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労働12事件 採用内定 大日本印刷事件

2012年02月25日 | 労働百選

労働12事件 採用内定 大日本印刷事件

大日本印刷株式会社 Dai Nippon Printing Co., Ltd

Toppanngotanda.JPG

http://www.dnp.co.jp/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%B0%E5%88%B7

大日本印刷株式会社(だいにっぽんいんさつ、英語: Dai Nippon Printing Co., Ltd. 、通称DNP)は、世界最大規模の総合印刷会社[1]。東京証券取引所一部上場。
種類 株式会社
市場情報 東証1部 7912
本社所在地  日本
東京都新宿区市谷加賀町1-1-1
設立 1894年(明治27年)1月19日
業種 その他製品
事業内容 出版印刷、商業印刷、IC、データベース、パッケージ、建材、エレクトロニクス、コンサルティング ほか
代表者 北島義俊(代表取締役社長)
資本金 1,144億64百万円
売上高 連結:1兆5,893億円(2011年3月期)
総資産 連結:1兆6,497億円(2011年3月期)
従業員数 連結:40,188人(2011年3月期)
決算期 3月31日
主要子会社 北海道コカ・コーラボトリング
丸善CHIホールディングス
文教堂グループホールディングス
インテリジェント ウェイブ

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52138&hanreiKbn=02
事件番号 昭和52(オ)94
事件名 雇用関係確認、貸金支払
裁判年月日 昭和54年07月20日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決 結果 棄却
判例集等巻・号・頁 民集 第33巻5号582頁
原審裁判所名 大阪高等裁判所
原審事件番号 昭和47(ネ)458
原審裁判年月日 昭和51年10月04日
判示事項 

一 大学卒業予定者の採用内定により、就労の始期を大学卒業直後とする解約権留保付労働契約が成立したものと認められた事例

二 留保解約権に基づく大学卒業予定者採用内定の取消事由

三 留保解約権に基づく大学卒業予定者採用内定の取消が解約権の濫用にあたるとして無効とされた事例
裁判要旨 一 大学卒業予定者が、企業の求人募集に応募し、その入社試験に合格して採用内定の通知を受け、企業からの求めに応じて、大学卒業のうえは間違いなく入社する旨及び一定の取消事由があるときは採用内定を取り消されても異存がない旨を記載した誓約書を提出し、その後、企業から会社の近況報告その他のパンフレツトの送付を受けたり、企業からの指示により近況報告書を送付したなどのことがあり、他方、企業において、採用内定通知のほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることを予定していなかつたなど、判示の事実関係のもとにおいては、企業の求人募集に対する大学卒業予定者の応募は労働契約の申込であり、これに対する企業の採用内定通知は右申込に対する承諾であつて、誓約書の提出とあいまつて、これにより、大学卒業予定者と企業との間に、就労の始期を大学卒業の直後とし、それまでの間誓約書記載の採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立したものと認めるのが相当である。

二 企業の留保解約権に基づく大学卒業予定者の採用内定の取消事由は、採用内定当時知ることができず、また、知ることが期待できないような事実であつて、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものに限られる。

三 企業が、大学卒業予定者の採用にあたり、当初からその者がグルーミーな印象であるため従業員として不適格であると思いながら、これを打ち消す材料が出るかも知れないとしてその採用を内定し、その後になつて、右不適格性を打ち消す材料が出なかつたとして留保解約権に基づき採用内定を取り消すことは、解約権留保の趣旨、目的に照らして社会通念上相当として是認することができず、解約権の濫用にあたるものとして無効である。
参照法条 労働基準法第2章労働契約
全文  http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120517339508.pdf