毎日の読書 「教会の祈り」

私たちはキリストの体の一部 「聖務日課(読書)」より

第二バチカン公会議 すべての人間活動は過越秘義によって清めるべきである

2014-04-05 00:00:00 | 日記
第二バチカン公会議 (1962~1965年)
『現代世界憲章』
 聖書は、人間的な進歩が人間に大きな益をもたらすが、大きな誘惑を伴うものであることを人類家族に教える。諸世紀にわたる経験もこの教えに一致する。事実、諸価値の秩序が乱され、善と悪とが混同されるとき、各々の個人や団体は、自分の利益だけを考えて他人のことは考えない。

 その結果、世界はもはや真の兄弟的愛の場ではなくなり、増大した人間の力が人類そのものを破壊するおそれが生じる。

 どのようにすれば、このように不幸な状態を克服できるかと問う人に対して、キリスト者は、高慢と乱れた自己愛によって毎日危険にさらされているあらゆる人間活動を、キリストの十字架と復活によって清め、完成すべきてあると答える。

 キリストによって贖われ、聖霊を受けて新しい被造物とされた人間は、神によって造られた被造物を愛しても良いし、また愛さなければならない。事実、人間はそれらの被造物を神から受け、神の手から流れ出るものとして眺め、尊重する。

 人間は、被造物を与えられたために恵み深い神に感謝し、清貧と自由の精神をもってその被造物を使い、享有し、何ももたないがすべてのものを所有している者として※1、真に世界を所有する者となる。「一切はあなたがたのもの、あなたがたはキリストのもの、キリストは神のもの※2」なのである。

 万物は神の言葉によって成ったが、ことばが肉となり人々の地に宿り、完全な人間として世界の歴史に入り、自ら世界の歴史を受け入れ、頭(かしら)である自分のもとに一つにまとめられた※3。このキリストは、「神が愛である※4」ことを私たちに示し、さらに、新しい愛の掟が人間完成と世界改革の根本法則であると教えられた。

 したがって、キリストは神の愛を信じる者に、愛の道がすべての人間に開かれており、全人類の兄弟的一致を確立する努力が無駄なものではない、という確信を与える。さらに、主はこの愛を特別な偉業にあたってだけではなく、まず日常茶飯事にあたって追求するように忠告しておられる。

 キリストは罪人である私たちのために死を堪え忍び※5、肉の欲と世が平和と正義を追求する人々の肩に負わせる十字架をも背負うべきであることを、ご自分の模範によって教えられる。

 復活によって主に立てられ※6、天と地の一切の権能を授かっているキリストは※7、その霊の力をもって人々の心の中にすでに働いておられる。キリストはこの働きによって、来るべき世に対する願望を起こさせるだけではなく、人類家族の生活をいっそう人間らしいものにし、地上全体をこの目的に従わせようと努力する、すべての人の心をこめた願いをも同時に力づけ、清め、強められる。

 霊の賜物は様々である。霊は、天上の住まいに対する願望の明らかな証し人となり、この願望が人類家族の中に生き生きと保たれることを助けるようにある人々を招き、またある人々を、現世的なことがらに関して人々への奉仕に従事し、この仕事によって天の国の素材になるものを準備するように招く。


四旬節第四土曜日 読書
第一朗読 民数記20:1-21:9
第二朗読 第二バチカン公会議『現代世界憲章』
※1 2コリント6:10
悲しんでいるようで、常に喜び、物乞いのようで、多くの人を富ませ、無一物のようで、すべてのものを所有しています。

※2 1コリント3:22-23
パウロもアポロもケファも、世界も生も死も、今起こっていることも将来起こることも。一切はあなたがたのもの、あなたがたはキリストのもの、キリストは神のものなのです。

※3 エフェソ1:10
こうして、時が満ちるに及んで、救いの業が完成され、あらゆるものが、頭であるキリストのもとに一つにまとめられます。天にあるものも地にあるものもキリストのもとに一つにまとめられるのです。

※4 1ヨハネ4:8
愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。

※5 ヨハネ3:14-16
そして、モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。
それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。
神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。

※6 使徒言行録 2:36参照
「・・・ だから、イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。」

※7 マタイ28:18参照
イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。


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