金持ち日記

金持ちなるまで続く男の日記

人間は考える葦である

2007年06月09日 01時07分03秒 | Weblog
 金持ちは「人間は考える葦である」という言葉に注目する。

 パスカルがかつて「人間は考える葦である」と述べたことはあまりにも有名である。ただ、その意味を分かっている人は意外に少ない。というか私が知らなかった。そもそも“葦”の意味が分からない。気になって、気になって、授業中に睡眠をすることが多くなったので広辞苑で調べてみた。『葦=イネ科の多年草』だそうだ。調べてよかった。危うく得意の知ったかぶりで「“葦”ってのはな~、・・・・特に意味はないんだ」と言って友人をなくすところであった。

 「人間は考える葦である」とはどのような文脈で述べられたのか、パンセからそのまま抜粋しよう。

 人間は一本の葦にすぎない、自然のうちで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。彼を圧し潰すには、全宇宙が武装するを要しない。一吹の蒸気、一滴の水でも、彼を殺すに充分である。しかし、宇宙が彼を圧し潰しても、人間は彼を殺すものよりなお高貴であろう。なぜかといえば、彼は自己の死ぬことと、宇宙が彼を超えていることを知っているが、宇宙はそれについて何も知らないからである。そうだとすれば、我々のあらゆる尊厳は思考の中にある。

 つまり、人間は思考によって宇宙よりも偉大なんだということである。また、彼はこのようにも述べている。「空間によって、宇宙は私を包含し、一点のように私を併呑する。思考によって、私を宇宙を包含する。」人間は考えるがゆえに、尊厳があると言えるのだということだ。

 先日、私の友人に座右の銘を聞いたら彼はこう答えた。「・・・・・我思う、・・・・・・・・ゆえに我思う」

 いったい彼はいつまで思い続けているのだろうか?そんな彼だが、パスカルが聞いたら、彼を人類の模範としてパンセの中に記したのであろうと思ったものだ。