整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

移し替えの考え方

2017-11-07 10:21:29 | 効率アップ
ウエステック製の治具には、整列治具だけでなく、
様々な治具が有ります。

整列機の役割は部品を並べる事ですが、お客様の目的は、
当然ながら並べた後に有ります。

製品の組立・部品の供給(決まった姿勢と決まった整列ピッチでの
待機状態)・検査・印刷・半田付け・銀ロウ付け等々、
次工程での作業効率を上げる為に整列させるわけです。

過去のブログで何度も触れていますが、整列機にセットする整列治具は、
基本的には、できるだけ短時間で高い整列率を達成する事を
大前提に作られています。

よって、その整列穴は、部品に対してかなり大きめのクリアランスを
設けてあったり、逆にきついクリアランスで製作する場合が有ります。

穴に大きな面取りがされていたり、部品を誘い込む為の段付き穴が加工
されている事が有るのも、また、一見しただけでは意味が分からない
加工形状になっている穴も有りますが、それらも整列率が優先に
なっている為です。

お客様の中で、整列治具をそのまま次工程の治具として
使いたいとお考えになっている方もいらっしゃるかも知れません。
当然使える場合も多いのですが、その穴のクリアランスや穴形状が、
お客様の御要望にそぐわない時は、一旦整列治具に並べ、
そこから移し替えるという作業が必要になって来ます。

また、お客様が既にお使いの治具に直接並べたいという
ご要望も結構多いのですが、元々整列そのものを目的として
作られている治具ではありませんので、整列に非常に時間が
掛かったり、或いは全く並ばない物も有ります。
並ぶ場合も有りますが、レアケースと言えます。

さて、移し替えが必要な場合にですが、クリアランスがきつい
お客様の治具へ、クリアランスが大きい整列治具から
部品を移し替えるという事例も多々有ります。

きつい物から緩い物への移し替えはできても、
その逆はできないとお考えの方が多いかも知れません。

しかし実際には可能な事が多いのです。
その時点では1つの整列穴に対して1つの部品が選別され、
或る程度は向きも決まった状態になっているから
ではないかと考えられます。



ダイレクトに移り替わらない場合は、途中に挿入ガイドのような、
移し替えを補助する治具を使ったりします。



それでも困難な場合は、補助的に振動やバキューム等を
用います。



逆に言いますと、振動やバキューム等で補助してやれば、
一見無理そうな移し替えが、スムーズに行える事も
珍しくありません。

以上の事を踏まえますと、クリアランスのきつい治具の
その前工程の治具に、必要以上にきついクリアランスを
求めなくても良い場合も有ると言えます。

これは、弊社の整列治具に限った話ではありません。
お客様の所でお使いの、例えば治具Aから治具Bに
部品を移し替える場合、仮に治具Bの穴のクリアランスが
きついからと言って、その前工程で使う治具Aまで、
必要以上にクリアランスを厳しくする必要は
ない事になります。

治具Aの工程では、きついクリアランスでなくても
作業ができるのであれば、緩いままでも良いわけです。

技術面・コスト面から考えましても、
検討に値する内容だと思います。


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