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整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

小径ボール(球体)の整列

2018-02-23 09:02:15 | 効率アップ
小径ボールの整列は簡単なので、わざわざブログで
説明するほどのものか?と思われるかも知れません。

整列治具に丸穴を加工しておいて流せば良いので、
基本的には簡単なのですが、実はいろいろと
細かいワザが必要な場合が有ります。

小径ボールと言えば、ポピュラーなのは鋼球です。
鋼球だと玉軸受け、つまりベアリングを思い浮かべる方が
多いかと思いますが、それ以外にも結構使い道があります。

鋼球はJIS規格でも決められていますし、
或る程度の精度が求められる物が多い事から、
整列も容易です。

φ1~2mm程度の鋼球ならば、整列機を使うまでもない
場合すらあります。

整列治具の整列穴の底面に吸着穴をあけておき、
吸引を掛けながら、その治具を鋼球の山に
押し付けるのです。

すると、整列穴1個1個に、鋼球が1つずつ吸着され、
整列完了となります。

但し、鋼球自体に径のバラツキが無い事と、
真球度が出ている事が前提条件になります。

例えば、径のバラツキが大きい場合、
整列穴は最大の鋼球も入るような穴径で
加工されますので、径が小さめの鋼球は、
整列穴とのガタが大きく、片側によりやすい
状態になります。

片側に寄ると、吸着穴と密着しませんので、
エア漏れが発生し、鋼球が落ちてしまいます。



鋼球は質量が大きいため、サイズの割には重く、
エアが漏れると簡単に落下します。

これが軽い球体ですと、エアの流れに従い、
自然に整列穴の中央に戻って、吸着穴をふさぐため、
エア漏れせずに落ちません。

整列穴の底面を平坦でなく、すり鉢状にすれば
鋼球でも落ちないんじゃないの?と思われるかも
知れませんが、今度は真球度が問題になって来ます。

真球に近くないと、吸着穴をふさぎきれませんので、
やはり落ちやすいです。何個かが落ち始めると、
その穴からは漏れるエア量が一気に増えますので、
吸引力が徐々に低下して行きます。

五月雨式に落ちる鋼球が増え、最終的には
全て落ちてしまいます。

また、逆に、軽い材質の球体である場合は、
吸着穴の脇から漏れたエアに吸い付けられ、
1つの整列穴に2個の球体がつながってしまう
現象も起きます。

よって、径のバラツキが大きい場合と、
真球度がそれほど要求されていない
球体の場合は、普通に整列機の上を流して
並べる事になります。

さて、ウエステックではφ0.2からφ2.5ぐらいまでの
球体を整列した実績が有ります。

材質は金属,金鈴,ハンダ,シリコンと様々です。

また、太陽光発電のパネルが、よく見るとパネルではなく、
小径の球を敷き詰めた物でできている場合があります。
その球を並べた事もあります。

(太陽光パネルは、できるだけ垂直に太陽光を受けた方が
発電量が多いですが、太陽は時間とともに動きますので、
平面よりも球体の方が、より効率的に太陽光を受けられる
のでは?という発想から製品化された物です。)

さて、球体を整列機で並べる場合、難しい事が2つ有ります。

1つは転がり過ぎるため、整列穴を飛び越えたり、
整列穴の脇を素通りしてしまう事。

もう1つは、径が小さく重量が少ないために、静電気の影響が
出ることです。静電気はハンダボールでよく発生します。

また、整列治具に小径の微細加工を施す場合が多いため、
その治具の材質の選定や加工技術も重要です
(材質の選定は静電気の発生にも影響を及ぼします)。

整列方法としては振動と吸引を組み合わせた方法が
多く用いられます。

また、球体は整列だけでなく、移し替えも難しい事が有ります。

その主な原因は、やはり静電気です。整列パレットに貼り付いて、
移し替え治具の方に移動してくれない、更には、移し替え治具から
最終治具へも移動してくれない場合が有ります。

移動しないとは言っても、パーセンテージ的には僅かなのですが、
小さい球体は特に、整列数が膨大(数千個~数万個単位)である事も
珍しくありませんので、数量的には結構な数になってしまいます。

よって修正(補充)も大変で、自動化ラインでは尚更です。

この場合、整列の時のように、振動やバキューム等を使うと、
移し替えを補助してやる事が出来ます。

ホームページリニューアル(予定)

2018-02-16 10:39:57 | 効率アップ
実は、ウエステックは、ホームページからの
問い合わせが結構多いです。

ウエステックの製品は全てオーダーメイドなため、
カタログ販売のような事はできません。

リピートオーダー以外は、必ず打ち合わせが
要ります。打ち合わせも、電話や数回のメールで
済むものもあれば、実際に打ち合わせに行ったり、
もしくは来社して戴いて打ち合わせを行わないと、
話が進まないような件もあります。

場合によっては試作を行い、本番用の治具を
作ってもうまく行くか、もしくは期待できる
効果が見込めるか、等々を打ち合わせして
決めます。

また、全品オーダーメイド製品なので、
飛び込みの営業のような事をやっても、
全くと言って良いほど効果が出ません。
そのお客様が整列機を使う需要が
有るかどうかは、外からはわからない
ためです。

ウエステックの整列機は、広い意味での
部品供給装置ではありますが、
過去のブログでも何度か述べました通り、
その効果を発揮できるかどうかは、
お客様の生産体制や、既存のライン組みに
或る程度左右される場合が多い事が
否めません。

整列機よりも古くから有るパーツフィーダ
などで既に部品供給ラインから下流の
生産システムが出来上がっていますと、
部品の供給方法が違うため、整列機の
入り込む余地が無い場合も多いです。

そこに仮にでも、整列機に入れ替えられれば、
生産能力がUPする事が目に見えていても、
部品供給後のラインも全て見直さなくては
ならなくなった場合は、費用が掛かり過ぎる、
という事にもなりかねません。

すると、営業活動の取っ掛かりとしては、
「部品供給装置が欲しい」、もしくは
「多数個同時組立を検討している」
というお客様の側から、問い合わせを
戴ける形になっているホームページが
窓口になっていると、受注に結び付き
やすくなります。

何も、足で稼ぐ営業を怠けているわけでは
ありません。

そこで、開設してからかなりの年数が経っている
ホームページをリニューアルしようという事に
なったわけです。

巷に溢れている、最近のホームページは、
とにかく洗練されていて、見やすくなって
いるものが多いです。

製造業、それも産業機械のホームページは、
取り扱っている製品自体の性格から、
あまりオシャレにはできませんが、
昔に比べると、明らかに見やすく調べやすく
なっています。

特に、製品自体が分かりにくい物だったら、
できるだけ分かりやすくするような解説・
動画などを取り入れたりしています。

これも、有線・無線を含め、通信インフラの
充実と高速度化のおかげです。

また、ネット端末の高性能化・高品質化も
後押ししています。

産業機械関連では、メーカーサイトを
見る端末はまだまだパソコンが主流だと
思われますが、一般的な検索対象だと、
既にスマホやタブレットでの検索件数の方が、
パソコンを上回っているそうです。

また、Googleなどで検索する場合、
検索結果が上位に表示されるのは、
如何に検索対象語句に関わるコンテンツが
充実しているか、という事に変わって
来ています。

昔は、検索した語句がたくさん含まれていると、
上位に表示されたりしたようですが、
それだと、薄っぺらな内容でも、検索対象語句を
連呼するようなホームページが上位に表示されて
しまった事から、それじゃあ意味が無い、
というわけで、検索エンジンを変えたようです。

検索エンジンは実際にはロボット(プログラム)
ですが、ネットの中を巡り巡って、コンテンツの
充実度次第で上位に表示されるようにしているようです。

また、ウエステックの整列機は、部品供給装置
である一方で、省力化機器でもあります。
省力化は、特に世界の工場と呼ばれる国々で、
需要が高まって来ています。自国の発展に伴い、
人件費も上がって来ているので、省力化に対する
期待も、それに比例して膨らんで来ています。

自国の言葉でネット検索する事になりますので、
日本語だけでなく、英語・中国語・韓国語だけでも、
最低限対応できていなければなりません。

オンエア予定

2018-02-13 10:43:08 | 効率アップ
先月の東京ビッグサイトの展示会(インターネプコン)で、
ウエステックは NHK WORLD の取材を受けました。

ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、
NHK WORLD は海外向けのテレビ番組です。

海外のビジネスマンに日本の新製品や最新のビジネス情報を伝えるという
主旨の番組で、英語での放送になるはずです。

その放送日が決まったとの連絡が有りましたので、
お知らせしておきます。

●海外での放映日(NHK WORLD)

2月15日(木) 日本時間(JST)

0:30-0:58, 6:30-6:58, 12:30-12:58, 18:30-18:58(すべて日本時間)

※NHK WORLDは地域によってはケーブルテレビでもご覧いただけます。
NHK WORLDが観られるケーブル局はこちらになります。

http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/ja/world/howto/

※上記の時間(海外での放映時間)にNHK WORLDホームページに
アクセスいただくと動画をご覧いただけます。

http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/live/

またオンエア後は、オンデマンドで2週間程度視聴可能です。

http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/vod/greatgear/

●国内での放映日(BS-1) 2月17日(土)03:30-03
:58

時期によっては、大リーグ・テニス中継などのスポーツ中継が優先される為、
時間が変更されたり休止されることがあります。

直前のBS番組表にて御確認お願い致します。

P.S.番組ホームページは、以下の通りです。
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/english/tv/greatgear/index.html

逆ツララ

2018-02-09 09:58:41 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

ウエステックの整列機は、お客様が並べたいと
思われた部品は、基本的には全てトライしますが、
以前のブログにも書きました通り、不得意分野の
部品があります。

詳しくは、"整列機で並べるのに適さない部品"
を御参照下さい。

逆に、整列機で並べるのに適している部品、
効果が現れやすい部品は、やはり電子部品関連が
多くなります。

そして、電子部品関連のお客様の事業所・工場は、
東北・北陸に集まっている場合が多いです。

もちろん西日本にも数多く有りますが、
相対的に東日本の方が多いです。

例えば、北海道にはお客様がいますが、
四国にはいません。東北・北陸には、
全県お客様がいますが、九州だと
お客様がいない県が有ります。

さて、今年の冬はかなり寒く、ウエステックの
有る埼玉も、例年よりも最低気温が3~8℃ほど
低いです。毎日-4℃くらいまで下がります。

先日、東京は48年振りに最低気温-4℃を
観測したとニュースになりましたが、
埼玉は毎日です。

やはり東京は人口が多いから、
相対的に暖かくなるんでしょうか?

同じ頃、埼玉県さいたま市は、-9.8℃を
記録しました。

ここまで寒いと、流水も凍りますね。
会社の屋内にある水道は、朝出社すると
全て凍っていました。

で、翌日は凍らないようにと、チョロチョロと
水を出しながら帰ったのですが、屋内の水道は
それで何とか凍らなかったものの、
屋外に有る水道は、そのまま凍っていました。

蛇口の真下の流しの所から、ツララが上に伸びて
いました。



まず、蛇口から流しに達した水が、
排水溝に移動する前に凍り、蛇口の真下あたりに
水溜まりではなく、氷溜まりができます。

そのあとから蛇口から出て来た水が、
氷溜まりに触れると、氷溜まりの側面を
流れ落ちる前に凍ります。

それを繰り返すと、どんどん氷が積み重なり、
蛇口に向かって上に伸びて行きます。

その内に、蛇口から出て来る流水も凍り、
蛇口から水が出なくなり、この写真のように
なるわけです。

この最低気温の日の少し前には、
関東地方にも大雪が降りました。

大雪とは言っても、たかだか20cm程度の
積雪です。

それでも、都心は雪対策がほとんどされて
いないに等しく、特に交通機関は
麻痺しっぱなしでした。

鉄道は結構頑張ってくれたのですが、
道路が悲惨でした。

また、埼玉の私の自宅近所のスーパーでは、
パン類がほとんど無くなっていました。
皆できるだけ外出したくないのでしょう。

その後、積雪が重なる事はなかったのですが、
昼間に表面だけ溶けた雪が、夜にはまた
そのまま凍り付き、道路は氷に覆われて
いました。

これはとてつもなく滑りますね。
しかも固い氷の上に打ち付けられるわけですから、
滑ったら超痛そうです。

実際、自宅の近くで滑って転んだ人を
2人ほど見掛けましたが、その内の1人は、
スーパーのレジ袋の中身をあたり一面に
ぶちまけ、しかも暫く立てませんでした。
近くを歩いていた通行人も、滑りそうに
なりながら駆け寄っていました。

一方、北陸は正真正銘の大雪で、
しかも記録的な積雪です。

ウエステックのお得意様も、雪で埋もれて、
臨時休業したり、トラックが動けないので、
納品や運送を中止している会社が有ります。

宅配便も、福井県での配送をやめたり
していました。

山陰のお客様からも、臨時休業しますという
通知メールが届きました。

ニュースでも、コンビニの配送車が来られないため、
日持ちのしない食品関連(弁当やパン)などが
品薄状態のようです。

埼玉の友人ですが、週末に自宅で飲み会を開き、
自宅の脇の残雪に缶ビールを何本か差して
冷やしていたそうですが、1本だけ抜き忘れて
朝になったら、カチンコチンに凍っていた
そうです。

今まで、部分的にシャーベット状になった
ビールを飲んだ事は有ったそうですが、
カチンコチンは初めてだと言っていました。
冷蔵庫の中の方が暖かいという事ですね。

寒さのピークは過ぎた感じがしますが、
それはあくまでも日中の話で、夜や明け方の
最低気温は、ー3~-4℃あたりで変わりません。

この状態、いつまで続くのでしょうか?

シリンダー持ち上げ式

2018-02-08 09:50:12 | 効率アップ
先日のブログで、ウエステックの整列機から
並んだ部品を取り出す際、整列パレット(整列治具)
ごと取り出そうとする工程を自動化しようとすると、
スピードを速くできない、と書きました。

並んでいる部品がデリケートであればあるほど、
人間のような細やかな動きはロボットでは
難しくなって来ます。

整列パレットを整列機から取り出したり、
別の作業場に搬送しようとする際に、
ちょっとしたショックが加わると、
部品の整列状態が狂ったり、部品を落下させて
しまう危険性があります。

人間は、部品の向きが動きそうになったり、
落ちそうになった時、その場で動きを止め、
更に慎重に作業したり、向きが狂った部品が
数個レベルであれば、その場で向きを修正したり
できます。

整列された部品の状況を見ながら、
ここは速く移動させても大丈夫だ、
ここはゆっくり下げないとダメだ、
といった事を、素早いフィードバックで
実現します。

極端な例ですが、コップの縁ギリギリまで
水を満たし、表面張力で辛うじてこぼれずに
済んでいる状態のものを、台所から居間まで
運ぶ場面を想像してみて下さい。

水がこぼれないように水平にコップを持ち上げ、
移動します。

移動すると今度は水平方向に加速度が発生しますので、
水面が揺れます。それでも、表面張力の範囲内で
こぼれないように揺れを最小限に抑え、
歩くスピードを調整しながら、また、上下動も
抑えながら、居間まで移動します。

居間のテーブルの上にコップを置く時も、
ゆっくり水平を保ったままコップを降ろし、
置く音が鳴らないくらいに慎重に置いて完了です。

息も出来ないくらいに緊張しますが、
ロボットにこれをやれと言ったら、
ちょっと難しいです。少なくとも
スピードアップは図れません。

話を整列機に戻しますが、さすがに水を
満たしたコップは極端過ぎるとしても、
人間でも、整列機から整列パレットを取り出し、
別の場所に置くという作業は、やはり煩雑です。

これも先日のブログに書いた通り、
スプリング取手を手前に引っ張りながら、
小側の回収パレットを外し、部品が並んだ
整列パレットを取り出す。。。
カラの整列パレットをセットする時は、
整列パレットを整列機に置き、スプリング取手を
手前に引っ張りながら、小側の回収パレットを入れ、
手を離す。。。

これを一日中やっているのはなあ、
という気になるのも無理はありません。

また、整列機から整列パレットを取り出す時、
うっかり手を滑らせ、手から離れてしまうと、
整列パレットはバタンと整列機の上に戻ってしまい、
このショックで、並んでいた部品が全て
整列穴から飛び出してしまう、という事も
起こります。

よって、これらをもう少し簡略化できないか、
スピードアップを計れないか、というご要望は
当然出て来ます。

そこで、整列パレットを取り出しやすいように、
整列が終わったら、小側の回収パレットが自動で
手前に少しスライドし、整列パレットの手前側が、
ちょうど指を差し入れられるくらいに、
斜めに持ち上がる、という機構を設けた
仕様があります。

整列パレットをセットする振動テーブルに、
下からエアシリンダーを仕込み、ダンプカーのように
斜めに少し持ち上がるようにするのです。

この方法だと、作業者は斜めになっているパレットを
掴んで移動させるだけになります。

カラの整列パレットをセットする時も、
取り出した状態と同じ場所に斜めに置くだけです。

整列機の起動ボタンを押すと、シリンダーが降りて
整列パレットが水平になり、小側の回収パレットが
スライドして整列パレットに押し付けられ、
そのまま整列機が動き始めます。

これだと、かなりのスピードアップが図れます。
また、整列機の上でうっかり手を滑らせる恐れも
軽減します。

この方法は、振動テーブルに改造が必要ですし、
整列機が整列動作を完了した前と後に、
エアシリンダーを動かす動作を入れるための
プログラムの改造が必要ですので、
特注扱いにはなりますが、対応は可能です。

ただし、並べる部品によっては対応できない
場合があります。

エアシリンダーがストロークエンドまで行き着くと、
クッションを働かせ、スローダウンして
やんわり停止する必要があります。
エアの体積が少ないと、絞りがあまり効かず、
微妙なクッションが働かない事があるのです。

ご相談戴ければ検討致します。宜しくお願いします。