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藁をも掴む15! 松崎 伸吾(阪神)投手

2012-10-29 17:08:00 | 今日の更新
松崎 伸吾(29歳・阪神)投手 (東北福祉大-06年楽天1位)

蔵の入団前評価:

東北福祉大時代は、ボールに派手さはなかったものの、粘り強くコースを突く丹念なピッチングが目立った実戦派左腕。キレのあるスライダーを武器にしていた。しかし課題としては、コンビネーションが単調で、攻めのバリエーションを広げて行けるのかの不安。肥えやすい体質で、体調管理を維持できるかなどの不安を指摘している。また分離ドラフト時とはいえ、一位指名するような、垢抜けた投手ではなかったと記憶している。

入団以来、一軍では殆ど10試合前後の登板しかなく、また防御率もほとんどが5点台以上と、戦力らしい戦力になった年はなかった。2011年に阪神にトレードされるも、結局一軍では3試合のみ。今年は、一軍登板がないまま解雇された。

今年ファームでは、29試合 0勝1敗0S 防御率は 3.86 。もう少し詳しく見てみると、18回2/3イニングで、被安打は19とほぼ同数(基準は80%以下)と打たれすぎ。不思議なのは、18回2/3で四死球は4個と1/4以下で悪くないのだが、そのうちの4つがすべて死球。ようは内角を厳しく突いて、死球に至ってしまうということか。奪三振は13個と、1イニングあたり0.70個と、それほど少なくはない

ウィキペディアには、課題は制球力だと書いてあって、大学時代の投球を知るものからすると「えっ?」という印象は受ける。確かに一軍での成績をみると、イニングの2/3ぐらいのペースで四球を出している年が殆ど。

どうもこの選手は、今考えると緊張してしまうと、全く抑えが効かない傾向があるのではないのか?このファームの成績でもわかるように、平常心で投げている時の四死球はけして多くないし、この死球だけがすべての四死球というのも普通ではない。

いずれにしても、一軍では平常心で投げられるほど場慣れできなかった。またそこまでのボールを、首脳陣にアピール出来なかったことがチャンスが少なかった要因だろう。残念ながらトライアウトでも、ボールに見栄えがするタイプではないので、かなり厳しい状況ではあるように思える。ただアマ時代の持ち味を発揮できないまま終わるのは、なんとも残念でならない。


2012年 藁をも掴む14! 蕭 一傑(阪神)投手

2012-10-28 09:50:00 | 今日の更新
蕭 一傑(26歳・阪神)投手 (奈良産大-09年阪神1位)

蔵の入団前評価:☆☆

奈良産大の下級生の時は、140キロ台後半のストレートで押す本格派。しかし最終学年では、コントロール重視に変わり、140キロ前後でも試合を作る実戦派へと変わっていった。そのためボール自体物足りなくても、秘めたるポテンシャルを持っていると評価していた。

入団一年目は、一軍の登板こそなかったがファームで最多勝を獲得。フレッシュオールスターに出場し、優秀選手賞を獲得するなど、プロで通用する基礎構築の年となったと思われた。しかし以後評価は得られないまま、2011年に一軍登板を2試合を経験するのみに留まり、今年は一軍登板のないまま解雇となった。

今シーズンは、ファームで 17試合 1勝3敗1S 防御率 4.15 とパッとしない成績。もう少し詳しく見ていると、34回2/2イニングで、被安打は31で被安打率 89.6%昇り打たれすぎ。四死球は13個で 37.6% とやや基準より多いことから、微妙なコントロールに欠けていたことが伺える。更に奪三振は21個であり、1イニングあたり0.61個と、やや決め手不足も否めない。ボールの威力・制球力・決め球の有無と総合力で、少しずつ物足りず特徴が掴めなかったのではないのだろうか。

結局理由はよくわからないが、大学時代の下級生時のボールの威力が取り戻せず、更に自慢の投球術もプロでは物足りない内容。そのため変化球も、充分活かすことが出来なかったということか。大学最上級生の時の、140キロ前後の投球は、秘めたるポテンシャルを抑えていたのではなく、すでに発揮できるだけのものがなくなっていたか、プロ入り後それを損ねてしまったのかは定かではない。ただ現状、そういったボールの威力で押すような投球はできなくなっているのではないのだろうか。

期待のドラフト1位も、僅か5年目で実績を残すことなく解雇。この内容だと、NPBの復帰も厳しいだろう。現役を続けるのならば、むしろ母国台湾で再起を図る方が得策かもしれない。結果見込み違いだったのか、すでに終わってしまっていた投手を指名したのか、その原因はよくわからない。



藁をも掴む13! 石川 俊介(阪神)投手

2012-10-27 16:06:00 | 今日の更新
石川 俊介(27歳・阪神)投手 (上武大-08年阪神3位)

蔵の入団前評価:指名見送り

栃木の葛生高校時代から見てきた選手で、上武大でも上級生になってブレイク。ただ上武大時代も、開きの早いフォームとボール全体が高い点などから、プロ入りには時期尚早ではないかと評価した選手でした。それでも阪神では3位指名されるなど、それなりの評価でプロ入りしています。

入団一年目~3年目までは、一桁登板ながらも一軍を経験。しかしここ2年は、一軍登板もなく戦力外通告をされた。今年はファームで、19試合 2勝0敗1S 防御率 0.59 と安定した成績。15回1/3イニングで、被安打は11で、被安打率は71.9%と基準内。四死球も僅か一個と、コントロールで苦しんだわけでもなさそう。奪三振は10個と、1イニングあたり0.65個 とけして多いとはいえないペース。しかしこうやってファームの数字を見る限りは、ファームならばモノの違いを魅せており、極端に能力が下がったから切られたというよりは、彼の能力では判断一軍では厳しいと考えられたのだろう。

ルーキーイヤーには、一軍で2勝し、防御率も2.16 とこちらの想像以上の適正を見せたものの、その後が尻つぼみ。ただ年齢的にも若いだけに、まだまだ140キロ台中盤のボールを投げられるのならば、野球を続けて行く可能性は残されているだろう。ただ一軍実績が乏しいだけに、NPBで続けられるのかは微妙。トライアウトで、どういう判断されるのかは判断し難いものがある。ただ個人的には思い入れもある選手だし、もう一花咲かせて欲しい気持ちはあるのだが・・・ ただあと二年ぐらい社会人を経てからプロ入りしていたら、また違った野球人生だったかもという気持ちは拭えない。



藁をも掴む12! 渡辺 恒樹(楽天)投手

2012-10-27 05:52:00 | 今日の更新
渡辺 恒樹(34歳・楽天)投手 (NTT 東日本-05年楽天2位)

蔵の評価:指名見送り

楽天創設時のドラフトで、2位指名された技巧派左腕。アマ時代は、コントロールやまとまりはあったものの、球速が130~135キロぐらいと弱々しく、プロでは正直厳しいだろうなと思える選手だった。

それでも相手が慣れない一年目は、一軍で17試合ながら 防御率 1.93 とソコソコ通用することを証明。防御率は3点台以上であり、中継ぎとしての絶対的な信頼は勝ち得るに至らなかった。キャリアハイは、入団3年目に65試合 3勝4敗12H 防御率 3.40 で、楽天創生期で投手層の薄さも手伝い重宝された。

特に入団1、2年目のままではプロでやって行けないと考え、球種を増やすなどしてピッチングの幅を広げるなど努力し、翌年の活躍に結びつけている。ヤクルト移籍後の2010年には、28試合の登板機会を得るも、防御率は 4.61 で内容的にイマイチ。以後2年間も一軍登板を果たすも、結果は残せないまま解雇の運びとなった。

今年はファームでは、33試合 1勝1敗1S 防御率 1.69 と安定。けして、力が極端に落ちたということはなかったようで、むしろ馴れられると厳しいのかなという気はして来る。

結局ドラフト2位の高い評価で入団して、多くのチャンスをもらうが、戦力としてある程度活躍できたのは、入団3年目ぐらいなのかなという印象は否めない。左腕でコントールが安定しているというメリットがあり多くのチャンスをもらったが、やはり「コントロールの良い左腕は買い」といっても、この球威・球速ではプロでは厳しかった印象。特にコントロールも、枠の中には苦になく集めることができるが、ボールが高めに集まりやすいなどの欠点は「玉石混淆」でも触れていた部分。一軍登板数の多さの割に、数字は残せなかった投手、そんな印象は否めない。幾ら左腕とはいえ、34歳の年齢とトライアウト受けしない投球術で勝負する投手だけに、現役を希望しても拾ってくれる球団があるのかは微妙。ただファームでの安定した内容もあり、全く可能性がないとも言い切れないのだが・・・。個人的には、一軍の登板は多かったものの、指名見送りの判断は妥当だった気はするのだが。


藁をも掴む11! 加藤 幹典(ヤクルト)投手

2012-10-25 10:28:00 | 今日の更新
加藤 幹典(27歳・ヤクルト)投手 (慶応大-08年ヤクルト1位)

蔵の入団前評価:☆☆☆

神奈川の川和高校時代から、県下で屈指の左腕として注目されました。その後、慶大に進んでエースとして活躍。確かな実績を積んでの、プロ入りでした。個人的には、高校時代から彼のお父さんからメールを頂き、親近感を持って見てきた選手です。

非常に癖のあるフォーム故に、145キロ級~150キロの球や独特の変化球を投げていたものの、コントロールに当時から不安がありました。またかなり気持ちで投げる、浮き沈みの激しいタイプであり、イケイケの時は良いのですが悪い時は修正が効きにくい特徴があったように思います。

左腕ということもあり、多少の粗さも誤魔化せるかなぁという部分があったのと、ボール自体の威力は高かったこと。一公立高校から、ドラフト最上位評価にまで昇りつめた努力できる才能で、壁を乗り越えて行けるのではないかという期待もあり、高い評価をしました。

しかし結果的には、プロでは一軍で結果が残せず、実績らしい実績を残したシーズンはありません。結局最後まで、制球の不安定さとピンチ時のメンタルを改善できなく終わった印象です。

今年はファームで、28試合 2勝5敗0S 防御率 3.86 。もう少し詳しく見てみると、63イニング投げて、被安打73は打たれすぎ。四死球22は、イニングの1/3強(34.9%)ながら極端に悪いわけではないことがわかる。ただ奪三振は39個であり、1イニングあたり 0.62個 と少なめ。結局これは、追い込むまでのストライクゾーンの中のコントロールの甘さ、ボールの打ちやすさ などに原因があり、ピンチでも三振が取れる程の球がなかったことを意味しているのではないのだろうか。結局本当のコントロールがなかったがばかりに、ピンチに大胆に徹しきれず、どんどん悪循環に陥っていったように思う。

現状27歳と、まだまだ若いのだが、頭の良い選手だと第二の人生をすでに見据えているのではないのだろうか。残念ながら仮にトライアウトを受け何処かの球団に拾ってもらっても、大成する可能性は極めて低いように思える。むしろ別の形での野球界への貢献や、第二の人生での成功を、個人的には期待してみたい。私のポリシーの中に「左腕はまずコントロールが良いこと」あえてそれに逆らっての評価だったが、自らその言葉に跳ね返されてしまったスカウティングだった・・・