
石田流の基本 2012年2月10日初版発行
著者 戸辺誠
出版社 浅川書房
定価 1470円
浅川書房さんの新作、「石田流の基本」
手に入れましたので簡単にですがレビューしてみたいと想います。
■読みやすさ等
これまでの浅川書房さんの将棋書籍同様、
大きな盤面図と大きなフォントサイズの文字を使用しており、
読みやすさは抜群です。
それでいて、構成が俊逸なため、
内容の希薄感を感じさせない浅川マジックは本書でも健在でありお見事。
■内容など
▲7六歩~△3四歩~▲7五歩から始まる、
いわいる「先手番石田流三間飛車」の指南書です。
ただし、角道を止めない「升田式石田流」や「超急戦」の記述は全くありません。
その点には注意が必要でしょう。
しかし、
そうすることによって「石田流」にしっかり組んで戦うコツが満載となっています。
第1章 石田流vs急戦 90ページ
第2章 石田流vs左美濃・銀冠 56ページ
第3章 石田流vs居飛車穴熊 65ページ
という振り分けとなっています。
・第1章 石田流vs急戦では、
しょっぱなの単純棒金対策でいきなり目から鱗。
従来の将棋本にはのっていなかった(とおもう)対策をサラリと指南してくれています。
居飛車側からの「二枚銀と棒金」での抑えこみを、
「玉頭銀」で牽制していかにかいくぐるかがこの第1章では最もページがさかれており、
棒金に対して▲7七桂と跳ねて対抗するという、最近ではあまりみない形からの捌きがたいへん参考になりました。
他にも「居飛車袖飛車急戦」への対応などあまり他書ではみられないものがしっかりと記されており、
居飛車側、振り飛車側共に参考になるでしょう。
・第2章 石田流vs左美濃・銀冠では、
振り飛車側の角が▲9七角と上がる「石田本組み」と
▲7七角と上がる軽い形を丁寧に解説。
ページ数は若干少ないですが、見たことのない手筋が多々あり読み応えあり。
・第3章 石田流vs居飛車穴熊では、
居飛車穴熊に石田流側が美濃囲いで対抗する他書でも見られるオーソドックスな形をみた後、
27ページに渡って石田流側も穴熊にもぐるという「相穴熊」の対抗形を解説。
この形は他書ではみられないので貴重でしょう。
■全体として
というような構成になっている訳ですが、
振り飛車側からの急戦策&升田式石田流を完全に「はしょる」ことにより、
これまでの「石田流の指南書」では軽く流されていた「ニ枚銀+棒金」並びに「袖飛車」への対処法から、
相穴熊での戦いかたまでを分厚く抑えてくれています。
浅川書房さんの将棋本らしく方針がしっかりとしていて好感が持てました。
■問題点
抑える部分が分厚くなったかわりに、
右四間、4手目角交換などへの対策も、いさぎよく皆無であるため、
それについてはなんらかの手段で補う必要があるでしょう。
ちなみに、
私は「よくわかる石田流」を見比べているうちに同時に購入してしまいました。この組み合わせならほぼ網羅されるはず・・・
■まとめ
対象棋力は、
将棋倶楽部24のR1200~ぐらいではないかと想います。
この本を入門書として活用するのは難しく、
他の何某かの「石田流」の書籍を読んだ人が、
更なるステップアップの為に読むというのが良いのではないかと想います。
石田流指す人、指されてこまっている人。
両者にお勧め出来る良い本だと想います。
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出版社 浅川書房
定価 1470円
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手に入れましたので簡単にですがレビューしてみたいと想います。
■読みやすさ等
これまでの浅川書房さんの将棋書籍同様、
大きな盤面図と大きなフォントサイズの文字を使用しており、
読みやすさは抜群です。
それでいて、構成が俊逸なため、
内容の希薄感を感じさせない浅川マジックは本書でも健在でありお見事。
■内容など
▲7六歩~△3四歩~▲7五歩から始まる、
いわいる「先手番石田流三間飛車」の指南書です。
ただし、角道を止めない「升田式石田流」や「超急戦」の記述は全くありません。
その点には注意が必要でしょう。
しかし、
そうすることによって「石田流」にしっかり組んで戦うコツが満載となっています。
第1章 石田流vs急戦 90ページ
第2章 石田流vs左美濃・銀冠 56ページ
第3章 石田流vs居飛車穴熊 65ページ
という振り分けとなっています。
・第1章 石田流vs急戦では、
しょっぱなの単純棒金対策でいきなり目から鱗。
従来の将棋本にはのっていなかった(とおもう)対策をサラリと指南してくれています。
居飛車側からの「二枚銀と棒金」での抑えこみを、
「玉頭銀」で牽制していかにかいくぐるかがこの第1章では最もページがさかれており、
棒金に対して▲7七桂と跳ねて対抗するという、最近ではあまりみない形からの捌きがたいへん参考になりました。
他にも「居飛車袖飛車急戦」への対応などあまり他書ではみられないものがしっかりと記されており、
居飛車側、振り飛車側共に参考になるでしょう。
・第2章 石田流vs左美濃・銀冠では、
振り飛車側の角が▲9七角と上がる「石田本組み」と
▲7七角と上がる軽い形を丁寧に解説。
ページ数は若干少ないですが、見たことのない手筋が多々あり読み応えあり。
・第3章 石田流vs居飛車穴熊では、
居飛車穴熊に石田流側が美濃囲いで対抗する他書でも見られるオーソドックスな形をみた後、
27ページに渡って石田流側も穴熊にもぐるという「相穴熊」の対抗形を解説。
この形は他書ではみられないので貴重でしょう。
■全体として
というような構成になっている訳ですが、
振り飛車側からの急戦策&升田式石田流を完全に「はしょる」ことにより、
これまでの「石田流の指南書」では軽く流されていた「ニ枚銀+棒金」並びに「袖飛車」への対処法から、
相穴熊での戦いかたまでを分厚く抑えてくれています。
浅川書房さんの将棋本らしく方針がしっかりとしていて好感が持てました。
■問題点
抑える部分が分厚くなったかわりに、
右四間、4手目角交換などへの対策も、いさぎよく皆無であるため、
それについてはなんらかの手段で補う必要があるでしょう。
ちなみに、
私は「よくわかる石田流」を見比べているうちに同時に購入してしまいました。この組み合わせならほぼ網羅されるはず・・・
■まとめ
対象棋力は、
将棋倶楽部24のR1200~ぐらいではないかと想います。
この本を入門書として活用するのは難しく、
他の何某かの「石田流」の書籍を読んだ人が、
更なるステップアップの為に読むというのが良いのではないかと想います。
石田流指す人、指されてこまっている人。
両者にお勧め出来る良い本だと想います。
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