判事の資格を持っている人たちがお答えになる。

私ね、こんなに最高裁と仲良くなるとは思ってなかったんですけども(笑)もう毎日最高裁の皆さんからおいで頂いて、やっぱり判事さんの資格持って る方というのは言い訳が違いますよね。

もう私達ではとても思いつかない、

もううちの子どももああいう言い訳はしないなっていうような言い訳をたくさん仰って下さるんですが、それは順次・・これ言っていいのかどうかわか らないような内容もありますが、

この後、報告をさせていただきたいと思っております。

検察審査会は、その法律第一条におきまして「裁判所の所在地に置く」とあります。裁判所の中じゃないんですよ。裁判所の所在地です。いまは便宜的 に裁判所の中に入っておりますけども、

本当は裁判所の中にいちゃいけないんですよ。

独立した機関です。裁判所のあるその所在地に置くというだけで、裁判所に入っているわけじゃないです。法律の不備なんです。どこも、裁判所が責任 を負うという法律の規定にはなっておりません。

全国に165の検察審査会がございますけども、どこもそういうことになっています。

これが、まず法律上の問題です。皆さんもご存知のように、憲法六十六条三項「内閣は行政権の行使について、国会に対し、連帯して責任を負う」とあ ります。この「連帯して責任を負う」

これが全くないのが検察審査会です。

これは至急、大至急、法改正をしなければなりません。実は昨日、民主党の法務部会で、市民の司法制度の関わりを考えるワーキングチームが立ち上が りました。

この中で、検察審査会の問題について整備をし、そして法改正に向けて検討を重ねていくということがスタートいたしました。また別途、私自身、参議 院法制局に対し、私なりに問題点を整理した上で、

議員立法が出来るように、既にオーダーをして、党の議論が少しでも進むように先生方とも力を合わせて頑張っていきたいと思っています。


■検察審査員平均年齢の発表が二転三転。不自然な平均年齢の発表

さて、今日は、私にしては学術的な報告なので、前半、ちょっとカタくなってしまったんですけども、後の話はですね、ほんとにマンガの世界ですよ。

(当日配布資料を出して)3ページをご覧下さい。東京第五審査会平均年齢の奇奇怪怪。これはもう皆さんよくご存知だと思います。さっき申し上げま した、一人足し忘れ11人なのに

10人分しか足さないで11で割って30.9歳。これを発表したのは、起訴議決を発表した10月4日。

そして、再度計算を致しました。とういことで、33.91歳、これも間違っていました。就任日から議決日に計算の基準を変更いたしました、 34.55歳。これを発表したのが10月13日。

つまり、11人の正しい平均年齢を発表するまでに9日もかかってるんです。しかも、これは1回目と全く同じ、先ほども有田先生からご報告がありま したように、確率論上、ほとんど0%。

まだまだございます。まあ、ほんとに若すぎるんですよね。有権者の平均年齢は50.2歳。ただ、検察審査会というのは、70歳以上の方は辞退出来 るとか、いろんな条件がありますので、

他の審査会・・・沖縄もこれよく調べないと・・・1ヶ月くらいで2回目をやってますから、これもさらに調査を進めますけれども、沖縄の平均年齢も 若すぎますが、

他の検察審査会の平均年齢は42.9歳。(今回、第五検察審査会が出した34.55歳と比べても)10歳近く若い。非常に不思議です。全く別の検 察審査員が、

小数点以下第二位まで同じなんてことは有り得ないんです。

だから皆さんの方から、「審査員は本当に無作為に選定されたのか」「審査員は本当に存在したのか」「審査会は本当に開催されたのか」つまり、幽霊 審査会ではないか、このような疑問を頂きました。


■森ゆうこ議員「検察審査員選定くじ引きソフト」の存在を知る

そして、ここで、先ほどの米長さん、「小沢さんは敵か味方か」(※1)なんて、勇気ありますねえ。10月15日、テレビ中継の入った参議院予算委 員会で、私は検察審査会の質問をしましたが、

そのときは検察審査会について全くわからない状況での質問でした。その中で、米長さんが、くじ引きソフトというものについて詳しく質問をして下さ り、その質問を聞いて、なんかおかしいねと。

そんなにきちんとコンピュータソフトを使って計算するんだったら、電卓で計算しなくても、電卓で計算しなくても(強調!)、表計算で自動的に出て くるでしょう?

ということで、くじ引きソフトを調査することになったんです。人生においてこれほど濃密な時間を過ごすとは思いませんでした(笑)。ここから始 まったんです。

(※ 1)米長晴信参院議員。民主議員総会において「幹事長の、党はばらばらでない、という認識は改めてもらいたい。地元で、内ゲバはやめろと言われる。参考ま でに私のところに

政治とカネの問題なんとかしろという人は一人もいなかった。敵は誰かと思っているのか。小沢一郎元代表を敵だと思っているのか、味方と思っている のか。敵から味方を守るのが挙党一致の姿だ」と発言


■検察審査員選定くじ引きソフトをナマで見る

11月8日、さきほど世話人としてご紹介させていただきました先生方と一緒に、私の部屋でくじ引きソフトのデモンストレーションをやっていただき ました。これも(最高裁側が)渋ったんですよ。

これやるまでに3週間ぐらいかかりました。ほんとはオリジナルのデータでやりたかったんですが、ダミーデータとパソコンを持ち込んできて、保守点 検業者と最高裁の担当者が来て、

デモンストレーションをやってくれました。

まあ、大したことはないんですよ。ワンクリックすると「はい、クジができます」。説明は3分で終わりました。

そのときに、色々質問をしたんです。ソフトの保守点検業者ですからね。「最近、何かトラブルとか困ったことはありませんでしたか」と。そうした ら、「コンピュータが固まってしまって、

普段は電話なんだけど、

出向いて行って対応したら、1600年代の生年月日の人が名簿の中にあって、それをソフトが受け付けないということになってしまって非常に困りま した」と。

1600年代の人・・・(ここで小沢遼子さんが「私より年上ね」と突っ込み)そうですね、小沢先生は若いですから(笑)1600年代生まれってこ とは江戸時代生まれですよ。おかしい。

だって国会での説明はですね、全部なんかこう自動的に元々ある有権者名簿から、誰も手を触れずに機械的にくじ引きソフトを使って抽出して、それが 送られてきて、それでくじ引きをするんだ、

って言う答弁だったから。まさかそんなことがあるとは思いませんでしたので、私はすっかりこの調査にハマってしまいました(笑)


■検察審査員選定の実態

結局、すったもんだの上、回答があったんですが、要するに、全部機械的にやっていると思いきや、それは例えば、東京第一検察審査会ですと、港区、 千代田区、各区に

選挙管理委員会があるんですが、八丈島から・・・八丈町か、その小さい町とか、いくつかの選挙管理委員会から名簿が送られてくるので、くじ引きソ フトの選挙管理委員会版を

持っているところもあれば、昔の商店街のガラガラポンのような手動のもので審査員の候補者を送ってくるところもあり、とにかくいろんなところから 集まって名簿が100人出来るわけです。

その中で、手入力でやるので、間違いが起きたということがわかりまして、パソコンソフトでやってるのは一体なんだろうということで、さらにナゾが 深まって・・・これやっぱりねえ、

男性と女性の関係もそうですけど、

これやっぱりミステリアスなものほど惹かれますので、どんどんこれにハマっていって(笑)

逃げ回る裁判所職員を説き伏せて、ソフトのデータそのものを貰いまして、そのデータの借用書を書かされましてね・・・私はなんで皆さんの代表とし てバッジをつけて国会に来てるのに、

必要な情報を取るのに借用書を書かなくちゃいけないのかと理不尽だなと思いながら借用書を書いて、このくじ引きソフトのデータを頂いて、専門家か らご協力を頂きました。

その結果、これ(くじ引きソフト)ね、作るのに6千万円かかったんです。6千万。それで、専門家に実験していただいたときに、これパソコンの、な んていうのかな、ソフトを作るとき

というのは行数で数えるんですね。

(専門家によると、このソフトは)3万行くらいあって、だいたい700万円くらいでできるでしょうと。どんなにかかっても1400万円くらいで しょうという話でした。

これが、保守点検費も含めて6千万円かかりましたと。

で、そのソフトを実験してみた結果、実験で証明を致しました。詳しいことは私のサイトでご覧下さい。PDF化されてすぐ出せますから。ぜひご活用 ください。

簡単に言いますと三つ。

簡単に恣意的操作が出来て、当選させたい人以外は簡単に除外することが出来る。

各選挙管理委員会から10人とか15人とか少しずつ名簿が送られてきて、100人の名簿が出来上がります。そしてくじ引きソフトを使ってくじを引 くときに、100人のうち・・・

この方達は年令がアレなんで、コントロールしにくいので50歳以上はハネておこうと思えば簡単に削除できます。しかもその証拠は残りません。これ は実験で証明を致しました。

■検察審査員選定くじ引きソフトは審査会法施行令九条違反

この「証拠が残らない」というのが、実は審査会法の施行令九条違反になります。

もともとの100人から誰を削除したのか証拠をちゃんと残しなさいというのは、施行令に書いてあります。もうこの時点で、もうこのソフトを使って いる時点で施行令違反です。

さらに驚くことに、自治体から名簿が送られてくるんですが、その名簿とは別に、全く別に候補者名簿を登録することも出来る。

だから、無作為に各選挙管理委員会からすこーしずつ選定したものが送られてきて、それをくじ引きでワンクリックで無作為に選んだと思いきや、もう なんでも出来るという、そういうソフトだと。

しかも6千万円もかかる。こんなのに6千万もかかるんだったら、裁判所の前であみだくじやる方がずーっといいですよ。という結果でございました。

(2/2に続く)



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