何でもEvernoteに保存して必要な時に取り出す。そんな便利なツールだったEvernoteが「このまま終わるの?」というような局面に来ています。
というのも、今回のバグだらけのアップデートで信用を失いかけているからです。「ノートが勝手に増殖する」「ノートブックが勝手に増殖する」「共有ノートブックが同期しない」「ローカルノートブックが使えなくなった」「クラッシックノートリンクが使えなくなった」「PCとiPad間で古い方に同期されてそれまでの作業が飛んだ」「データが消えた」等、大事なデータを預かるサービスとしては致命的なバグを発生させました。それも全てのOSで。
加えてサポートも最近は海外に任せているようでいい加減な回答が来る事が多く、サポートの意味を成していません。
どうしてこんな事になってしまったのか色々調べていくうちに大変な事実を見つけてしまいました。
Evernote社自体がEvernoteの本質を理解していない。普段はEvernoteを検索することなどないので、いつからこうなってしまったのかはわかりませんが「最高のメモアプリ」って...
確かに「note」という文字が名前にないっているために「ノート」を思い浮かべるのは当然でしょう。しかし「ノート」と言っても複数の形態があります。その中でフィル・リービンが思い浮かべていたノートは「システム手帳」のような物だったのではないでしょうか?メモ、写真、電話帳、切り抜き、お金、文房具等、形状の違う無数のデータを「リフィル」という規格に納めて自由に取り外しができる。そういうノートだったと思います。ところが今回のアップデートでわかったのは「書く時にバインダーが手に当たるからバインダーをなくして書きやすくしよう」という方向に進もうとしているという事。う〜ん。(^_^;)
元々は「何でもEvernoteに保存して必要な時に取り出す。」というツール。「メモ」というのはその中の一部の機能。
だから初期のEvernoteはこんな感じ。メモと言っても「テキスト」です。だってパッと思いついた事をメモするのにWordのようは書式は必要ありませんから。
なのにユーザーが増えるうちに「note」という文字を見てメモアプリだと勘違いする人が増え「書式設定が少ない」とか編集機能を要求されるようになり、余分な機能が増え「ワークチャット」などという意味不明な機能まで抱え込むようになりました。その結果同期が遅くなる等本末転倒な状況に...
ジョブズがCEOだったらこう言ったかもしれません。「Wordみたいな文章が作りたければWordを使えばいいだろ。その作ったファイルをEvernoteに貼れ。Evernoteはそういうツールだ。だからプレミアムユーザーはOffice文章の中まで検索出来る様にしてあるんだ。」と。
この事をEvernote社自体が理解していなかったとは...(T_T)
単なるメモアプリならOneNoteでも充分ですし、テキストの同期だけで良ければSimplenoteの方が軽いし、環境によってはDoropbox等を利用してScrivenerで同期させるのも良いでしょうし、CarbonFin Outlinerというサービスだってあります。
ところがEvernote本来の使い方をしようとすると残念ながら「今までのEvernote」以外には存在しません。今現在一番近い使い方をするなら「Doropbox+GoodReader」くらいでしょうか。でもこれはiOSやiPadOSでの話。MacやWindowsでは使えない方法です。
なのでここはEvernote社にEvernoteの原点を思い出してもらうしかありません。
まあ、慌てて「Evernote Legacy 」をリリースしているので、今回のアップデートにかなりのユーザーが不満を持っている事は理解しているのでしょうけど。
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