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整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

ウエステックのお客様の工場は田舎にある事が多い

2017-11-28 14:18:13 | 効率アップ
コーヒータイム(余談)

ウエステックの整列機は、部品を並べる装置です。
並べる部品は何でも良いのですが、部品が軟らかくて
寸法が安定しない物、大き過ぎる物はダメです。

また、並べる部品のサイズや、その生産体制・生産量から、
電子部品業界のお客様の割合が多くなる傾向にあります。

そして、そういったお客様の工場は、何故か田舎の方に
有る事が多いです。

或る工場では、よく猿が出現するそうです。電線を伝って
敷地内に入って来てしまうそうです。猿は人間にとっても
結構危険なため、監視と退治が大変だそうです。

また、東北の或る工場では、冬の間は、どんなに自宅が近くても、
徒歩・自転車・バイク通勤は禁止、という所が有ります。
熊が出没するからだそうです。

そのお客様の工場に、打ち合わせで行く際、
新幹線から在来線に乗り換えるのですが、
その在来線が単線のディーゼル車です。
電車ではありません。

また、雪が降りしきる時にも行った事があるのですが、
そのディーゼル車は警笛を鳴らしっぱなしのまま走ります。
視界が数メートルしかないため、時折差し掛かる踏切に、
車と鹿が進入しないようにするためです。

しかし、道路の方は交通量が非常に少ない事から、
ディーゼル車の方は、視界が悪いまま、普段通りの
スピードで走ります。

進行方向はもちろんですが、車窓(ディーゼル車の側面)も、
降りしきる雪で、数メートル先しか見えませんから、
雪以外の物が全く見えません。でもダイヤ通りに到着。

また、別の工場に打ち合わせに行った時、
午後一番で入る予定だったため、正午前に最寄り駅で
下りたのですが、飲食店はおろか、コンビニすら無い
所だった事があります。

駅前に唯一ある雑貨屋(?)に、固くなりかけた
菓子パンが売ってあったので、仕方なくそれを買い、
ベンチで食べました。

それ以来、初めて行く所は、ネットのストリートビューで
駅前の情景を確認してから行くようになりました。
駅前に何も無さそうだったら、その数駅手前の
少し大きな駅や、乗り換え駅で、食事を済ませるように
しています。

また、宿泊先にも苦労する事があります。最初から
泊まる予定だったら、あらかじめ調べてから行くので
良いのですが、予想外に出張が長引いたり、
在来線が止まって、運転再開してからでは、
自宅までは帰れそうもない時間だった場合は、
その場でスマホで宿を探します。

駅前の普通のホテルが満室だったりすると、
歩いて20分以上の距離にある旅館や民宿のような
所に泊まる事が有ります。

それが、宿泊施設化するために増築を重ね、
フロント(?)から部屋に行くのに、一旦外に
出なければならないような変な構造だったり、
本来は食堂があるのに、ご主人が高齢で
足が痛む時は食事が作れず、朝食無しに
なったりだとか、いろいろと想定外の事が
起こりまくります。

あ、変な経験ばかり書いていますが、
大抵の場合は普通です。駅前の普通の
ビジネスホテルに泊まるのが大部分です。

しかし、そういうホテルでも、予想外にハズレな
時もたまには有ります。

部屋の中にティーパックのお茶と一杯分の
インスタントコーヒーを置いてある所が多いですが、
そのミルク(コーヒーフレッシュ)の油脂分が
分離してしまっていたりします。賞味期限が
あるはずですが、一体いつのだよ、と言いたく
なります。

また、壁紙が破れているのをそのままにして
あったりだとか、作りが古くてコンセントが
1つしかなく、そこにタコ足で電気スタンド・
冷蔵庫・テレビを配線してあり、
スマホを充電できない事もあります。

寝る前にテレビをコンセントから抜き、
スマホを充電しました。

地理的に、外国人観光客が泊まりそうな場所に
あるホテルは、最近改装されて綺麗になっている
所も多いですが、泊まれれば良いや、
というレベルのホテルも、まだまだたくさん
有ります。

整列機の欠点

2017-11-27 10:42:54 | 効率アップ
どのような装置(システム)にも、それなりに良いところと
悪いところがあります。

装置の導入を検討する時には、その装置の欠点も正しく理解し、
総合的な判断を元に導入メリットを考えなければなりません。
良いところばかり見て判断すると、導入後に後悔する、
なんて事もあり得ます。

ウエステックの整列機は、その生産性・汎用性・投資効率等から、
一部のお客様からは、ほとんど万能であるかのような評価も
戴いていますが、それは並べる部品の形状や、お客様の工場の
生産体制などが、整列機の使用に向いている、という、
或る意味での偶然性も含まれています(謙遜ではなく)。

通常、商品の欠点を述べる事は、マイナスイメージにも
つながるため、あまり大っぴらにしなかったり、
隠したりする会社も有ります。

しかし、ウエステックは、お客様の生産工程の効率化を
第一に考えています。また、欠点を隠して売ったとしても、
その時は売上が上がりますが、信用を無くしますので、
次回からは話が来なくなります。

仕様打ち合わせの段階で、これは整列機では並ばないな、
という部品だったりした時は、もちろん断りますが、
仮に並ぶ部品でも、整列機を導入するメリットが
感じられない場合は、敢えて整列機をお勧めしない事すら
あります。

それでは、整列機の欠点を述べて行きたいと思います。

整列機の一般的な欠点は、以下の7点が考えられます。

1:パーツ整列機には必ず整列治具が必要である。

2:生産能力の表示が難しい。

3:作業者が必要であり、その作業者によって生産性が変動する。

4:整列させる数倍の数量の部品を投入する必要がある。

5:品種及びロットの切り替わり時に整列率が落ちる。

6:自動化が難しい。

7:カンバン方式と呼ばれる生産方式に向いていない。

過去のブログで、上記の3~7番の内容に関しては、
或る程度説明しています。

しかし、1~2番に関しては、意味がよく分からない、
という方もいらしゃるかと思います。

では、1番の「整列機には必ず整列治具が必要である」
について説明して行きます。

パーツ整列機最大の特徴でもある、整列治具を交換する事で、
様々な部品に対処可能である事は、長所でもありますが、
一方で短所とも言えます。

パーツフィーダ等の部品供給装置は、単列または複数列に
並んだ状態で、部品がシュートから出て来ます。

整列機は、定められた姿勢及び整列ピッチで、
定められた治具に整列する事が目的の装置ですから、
当然ですが整列治具が必ず必要となります。

整列機の製造メーカーが整列治具を製作する場合には、
設計・整列実験・加工・整列条件設定などを行い、
加工精度と整列率を保証した治具を製作する
必要があります。

整列治具の設計及び加工には、経験やノウハウを必要とし、
その価格には、加工の工数よりも、人件費的な要素の
比率が大きく反映し、それぞれのメーカーによって、
価格設定にも極端な開きが有ります。

整列率は、整列機よりも、整列治具で良否が決まる
場合が多い事は、過去のブログでも何度か述べさせて
戴きました。

ウエステックの整列治具の実勢価格は、1枚あたりの単価が
30,000~50,000円くらいする物が多く、その内容を考えると、
非常に安価であるとの評価を戴ける場合もありますが、
加工の難度や、加工時間の長さから、1枚あたり数十万円
する物も有ります。

お客様の生産能力が時間的にタイトだったり、
膨大な量を生産する必要があったりしますと、
整列治具の製作枚数が多くなり、治具だけで
数百万~数千万円に達する場合もあります。

整列治具は、部品を変える毎に必要としますので、
整列機を検討する場合には、整列治具の種類と単価を
必ず考慮する必要があります。

整列治具の加工は、マシニングセンタで1枚ずつ
切削する事が多いのですが、精度や数量によっては、
エッチングや成形で製作する場合もあります。

ちなみに、ウエステックでは整列治具加工のため、
現在33台のマシニングセンタが稼働しています。

一品一品がオーダーメイドですので、
33台、加工している物が全て違います。

イルミネーションって樹木に影響ないの?

2017-11-24 13:44:26 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

最近、グッと寒くなって来ました。11月の割には、
12月並みに寒い日が多いようです。

さて、この季節になると、街には徐々にイルミネーションが
点灯するようになります。クリスマス気分を盛り上げるため(?)
かと思われますので、11月の内に点灯するのは、少し早い気も
しますが、既に点灯が始まっている所も有ります。

凝ったものは、音楽と連動していろいろ点灯パターンを変え、
流れ星のようにしたり、プロジェクトマッピングと組み合わせて、
ちょっとしたアトラクションっぽい演出をしたりしているようです。

LEDは消費電力や起動電流が少なく、また通電してから明るくなる
までの時間が短いので、点灯する色を変えたり、点灯パターンを
制御すれば、絵や動画のように表示する事ができます。

まあ綺麗だこと。昔は単色の灯りがただ点いている、
って所が多かったですけどね。

LEDじゃなかったので、消費電力も大きく、電気代もバカにならない。
しかしバブル期は景気が良かったんで、その程度はお構いなし。

発熱量も凄く、樹木に悪影響が出るんじゃないかって事もあり、
(バブルが弾けたせいもあり)、一時期は下火になりました。

しかし、LEDになって見事に復活。と言うより、どんどん豪華に
なって行っていますね。

さて、イルミネーションの大部分が、樹木に電線を巻き付け、
LEDを光らせています。建物自体は、夜でも看板や照明が
点いているので、いつもは光らない樹木が、色とりどりに
光る事になるわけです。

しかし、いくらLEDとは言え、樹木に影響ないんでしょうかね?
LEDは発熱しないって誤解している人がいますが、
シッカリ発熱しますよ。まあ白熱電球ほどじゃありませんけど。

家庭用のLED電球の外側にあるリブ構造のもの、
あれは放熱板です。表面積を大きくして、空気と触れる
場所を多くし、熱を冷ますようにしています。

樹木に巻き付けられているLEDも、当然発熱します。
しかし、電球ほどの強い光と熱じゃありませんし、
表面にはあまり熱が出ないように工夫されている
ようですけど。

確かに、イルミネーションの光で、手元が明るいかと
いうと、そんな事はありません。デジカメの設定を
変えようと、ファンクションボタンを探しますが、
よく見えない事が多いです。あれだけの数量で
照らしていても、照明にははるかに及ばないんですね。

だからと言って、あそこまで煌々と点灯させて、
樹木に影響ないんですかね?

動物だったらストレスになりそうに思えます。
冬なので、虫とか鳥とかは少ないでしょうけど、
樹木に寄って来なくなりそうです。

まあ、繁華街の街路樹とかだと、建物の看板や照明、
車のヘッドライトなどに間断なく照らされて、
そこにイルミネーションが加わったからと言って、
大して変わらないかも知れませんが、
やはり生き物ですから、全く影響がない、
って事はないんじゃないですかねえ。

花を咲かせる木だと、開花に影響がありそうです。
実際、桜や梅の名所と呼ばれる所だと、
樹木の管理に非常に気を遣っているようです。
花芽の付き方が全然違って来るって言いますからね。

実際、自宅の近所の桜並木は、立ち枯れして
徐々に本数が減って来ました。

追伸 :

12月に入ると、クリスマスツリータイプの
イルミネーションも増えて来ます。

ちなみに、日本では、クリスマスが過ぎると、
このクリスマスツリータイプのイルミネーションは
とっととお役御免ですが、台湾とかだと、
正月まで点灯しています。中華圏では
正月は神事でもあるので、それまでは
神様はそこにいる、という解釈のようです。

東洋も西洋もゴッチャになっていますね。
まあ日本もそうですが。

整列機は組立装置です

2017-11-20 10:42:55 | 効率アップ
まるで言い切っているかのような、今日の題名ですが、
実際、ウエステックの整列機を購入して戴いたお客様の、
実に半数以上が、組立装置として使っていらっしゃいます。

実際どのようにして組立に利用するかは、
過去のブログを参照して戴ければと思います。

整列機は部品を整列治具上に、決められた整列ピッチ、
及び姿勢に整列させる装置ですが、例えば構成部品が
A~Eの5種類を組み立てるのであれば、A~Eの各部品を
全て同じ整列ピッチ(整列間隔)に並べてしまえば、
それらを重ね合わせたり圧入したりする事で、
一度に治具1枚分の組立ができる事になります。

A~Eそれぞれの部品を供給して組み立てるよりは、
圧倒的に速いケースがほとんどです。

対象品目は、電子部品・電機部品・コンピュータ部品・
半導体部品・油空圧機器・自動車用部品、その他様々な
分野に広がっています。

整列機を用いた組立方式の特徴を以下に挙げます。

1:自動機を必要としない。

2:熟練したオペレータが不要である。

3:必要に応じマニュアル式の組み付け機を利用する。

4:作業者によるハンドリングを必要とする。

5:組立は治具パレットの組み合わせで行う。

6:多数個(数100~数1000個)同時組立ができる。

7:整列個数と生産性が比例する。

8:多品種同時組立が可能である。

9:品種切り替えが簡単である。

10:部品のサブアセンブリに利用されることが多い。

11:不良率が低くなる。

1枚の治具あたりのハンドリング時間は、約10~20秒ですが、
整列個数分を同時処理することができます。

トータルの処理時間からすると、1部品ずつ処理するよりも
速くなるわけです。

また、1治具の全面に並んだ部品を、作業者が全数そのまま
吸着して移し替えたり、組み込んだりしますので、
その時点で部品の不良を発見しやすいというメリットも
あります。

部品単体では発見し難い不良も、同じ部品が治具全体に
等間隔に広がっている状態ですと、1個の部品だけ光の
反射の仕方が違うですとか、1個だけ治具から
浮き上がっている高さが違うですとか、
そういう現象が目に付きやすいのです。

自動機の場合、何かしらの原因で装置の設定が狂い、
その設定値が非常停止が掛からない範囲内ですと、
大量にアセンブリ不良を作ってしまう事が有ります。

ウエステックで整列実験や、本番用治具の整列・
組立実験を行うのに、大量の部品をお借りする事が
ありますが、治具の確認用であれば支障がない不良
という理由で、大量に失敗した部品を送って来る
お客様もいらっしゃいます。

よくあるのが、セラミック部品の電極印刷ミス品や、
樹脂部品のレーザーマーキングミス品です。

なんという量の不良品だ、と驚く事も有ります。
歩留まりが悪いですね。

逆に言うと、整列機と整列治具を使う事によって、
それらが改善される事を期待されているわけです。

最近は電子部品もどんどん小さくなって行っています。
製品サイクルも極端に短くなって行っています。
同じ系統の製品でも、機種の切り替わりが速いためです。
自動機で組立装置を作ると、償却も難しくなっている
最近の事情に、整列機は最適な装置と言えます。

追伸 :

お客様から、新製品の立ち上げラインに整列機を
導入する時とかに、「社運が懸かっている」とまで
言われる事も有ります。

整列機を使った生産ラインがうまく行くと、
費用対効果が凄い事になるのを知っている
お客様からの、過大とも言える期待です。

とは言え、お客様の社運が懸かっている件も、
パートさんの既存の重労働を軽減する件も、
閉鎖した別工場から引き上げて来た整列機が
有るので、何か並べようかな、という件も、
ウエステックとしては、やる事は同じ
なんですけどね。

試作の段階でうまく行けば、本番用治具を作るまでに
多少の問題が発生しても、最終的にはNGになる事は
ほとんどありませんので。

やはり外国人は靴を脱がないですね

2017-11-15 14:12:04 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

以前の与太話で、外国人は寝る時と風呂に入る時以外
靴を脱がない、という話をしましたが、
最近もそれを実感する出来事が有りました。

関東には、昔の浮世絵の展示を専門に
している美術館が幾つか有ります。

掛け軸に書かれた浮世絵が展示されている事が
多いのですが、掛け軸の手前は畳です。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
この場合の鑑賞方法は、畳の間に上がり、
膝を突いて目線を低くして絵を見ます。

掛け軸は縦に長く、通常、絵はその下の方に
書いてありますので、目線を下げないと、
絵を見下ろす格好になってしまいます。

掛け軸の絵は、ちょうど床に膝を突いたくらい、
もしくは完全に座った高さの目線から、
見られるように書かれています。

これは、昔の日本は全て畳の間だったので、
畳の上に座った状態で見栄えがするように、
との配慮からです。

立った状態で浮世絵を見ようとすると、
掛け軸をかなり高い位置に掛けなければ
なりません。それでは風情もへったくれも
ないですし、そもそも掛け軸である意味が
無くなってしまいますので、
やはり畳に上がって掛け軸に近付き、
膝を突いて目線を下げて見るべきです。

ところが、やはり外国人は靴を脱がないので、
畳の上に上がらず、畳の手前から見ている
人が多いです。

畳に上がらないと、目の高さ的には、
畳に上がって膝を突いた状態と、
ほぼ同じになりますが、2mくらい
離れた所から見る格好になりますので、
見にくいかと思います。

遠くからだと、絵の中の細かいパーツが
見えません。浮世絵は、風景画であれば、
各パーツ自体が細かいですし、
人物画も、着物の柄などは、近くで見ないと
よく分かりません。

でも、靴を脱がないですねえ。靴を脱いで
近くで見ているのは、日本人ばかりでした。

客が少なければ良いですが、多いと畳に膝を突いた
日本人が絵を遮ってしまい、遠くからでは
ますます見えにくくなります。

さすがに靴を脱ぐだろうと思いましたが、
脱がないですねえ。もしかすると靴下に
穴があいているのかも知れませんねえ。

掛け軸ではない絵も多数展示してありますので、
もっぱらそっちを見ていますね。

靴を脱いで掛け軸を見ている外国人もいますが、
やはり少数派です。

浮世絵は外国人に大変人気が有り、そのせいも
あってか、最近は日本でも再評価され、
日本人の間でも人気が高まって来ました。

私も、若い頃はあまり興味が無かったのですが、
歳を取って来たせいか、浮世絵の良さが
分かるようになって来ました。

若い頃は、浮世絵には遠近感というか、
立体感が乏しいし、西洋絵画に比べると、
色もおとなしめなので、面白味が無いと
感じていたのです。

基本的に影が無く、1つのパーツの陰影も
有りません。例えば、円筒形の物でも、
日が当たっている側は明るく書いて、
反対側は暗く書く、という事をしません。

しかし、今見ると、画面の構成でうまく遠近感を
表現していたり、着物の柄の部分部分の変化で
立体感を出したりしており、細かい部分で
非常に工夫されています。

しかも、西洋絵画とは違って、縦横比が特に
決まっていません。西洋絵画は、キャンバスに
書かれている絵は特に、縦横比がだいたい
決まっています。

一方の浮世絵は、西洋絵画と近い縦横比の物も
ありますが、掛け軸用に縦に細長かったり、
横が縦の何倍も広かったり、扇子に書いて
ある場合もあります。

それぞれの紙面の大きさや縦横比を活かし、
実にうまく、各パーツを配置したり、
画面を構成したりしています。

縦長の紙面に、人物の全体像を書く場合でも、
余白が少ないにもかかわらず、窮屈な印象を
与えないように書く技法や、画面の外にいると
思われる人物に視線を投げ掛けている事で、
画面以上に広く感じさせる技法は、
さすがとしか言えません。

また、美人画も、現代の美人、というのとは
切り口が違い、花や風景の美しさと同じ系統の、
造形としての美しさは充分に感じ取られる事が
分かって来ました。

話がかなり脱線しましたが、これからもっともっと
外国人観光客を呼び込もうと思ったら、
畳に上がらずに見られる掛け軸の展示方法を
考えた方が良いかも知れません。

しかし、あまり外国人に迎合すると、
日本の伝統が損なわれてしまいますので、
難しいところではあります。

掛け軸が少し斜めになるように、つまり斜面に
寄り掛からせるように展示すれば、目線の位置が
高くても、低い所に有る絵に対しても、
垂直に視線を向ける事が出来ます。

日本にしか無い物もたくさん有りますので、
日本人にとっては見慣れた物であっても、
観光の目玉になり得る物はいくらでもあります。

ちなみに、浮世絵の美術館の受付の人は、
英語ペラペラでした。外国人の来客が多いので、
そういう人を雇っているのですね。