ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

【補足】沿海域戦闘艦「オークランド」の情報から(20221025)

2022年10月25日 | 米軍/自衛隊

 2022年10月24日、たまたま海上自衛隊の動向をネットで見ていたら、「日米共同訓練(ノーブル・フュージョン22)」の「おしらせ」に「沿海域戦闘艦『オークランド』の名前が目にとまった。これは2022年10月15日私がホワイトビーチで確認した艦艇だ。

変則、ホワイトビーチ・ウォッチング(20221015) - ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

 

 あの日出港していったが、この日米共同訓練に参加したのだ。期間「2022年10月19日~21日とあり、訓練海域は南シナ海だ。海上自衛隊の護衛艦(戦闘艦)は「きりさめ」(DD104)。目的は「海上自衛隊の戦技技量および米海軍との相互運用性の向上」とある。要するに米日共同作戦強化の訓練だ。当然、集団的自衛権の合憲化が前提といえよう。ここまでは簡単に理解できたのだが、「インド太平洋方面派遣(IPD22)部隊」とあり、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて連携を強化すべく」とあることに、私は違和感を覚えた。

 「自由で開かれたインド太平洋」とは、米国・米軍が対中包囲網の一環として言い出したことだ。これに参加しているということは、米国の「自由航行作戦」を共に担っていることになる。中国とのつばぜり合いに、演習だとしてもやっているのだ。

 今回は2隻だけの参加なのか、他に隠されているのかは不明だが、「ノーブル・フュージョン22」は2月に大規模に行われていた。島嶼奪還作戦だと思われる。そこで「IPD」とは何かを「防衛白書」(p402)から引いた。「インド太平洋地域でのパートナーシップ強化のための訓練」である。2019年から始まり、多国間安保体制の一翼を担うものだ。海域はフィリピン海、南シナ海、ベンガル湾、アラビヤ海に及ぶようだ。パートナーシップと言えば聞こえはいいが、共同作戦のことであり、つまり粉砕する敵を想定した訓練だ。戦争のための訓練だ。

 海上自衛隊の「IPD22第2水上部隊」を引くと、「インド太平洋方面派遣」がでてきた。6月13日から10月28日の期間だ。そこに派遣部隊が出ている。「(1)護衛艦部隊ーア 第1水上部隊 イ 第2水上部隊、(2)潜水艦部隊」とある。船は3隻(「いずも」「たかなみ」「きりさめ」)プラス潜水艦(非公表)1隻。第1水上部隊は指揮官「第4護衛隊群指令」の平田利幸氏。「いずも」は第1護衛隊群第1護衛隊(横須賀)所属、「たかなみ」は第2護衛隊群第6護衛隊(横須賀)所属。「きりさめ」が第4護衛隊群第4護衛隊(呉)所属。旗艦は「いずも」のはずだが、そこに第4護衛隊群司令が指揮官とはわかりにくい。だが「いずも」艦長(一等海佐ー大佐)の上の位の人を「指揮官」に就けているのは、実戦を意識しているのだろう。IPDは2019年から始まっているので、4番目の第4護衛隊群の司令となったのだろう。

 なお、インド太平洋方面派遣には、第1航空部隊から第3航空部隊まで各1機計3機をつけている。第1が第3航空隊(厚木基地)のP-1対潜哨戒機、第2が第81航空隊(岩国基地)のUP-3D多用途機(電子線環境下の対応が可能)。第3が第71航空隊(岩国)のUS-2救難飛行艇だ。各部隊に整備補給隊がつく。

 人員は第1水上部隊が約600名、第2が180名、潜水艦部隊が約80名、第1航空部隊が約60名、第2が約30名、第3航空部隊が約30名。計980名に上る。なお、航空隊は、このインド太平洋方面派遣において、どことどこを海外展開時、拠点とするのだろう。整備補給隊の活動も拠点がなければ不可能だ。こうした多国間演習は、新たにインド太平洋に同盟軍事拠点をつくりだしていくのだろう。

 こうした動きを私たちも知らないと、どこから戦争が始まるのかわからない。戦争に至らないための努力を抜きにつばぜり合いを強化していけば、衝突は起こりうる。軍事演習の強化によって、「精強な部隊」がつくられ、戦争の下準備が進んでいく。対立と不信の煽り合いを止めるべきだ。「専守防衛」を明らかに逸脱した演習は、止めるべきだ。

追記:『オークランド』の話から大きく膨れ上がったが、ホワイトビーチで1隻(2022年10月15日)が,裏側でどれだけの規模で展開されているのか、考えれば考えるほど恐ろしいことだ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。