整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列機で並べるのに適さない部品

2017-06-20 11:53:39 | 効率アップ
ウエステックの整列機では、
「こんな複雑な形状した部品でも並ぶの?」
と驚かれる事が少なくありません。
立会をするまでは(実際に見て戴くまでは)、
並ぶのが半信半疑、
というお客様もいらっしゃいます。

その一方で、お問い合わせを戴いた時点で、
これは整列させるのは難しいなあ、
という部品も有ります。

それらをザッと挙げますと、

①大き過ぎる部品

②傷付きやすい部品

③壊れやすい部品

④形が安定しない部品

⑤柔らかい部品

⑥表裏・前後などの寸法差が小さい部品

⑦寸法公差が大きい部品

⑧部品どうしが貼り付いてしまう物

⑨部品どうしが絡み合う物

・・・とまあ他にもありますが、上に挙げた物の内から、
幾つかを説明しましょう。

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②傷付きやすい部品

整列機で振りますと、部品どうしがぶつかり合います。
その衝撃で部品が傷付く事があります。

しかし、部品によっては、その傷が許容範囲内に
収まっている事もありますので、実際に振って
並べてみて、お客様の方で傷の検証をして戴き、
整列機を使うかどうかご判断戴く、
という方法も取る事もできます。

一般的に言って、袋や箱にバサッと入れた状態て
運送されている部品であれば、大丈夫である
可能性が高いです。

④形が安定しない部品

例えば、固定されていないワッシャのようなものが
入っていて、それが部品の中で動く状態になって
いる物などです。

簡単な形状であればもちろん並びますが、
特定の向きに揃えて並べる必要があり、
そのワッシャの位置によっては、
向きが決まり難い原因になっていると、
NGという結論に至るケースが有ります。

⑦寸法公差が大きい部品

例えば直方体で、
幅4mm×奥行き5mm×高さ5.5mm
という部品があるとします。

これを縦向きに並べようとする場合、
少し乱暴ですが、整列穴を
幅4.2mm×奥行き5.2mmで
加工すれば、横向きには入りません。

しかし、仮に高さの公差が±0.3mm
あるとすると、話が違って来ます。

高さは最小で5.2mm、最大で5.8mm
になるわけですから、
最小寸法の部品を投入すると、
整列穴に縦向きにも横向きにも入ってしまう、
もしくは横向きに入ろうとした部品が、
整列穴にかじり付いてしまう、
という現象が起きます。

これは、部品自身が非常に小さい時に、
比較的起こりやすいケースです。
公差が±0.05mmでも、部品自身の寸法が
0.5mmくらいしかなかったら、
その向きを揃えるのが困難になる
場合があります。

但し、仮に図面上の公差が±0.05mmであっても、
現品は±0.03mmの中に収まっている部品が
全体の8割以上、という事が多いものです。

このバラツキは、だいたい部品のロットによって
分かれています。つまり、最大寸法の部品と、
最小寸法の部品が、同一ロット内に混在している
事はまずありません。

複数の整列治具を用意しておき、
部品のロットによって使い分ける、
というのも一つの方法です。

⑨部品どうしが絡み合う物

これはスプリング(バネ)でよく起こります。
絡み具合によっては、整列機の振動で
バラける場合もあれば、逆に酷くなって行く
場合もあります。

世の中には、バネの絡みを取る装置も
売られています。弊社でもたまに使っていますが、
バネによっては、若干ですが変形してしまう
事もあります。バネばらし器を使っても
良いかどうかは、お客様との相談になります。

尚、バネ定数を変えずに、その巻き方の
パターンを変える事で、絡み難いバネを
作れる場合があるようですので、
バネメーカーにお尋ねに
なるのも良いかと思います。


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