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藁をも掴む12! 岩崎 哲也(西武)投手

2011-10-20 14:48:00 | 今日の更新
岩崎 哲也(29歳・西武)投手 (三菱重工横浜クラブ-07年西武5位)

蔵の入団前評価:指名見送り

国士舘大時代は、リーグ戦で投げていたもののチェックしたことがない選手だった。190センチを超える体格から、ダイナミックに体をねじって来るサイドハンド。好調時には、145キロ級の球を連発することもあったが、130キロ台中盤程度で物足りない試合も少なくなかった。

私が指名リストに載せなかったのは、制球のアバウトさ・調子が上がらない時の投球・武器になる変化球がないなどの理由だった。しかし入団一年目に、リリーフで55試合に登板し、3勝1敗2S 防御率 2.82と活躍し、私の評価との差・ドラフト5位での低評価での入団の割に、お買い得な買い物だったと評価された。大活躍の要因は、145キロ級の球をシーズン通して、この年は持続できたことが大きかった。

しかし私が寸評で「この変則フォームに、相手打者が慣れるまでは戸惑うだろうが、何度も同じ相手と戦うプロの世界では、このフォームが打ち難くても慣れられてはしまわないだろうか?その時に、それに頼らず押さえられる術を身につけておいてもらいたい。」、指摘した通り、翌年は20試合で5.57、3年目は27試合で4.50
という成績を低下させ、2年目以降は戦力としては機能しなくなっていった。

今シーズンは、一軍で僅か2試合の登板。ファームでは、20試合 1勝0敗1S 防御率 1.96 と数字は悪くない。もう少し内容を詳しくみてみると、23イニングで被安打は20安打。被安打率は、87.0%(一軍を意識するのなら70%以下に)。この数字からも、すでにルーキーイヤーの球の勢いはなかったのだろう。

四死球は、23イニングで10個。四死球率も43.5%で、これも一軍を意識するのであれば、33.3%以下に。やはりプロ入り後も、細かい制球力の無さは改善できなかったのか。23イニングで、奪三振は9個。1イニングあたり0.39個というのは、相当低い数字となる。このことからも、アマ時代に指摘していた決め手の無さも、充分に改善できなかったことが伺われる。

ファームでの好成績、それも僅か5年で解雇されたのには、やはりルーキーイヤーの球の勢いが回復できなかったこと。更にアマ時代から心配された制球力の甘さ・決め手の無さを、根本的に解決できなかったことにあるのではないのだろうか。

ドラフト5位だから、一年目の活躍だけでも充分と考えるのか、やはり確かな制球力・決め手を修得する前にプロ入りをしたのは、誤りだったと評価するのかは人によって意見が分かれるところ。ただ私としては、結局は案の定の結果に終わってしまったなという印象は否めない。ボールの勢いが回復してないのはネックだが、彼の球筋・フォームに馴れていないセリーグならば、短い間なら使えるかもという可能性もナキニシモアラズ。果たして、彼を拾う球団は現れるだろうか?