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電線 PH 硬銅より線 HAl 硬アルミニウムより線 St 亜鉛めっき鋼より線

2016-05-07 13:25:45 | 工学
直流抵抗[ohm/m]から導電率[S/m]、抵抗率[ohm*m]に換算する際は公称半径ではなく計算断面積を用いるので注意。

<H,PH>

硬銅より線を指し、Hが一般用(1種)硬銅より線、PHが架空送電線用(2種)硬銅より線で、JIS規格にも定められている(JIS C 3105:素線数/素線径、計算断面積、公称外径、直流抵抗)。
素線は電気用硬銅線(JIS C 3101:導電率)。

例えば、補助吊架線に使われている「PH150」は以下の諸元である。
・素線数/素線径:19/3.2[mm]
・計算断面積:152.8[mm^2]
・公称外径:16.0[mm]
・直流抵抗:0.118[ohm/km]
・比透磁率:1
(素線導電率:素線径2.0mm未満で96.0[%]以上、素線径2.0mm以上で97.0[%]以上)

<HAl>

硬アルミニウムより線を指し、JIS規格にも定められている(JIS C 3109:素線数/素線径、計算断面積、公称外径、直流抵抗)。
素線は電気用硬アルミニウム線(JIS C 3108:導電率)。

例えば、ATき電線に使われている「HAl300」は以下の諸元である。
・素線数/素線径:37/3.2[mm]
・計算断面積:297.6[mm^2]
・公称外径:22.4[mm]
・直流抵抗:0.0969[ohm/km]
・比透磁率:1
(素線導電率:61[%]以上)

<St>

亜鉛めっき鋼より線を指し、JIS規格にも定められている(JIS G 3537:素線数/素線径、公称外径、計算断面積)。
めっき加工前は、軟鋼線材(JIS G 3505)または硬鋼線材(JIS G 3506)である。

例えば、吊架線に使われている「St180」は以下の諸元で、
・素線数/素線径:19/3.50[mm]
・公称外径:17.5[mm]
・計算断面積:183[mm^2]
・直流抵抗:1.07[ohm/km]
・比透磁率:100
計算断面積と直流抵抗から計算すると、
・固有抵抗:19.581[uohm*cm]
となるので、硬鋼のようである。

参考
鉄線と鋼線の規格|鉄線と鋼線の違い
鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗

<用語>

より減り率:ロープのよりに基ずいて生じる効率の低下、すなわち集合破断荷重に対するロープの破断荷重の差(%)をいう。
Ls=(1-B/Bw)×100
Ls:より減り率
B:ロープの実際破断荷重
Bw:素線の集合破断荷重

より込み率:ロープの長さとそれに使用された素線1本の長さとの差を百分率で表わしたものをいう。(距離が長くなる割合なので、直流抵抗もこの割合で大きくなる。)


出典、参考
電気鉄道ハンドブック、pp.537
ワイヤロープ【ロープファクトリー】:用語集

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