毎日の読書 「教会の祈り」

私たちはキリストの体の一部 「聖務日課(読書)」より

十字架の聖ヨハネ 霊の賛歌

2011-08-05 07:00:00 | 日記
十字架の聖ヨハネ(1542-1591) カルメル会司祭
『霊の賛歌』
神に一致し、神に変容した霊魂は、神ご自身が霊魂に向かって息吹かれるのと同じ神的息吹を、神に於いて神に向かって息吹く。それは、霊魂が神に変容されたからである。聖パウロは次ぎの言葉によって、このことを言おうとしていると思う。「あなたがたが神の子であるからこそ、神は『アッバ、父よ』と叫ぶ御子の霊を、あなたがたの心に送られたのである。※1」 これは完全なものとなった霊魂のうちに、上記の形で実現する。

霊魂がこれほど崇高な業を行えるようにはならない、とみなす理由は少しもない。神は霊魂を聖三位に一致させられ、この一致によって霊魂は神化されたのであるから、霊魂が三位において、三位とともに、三位と同様に、神の洞察と知識と愛の業をも行うことが、どうして信じられない事だろうか。しかしもちろん、これは[神]にあずかる方法で行われる。神ご自身が霊魂そのもののうちに働いておられるからである。

それがとのようにして行われるのかを説明するには、聖ヨハネが言っているように、神の子となるという崇高な状態※2と、神の御子が私たちを高い所に上げてくださったとしか述べることができない。主ご自身、まさにこのことを御父に願ってくださったのである。「父よ、私に与えてくださった人々を、私のいる所に、共におらせてください。それは、あなたが与えてくださった私の栄光を、彼らに見せるためです。※3」 これは、「私の本性によって行っているのと同じ業を、私たちに与ることによって、彼らも行うように」という意味である。さらに主は言われる。「また、彼らのためだけではなく、彼らの言葉によって私を信じる人々のためにも、お願いします。父よ、あなたが私の内におられ、私があなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。あなたがくださった栄光を、私は彼らに与えました。私たちが一つであるように、彼らも一つになるためです。わたしから彼らの内におり、あなたが私の内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです。こうして、あなたが私をお遣わしになったこと、また、私を愛しておられたように、彼らも愛しておられたことを、世が知るようになります。※4」
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年間第十八金曜日
人の霊魂がどこまで成長した神に至るのでしょうか。高みに至った霊魂をもつ十字架の聖ヨハネからのメッセージです。

※1 ガラテヤ4:6
4:6 あなたがたが子であることは、神が、「アッバ、父よ」と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送ってくださった事実から分かります。

※2 1ヨハネ3:1
3:1 御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたちが神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです。

※3 ヨハネ17:24
17:24 父よ、わたしに与えてくださった人々を、わたしのいる所に、共におらせてください。それは、天地創造の前からわたしを愛して、与えてくださったわたしの栄光を、彼らに見せるためです。

※4 ヨハネ17:20-23
17:20 また、彼らのためだけでなく、彼らの言葉によってわたしを信じる人々のためにも、お願いします。
17:21 父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。
17:22 あなたがくださった栄光を、わたしは彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためです。
17:23 わたしが彼らの内におり、あなたがわたしの内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです。こうして、あなたがわたしをお遣わしになったこと、また、わたしを愛しておられたように、彼らをも愛しておられたことを、世が知るようになります。