● 子供を不幸にする日本の教育
前回の私の記事(上)に対して、色々なコメントをいただきました。
その中に、英語塾を10年やっておられる方から、
「塾に通って来る子供の表情が皆暗い。小中あたりは一番無邪気で、楽しい時代の
ように思われるのですが、くらーい顔をしています。中学3年生が1番暗かったです
ね、やはり受験の影響でしょうか」
とのお話がありました。
私は、小学生、中学生の勉強補助と生活相談を6年以上していますが、私の知って
いる中学3年生の女子は、精神安定剤を飲みながら学校に通っています。精神安定剤
を飲むと、一時的には不安やイライラが減少しますが、反動として眠くなったり、反
応が鈍くなったり、記憶が飛んだりします。
できるだけ飲まないように言っているのですが、どうしようない日が、週のうち
2、3日はあるようです。学校のない土、日曜日は飲まないで済むようです。
長年子供達の悩みの相談と問題解決に関わってこられた「夜回り先生」の名で知ら
れる水谷修さんは、「リストカットなどの自傷行為に走る子供達は、おそらく全国で
100万人以上いるだろう」と言っておられます。
受験競争を勝ち抜く為の教育に変質してしまった現在の日本の教育は、子供達に過
度の負担とストレスを与えています。攻撃的な子供は、弱い子やおとなしい子や個性
的な子供をターゲットに、嫌がらせやいじめを仕掛けて、自らのストレスを一時的に
解消します。
やさしくて他人を攻撃できない子供は、精神安定剤を飲んで心のバランスを保とう
としたり、自らの体を傷つけることで、パンパンに膨張しきった心を一時的に癒した
りします。
更に不幸なことに、子供の抱えているこのような深刻な事態を、敏感に感じ取る大
人が極端に減っています。ほとんどいない位で、子供は誰にも相談できず、1人でに
苦しみ続けます。
親は親で、日々の生活に追われ、子供の教育を学校と塾に丸投げしているので、子
供の成績には関心があるが、肝心の教育の内容には無関心です。子供が発する悩みの
シグナルに、鈍感になっています。
学校の先生は、子供に向かい合う時間が無いほどの雑務に追われて、個々の子供が
抱えている問題に充分対応できていません。
この現実は一体、何なのでしょうか?
他の選択肢が用意されていない日本の教育制度
(上)で私が言いたかったことは、門戸をわざと狭くして、生徒を競争させる日本
独特の受験制度は、教育全体をゆがめ、落ちこぼれや病む子供を増やすだけであること。
このばかばかしい試験制度を即刻廃止して、フランスのバカロレアのような、ある
一定基準の学力を獲得している進学希望者は、全員入学できる制度に早急に改めるべ
きだということです。
良い学校=良い会社=良い生活という、経団連の大企業経営者や自民党文教族、文
部科学省の役人と御用学者や御用評論家が勝手に決め、マスコミが無批判に宣伝した
価値観を元に、日本の教育は国家主導で行われています。
戦前の国家による天皇制軍国主義教育の反省から、1948年に教育行政の地方分権、
民主化、自主性の確保を理念として、各自治体に教育委員会が設置され、国家権力の
教育への直接的な干渉を排除する制度ができました。
1956年の教育委員の公選制から任命制への転換を契機に、国家の直接関与が露骨に
なり、現在では文部科学省の忠実な下部機関として、各学校への細かい管理・指導・
監督を行っています。
受験競争に打ち勝ち、良い学校に入れば1流企業に就職でき、豊かな生活が一生保
証されると言う、もはやどこにも通用しない、夢物語の価値観を強制して、子供と親
を競争に駆り立てているわけです。
他の選択肢が用意されていないため、日本の親は嫌がる子供の尻をたたき、学校が
終わってからも塾に行かせて、夜遅くなるまで勉強させているのです。
他の価値観、たとえば、ほどほどの経済力があればよい、自分の好きなことで生活
ができ、家族や友人との関係を大切にし、他の人の運命や周りの環境により関心を持
ちたいと言う価値観は、評価されません。
そのような価値観を持っている人は、我々の時代は「ヒッピー」と呼ばれていまし
たが、今では、落ちこぼれ、引きこもり、二ートと呼ばれ、働く意欲のない社会的不
適格者とされてます。
日本の教育には、他の選択肢が用意されていないため、親は脅迫観念で子供を受験
競争に追いたて、塾や私立学校の高い授業料や入学金を払わされているのです。
お父さん、お母さん達は、まともな教育(理解できる教育、楽しめる教育、安い教
育)を受ける権利を求めて、自ら決起するしかないと思います。
フランス人の第2の価値観
フランスにも、当然ながら、グランゼコールを卒業するようなスーパーエリートが
存在し、フランスの政界、官界、財界、マスコミ、研究機関の主流を形成しており、
エリート独占の弊害を「フランス病」と批判されています。
しかしながら大部分のフランス人は、人生を楽しむ第2の価値観を持っている人が
圧倒的に多いと思います。
それゆえに、門戸開放型の入学制度や教育の無料化と共に、医療費の無料化、出産
費用と検診料の無料化、出産祝い金の支給、手厚い児童手当や住宅手当、失業保険、
週35時間労働、最低賃金制(スミック)、労働契約の義務化、労働組合の義務化、年
5週間の有給休暇(ヴァカンス)など、世界最高レベルのセイフテイーネットを張り
巡らした社会を実現してきました。
他方、フランスは人種や階級への差別が根深く残る社会であり、失業率の高さや犯
罪率の高さなどの問題を抱えています。
特に全人口の2割以上を占める、旧植民地からの移民労働者への差別問題が大きく
なっています。移民労働の2世、3世の若者への社会的、経済的差別が原因で、3年前
には全国に広がる暴動事件が発生しました。
● 哲学を重視するフランスの教育
フランスの教育で1番重視されているのが、文科系、理科系、社会・経済系を問わ
ず、フランス語と哲学です。
たとえば、今年6月のバカロレアの文科系の哲学の問題が、下記の3つのテーマで、
この中から1つ選んで記述するわけです。記述時間は4時間以内です。
◇ すべての自覚は開放的でありうるのか。
◇ 芸術作品は、他の事象と同様に現実的であるのか。
◇ アリストテレスの『随意正論(Ethique à Nicomaque)』のテキストを元に、責任について語れ。
日本の試験では、途中経過を無視して最終回答が正しければ由としますので、暗記
力重視の丸暗記教育となるのに反して、フランスの試験では、結論に至る思考過程や
論理構成を評価する、自ら考えさせる教育方法を基本としているのが分かります。
マークシートの答えを、コンピュータで集計する日本の試験と比べますと、フラン
スでは、先生が30万人のバカロレア受験生が4時間かけて書いた論文を、1つ1つ読ん
で論評し評価する訳です。このこと1つを見ても、フランスの教育の奥の深さを感じ
ます。
フィンランドの教育の特徴
3年に1度OECD加盟国の15才の学生を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リ
テラシー、問題解決を調査する「学習到達度調査(PISA)」が2000年に開始されまし
た。
2003年のPISAで学力世界1と評価されたフィンランドは、1992年に国の「指導要
領」を大幅に削減し、1994年には「教科書検定」を廃止し教育内容と教育の量の決定
権を各学校に移管しました。
すべての教師が、教育学部大学院で教授法の専門教育を受け、年間の教育プログラ
ムと教育内容を自ら決めて分かる教育、落ちこぼれを出さない教育、楽しい教育を実
践しました。
PISAの調査結果に関して、フィンランドの教育に詳しい中嶋博・早大名誉教授
(81)は以下のような見解を話されています。
◇ 義務教育世界一と言われるフィンランドは、授業時間が日本より少ない(下記資
料参照)。総合カリキュラム見直しでは『ゆとりの時間』が増やされる。
◇ 日本の文部科学省が2003年のPISAの調査結果を受けて、「日本人生徒の学力の低
下は、ゆとり教育に原因があり総合的学習の見直しが必要だ」との分析は間違ってい
る。決して学力は落ちていない。
◇ 日本や韓国が高得点をあげていた従来の国際調査は、詰め込まれた知識量をみる
ものだった。それを見直して、生涯にわたって学習する能力を身につけているかどう
かをみるための指標として始まったのがPISA。
◇ 暗記や暗唱が中心の教育に戻したり、授業時間を増やしたりする方法では、日
本の教育が抱えている課題は解決できない。
◇ 授業の組み立て方や教科書の選定など、教育内容の大部分を現場の裁量に任せた
のがフィンランドの教育制度。
◇ 「落ちこぼれをつくらないというだけでなく楽しんで学ぶこと」がフィンランド
の教育の特徴。
【年間平均標準授業時間の比較】
日本 フィンランド
7~8歳 709時間 530時間
9~11 761時間 673時間
12~14 875時間 815時間
● 日本の教育の未来
教育本来の目的は、バランスのとれた、広く深く考えられる人材を育成し、他人の
価値を認め共に協力し合って皆が豊かに安心して暮らる社会をつくれる人材を育てて
いくことだと思います。
天然資源も無く、狭い国土に1億2500万人が暮らしている日本には、幸いなこと
に、勤勉で優秀な「人材」と世界に誇れる「平和憲法」があります。
「哲学を重視し自らの頭で考えさせるフランスの教育」と「落ちこぼれをつくら
ず、勉強の楽しさを教えるフィンランドの教育」を手本にしながら、子供を受験競争
に駆り立て、親にお金を使わせ、国家の価値観を強制する現在の日本の教育は、日本
人を不幸にしています。
今こそ、本来の教育を子供と保護者の手に取り戻す大きな運動が必要と考えます。
小規模ながら私が6年間実践してきました、子供の基礎学力を身につける「土曜勉
強会」と基礎体力を作る「水泳教室」は、自分のボケ防止と体力増進にうってつけで
すが、何よりも子供達の成長を見られる大きな喜びがあります。
お金と時間のある多くの団塊の世代の方々に、是非始めていただきたいと思いま
す。 (了)
2007-10-16「OhmyNews」公開記事
前回の私の記事(上)に対して、色々なコメントをいただきました。
その中に、英語塾を10年やっておられる方から、
「塾に通って来る子供の表情が皆暗い。小中あたりは一番無邪気で、楽しい時代の
ように思われるのですが、くらーい顔をしています。中学3年生が1番暗かったです
ね、やはり受験の影響でしょうか」
とのお話がありました。
私は、小学生、中学生の勉強補助と生活相談を6年以上していますが、私の知って
いる中学3年生の女子は、精神安定剤を飲みながら学校に通っています。精神安定剤
を飲むと、一時的には不安やイライラが減少しますが、反動として眠くなったり、反
応が鈍くなったり、記憶が飛んだりします。
できるだけ飲まないように言っているのですが、どうしようない日が、週のうち
2、3日はあるようです。学校のない土、日曜日は飲まないで済むようです。
長年子供達の悩みの相談と問題解決に関わってこられた「夜回り先生」の名で知ら
れる水谷修さんは、「リストカットなどの自傷行為に走る子供達は、おそらく全国で
100万人以上いるだろう」と言っておられます。
受験競争を勝ち抜く為の教育に変質してしまった現在の日本の教育は、子供達に過
度の負担とストレスを与えています。攻撃的な子供は、弱い子やおとなしい子や個性
的な子供をターゲットに、嫌がらせやいじめを仕掛けて、自らのストレスを一時的に
解消します。
やさしくて他人を攻撃できない子供は、精神安定剤を飲んで心のバランスを保とう
としたり、自らの体を傷つけることで、パンパンに膨張しきった心を一時的に癒した
りします。
更に不幸なことに、子供の抱えているこのような深刻な事態を、敏感に感じ取る大
人が極端に減っています。ほとんどいない位で、子供は誰にも相談できず、1人でに
苦しみ続けます。
親は親で、日々の生活に追われ、子供の教育を学校と塾に丸投げしているので、子
供の成績には関心があるが、肝心の教育の内容には無関心です。子供が発する悩みの
シグナルに、鈍感になっています。
学校の先生は、子供に向かい合う時間が無いほどの雑務に追われて、個々の子供が
抱えている問題に充分対応できていません。
この現実は一体、何なのでしょうか?
他の選択肢が用意されていない日本の教育制度
(上)で私が言いたかったことは、門戸をわざと狭くして、生徒を競争させる日本
独特の受験制度は、教育全体をゆがめ、落ちこぼれや病む子供を増やすだけであること。
このばかばかしい試験制度を即刻廃止して、フランスのバカロレアのような、ある
一定基準の学力を獲得している進学希望者は、全員入学できる制度に早急に改めるべ
きだということです。
良い学校=良い会社=良い生活という、経団連の大企業経営者や自民党文教族、文
部科学省の役人と御用学者や御用評論家が勝手に決め、マスコミが無批判に宣伝した
価値観を元に、日本の教育は国家主導で行われています。
戦前の国家による天皇制軍国主義教育の反省から、1948年に教育行政の地方分権、
民主化、自主性の確保を理念として、各自治体に教育委員会が設置され、国家権力の
教育への直接的な干渉を排除する制度ができました。
1956年の教育委員の公選制から任命制への転換を契機に、国家の直接関与が露骨に
なり、現在では文部科学省の忠実な下部機関として、各学校への細かい管理・指導・
監督を行っています。
受験競争に打ち勝ち、良い学校に入れば1流企業に就職でき、豊かな生活が一生保
証されると言う、もはやどこにも通用しない、夢物語の価値観を強制して、子供と親
を競争に駆り立てているわけです。
他の選択肢が用意されていないため、日本の親は嫌がる子供の尻をたたき、学校が
終わってからも塾に行かせて、夜遅くなるまで勉強させているのです。
他の価値観、たとえば、ほどほどの経済力があればよい、自分の好きなことで生活
ができ、家族や友人との関係を大切にし、他の人の運命や周りの環境により関心を持
ちたいと言う価値観は、評価されません。
そのような価値観を持っている人は、我々の時代は「ヒッピー」と呼ばれていまし
たが、今では、落ちこぼれ、引きこもり、二ートと呼ばれ、働く意欲のない社会的不
適格者とされてます。
日本の教育には、他の選択肢が用意されていないため、親は脅迫観念で子供を受験
競争に追いたて、塾や私立学校の高い授業料や入学金を払わされているのです。
お父さん、お母さん達は、まともな教育(理解できる教育、楽しめる教育、安い教
育)を受ける権利を求めて、自ら決起するしかないと思います。
フランス人の第2の価値観
フランスにも、当然ながら、グランゼコールを卒業するようなスーパーエリートが
存在し、フランスの政界、官界、財界、マスコミ、研究機関の主流を形成しており、
エリート独占の弊害を「フランス病」と批判されています。
しかしながら大部分のフランス人は、人生を楽しむ第2の価値観を持っている人が
圧倒的に多いと思います。
それゆえに、門戸開放型の入学制度や教育の無料化と共に、医療費の無料化、出産
費用と検診料の無料化、出産祝い金の支給、手厚い児童手当や住宅手当、失業保険、
週35時間労働、最低賃金制(スミック)、労働契約の義務化、労働組合の義務化、年
5週間の有給休暇(ヴァカンス)など、世界最高レベルのセイフテイーネットを張り
巡らした社会を実現してきました。
他方、フランスは人種や階級への差別が根深く残る社会であり、失業率の高さや犯
罪率の高さなどの問題を抱えています。
特に全人口の2割以上を占める、旧植民地からの移民労働者への差別問題が大きく
なっています。移民労働の2世、3世の若者への社会的、経済的差別が原因で、3年前
には全国に広がる暴動事件が発生しました。
● 哲学を重視するフランスの教育
フランスの教育で1番重視されているのが、文科系、理科系、社会・経済系を問わ
ず、フランス語と哲学です。
たとえば、今年6月のバカロレアの文科系の哲学の問題が、下記の3つのテーマで、
この中から1つ選んで記述するわけです。記述時間は4時間以内です。
◇ すべての自覚は開放的でありうるのか。
◇ 芸術作品は、他の事象と同様に現実的であるのか。
◇ アリストテレスの『随意正論(Ethique à Nicomaque)』のテキストを元に、責任について語れ。
日本の試験では、途中経過を無視して最終回答が正しければ由としますので、暗記
力重視の丸暗記教育となるのに反して、フランスの試験では、結論に至る思考過程や
論理構成を評価する、自ら考えさせる教育方法を基本としているのが分かります。
マークシートの答えを、コンピュータで集計する日本の試験と比べますと、フラン
スでは、先生が30万人のバカロレア受験生が4時間かけて書いた論文を、1つ1つ読ん
で論評し評価する訳です。このこと1つを見ても、フランスの教育の奥の深さを感じ
ます。
フィンランドの教育の特徴
3年に1度OECD加盟国の15才の学生を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リ
テラシー、問題解決を調査する「学習到達度調査(PISA)」が2000年に開始されまし
た。
2003年のPISAで学力世界1と評価されたフィンランドは、1992年に国の「指導要
領」を大幅に削減し、1994年には「教科書検定」を廃止し教育内容と教育の量の決定
権を各学校に移管しました。
すべての教師が、教育学部大学院で教授法の専門教育を受け、年間の教育プログラ
ムと教育内容を自ら決めて分かる教育、落ちこぼれを出さない教育、楽しい教育を実
践しました。
PISAの調査結果に関して、フィンランドの教育に詳しい中嶋博・早大名誉教授
(81)は以下のような見解を話されています。
◇ 義務教育世界一と言われるフィンランドは、授業時間が日本より少ない(下記資
料参照)。総合カリキュラム見直しでは『ゆとりの時間』が増やされる。
◇ 日本の文部科学省が2003年のPISAの調査結果を受けて、「日本人生徒の学力の低
下は、ゆとり教育に原因があり総合的学習の見直しが必要だ」との分析は間違ってい
る。決して学力は落ちていない。
◇ 日本や韓国が高得点をあげていた従来の国際調査は、詰め込まれた知識量をみる
ものだった。それを見直して、生涯にわたって学習する能力を身につけているかどう
かをみるための指標として始まったのがPISA。
◇ 暗記や暗唱が中心の教育に戻したり、授業時間を増やしたりする方法では、日
本の教育が抱えている課題は解決できない。
◇ 授業の組み立て方や教科書の選定など、教育内容の大部分を現場の裁量に任せた
のがフィンランドの教育制度。
◇ 「落ちこぼれをつくらないというだけでなく楽しんで学ぶこと」がフィンランド
の教育の特徴。
【年間平均標準授業時間の比較】
日本 フィンランド
7~8歳 709時間 530時間
9~11 761時間 673時間
12~14 875時間 815時間
● 日本の教育の未来
教育本来の目的は、バランスのとれた、広く深く考えられる人材を育成し、他人の
価値を認め共に協力し合って皆が豊かに安心して暮らる社会をつくれる人材を育てて
いくことだと思います。
天然資源も無く、狭い国土に1億2500万人が暮らしている日本には、幸いなこと
に、勤勉で優秀な「人材」と世界に誇れる「平和憲法」があります。
「哲学を重視し自らの頭で考えさせるフランスの教育」と「落ちこぼれをつくら
ず、勉強の楽しさを教えるフィンランドの教育」を手本にしながら、子供を受験競争
に駆り立て、親にお金を使わせ、国家の価値観を強制する現在の日本の教育は、日本
人を不幸にしています。
今こそ、本来の教育を子供と保護者の手に取り戻す大きな運動が必要と考えます。
小規模ながら私が6年間実践してきました、子供の基礎学力を身につける「土曜勉
強会」と基礎体力を作る「水泳教室」は、自分のボケ防止と体力増進にうってつけで
すが、何よりも子供達の成長を見られる大きな喜びがあります。
お金と時間のある多くの団塊の世代の方々に、是非始めていただきたいと思いま
す。 (了)
2007-10-16「OhmyNews」公開記事