ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

「2021視点」にだした「オキナワ『ブルービーチ』演習場」について(20210622)

2021年06月22日 | 写真論

 私が「ブルービーチ演習場」で集中的に米軍の上陸演習を撮ったのは、2021年2月のことだ。都合10日間。3月初頭が「視点」の応募締め切り。私は2月から、今年の「視点」どうしようと悩んでいたが、このブルービーチ演習場での写真しかなかった。

 撮っている中で、軍隊の横暴を改めて思い知らされ、私はオキナワはいまだに植民地だと実感させられたのだった。だから「オキナワ」と銘打ったのだ。それも演習さえ目に入らなければ、文字通りブルービーチなのだ。世界の軍事大国が何故オキナワのような小さな島に出張っているのか。ブルービーチだなどと、美しく可愛げな名前を付けた場所で軍事演習をやりながら、中国と張合う。他人の迷惑顧みず。私の怒りは果てることがない。

 沖縄戦から76年が経つが、この力尽くの支配は何も変わっていない。ニッポンの精神主義・同調主義も全く変わっていない。世も末だ。だからこそ、こういう写真を出す奴がいてもいいはずだ。今年の入選作に似通った作品は殆どなかった。幸か不幸か。だが私とすれば残念だ。コロナ禍で、そんなこと撮ってる場合かと思った人がいたのかもしれない。わからぬでもないが、基地・軍事ー戦争問題が自分事になっていないとしたら、極めて残念だ。誠に悔しく思う。

 ただ一点「マイタウン」と題した埼玉県狭山市の作品は、航空自衛隊基地に脅かされる光景を描いており、秀逸な作品だ。日常に潜む危うさを描くことは、住民でなければできないが、住民だから難しい。この矛盾を切り開いて行くとことは、今後の私の重大な課題だろう。特にオキナワでは人が住んでいる場所で軍事演習が行われている。

 なお私の作品を見た人は誤解するかもしれない。はっきりいうが、これがオキナワの日常だ。しかし気がついている人は多くないのだ。事件・事故が起きても、これらを積み上げ、構造的に考える力が足りていないのだ。

 今回の私の6枚の写真は、1枚を除けば、全て軍隊を撮った写真。色気もへったくれもありません。一枚は、抗議行動を無理矢理入れた。100m先のLCAC(エアクッション式上陸艇)を撮りながら、手前の行動を入れた。望遠レンズだから手前は当然ピンボケ。だががっちり重ねた。重なった。しかしこれ美しくなさ過ぎて、どう評価されるかと思いました。ここいらを評価してくれるのが、リアリズム写真集団のいいところ。他の公募写真展では絶対に入選できない。

 否、私だって美しいものを撮りたいですよ。沖縄がいつ美しい島になるのか分からないが、その日が来ることを願い、信じ、また私自身そう努力していきたい。



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