糸山秋子著「逃亡くそたわけ」読みました。
入院していた福岡の精神病院から脱走した躁病の「花ちゃん」とうつ病「なごやん」の九州縦断逃亡記。
躁病はうつ病よりは普段の生活に支障がないようなイメージがあったが実は暴走した気分は止められずわけがわからなくなるようで、読んでいて切なくつらい。
うつ病の「なごやん」がやさしく寄り添ってるのが救いだ。
花ちゃんの話す博多弁が読んでいておもしろい。
ぼろい車に乗って九州の観光名所を回った気分になれる。
それも道に迷い、途中クーラーが壊れ、山道を延々走り車中泊もたびたび。
それでも鹿児島まで着いたのには読んでる自分もほっとしたりして。
そして精神科で処方される薬は実名(!)。
薬が残り少なくなる不安感もリアル。
面白くてやがて悲しきの世界。