金持ち日記

金持ちなるまで続く男の日記

私の履歴書 プロジェクトB 2話

2008年02月23日 01時02分41秒 | Weblog
 先生にお願いしても野球部設立は叶いそうもなかった。しかたなく作戦2を実行しなければならなかった。
「どうか僕たちに、大好きな野球をやらせてください」と校長に直談判した。緊張のあまりに足の震えが止まらなかったのを今でも覚えている。

 以前校長先生に直談判して怒られた先輩がいるという話も聞いていただけに、逃げ出したい思いであった。そんな中、私を後押ししてくれたのがさとし君であった。彼がいなければ、私が野球部を作ることはなかったと想っている。

 校長はしばらく考えている様子だった。「この高校に来た以上は、やりたいことはやらせてあげたい」と予想外の返答だった。今までささやかれてきた「野球部を作るのは不可能だ」との声はその日を境になくなった。

 高校のルール上、同好会として1年活動し、その活動が認められれば部へ昇格ということであった。様々な手続きを終え、同好会が発足した。メンバーは20名程度。ボールを投げられることが幸せだった。バットを振れることが幸せだった。この時期は野球ができるということがどんなに幸せなことかを教えてくれた。

 サッカー部があったため、週1しかグラウンドは使えなかった。他の日は、バスケットコートよりも小さな場所でキャッチボールをした。

 サッカー部から見れば週に1回グラウンドが使えなくなるわけだから反発もすごかった。反発の矛先は私に来た。当時1年生であった私は反論するわけでもなく、じっと耐えるのみであった。

 そんな日々を過ごしていると、休み時間に見知らぬ先輩が私に会いにきた。彼もまた野球がしたかった一人であった。彼はこう語りかけてきた。
「俺は受験だから野球同好会には入れない。でもお前たちを応援しているからな。サッカー部が文句行ってきたら俺に言え。俺があいつ等を黙らせに行くから。」・・・・・彼の想いが嬉しかった。徐々に野球同好会を応援してくれる人は増えていった。


  つづく