整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列機の欠点

2017-11-27 10:42:54 | 効率アップ
どのような装置(システム)にも、それなりに良いところと
悪いところがあります。

装置の導入を検討する時には、その装置の欠点も正しく理解し、
総合的な判断を元に導入メリットを考えなければなりません。
良いところばかり見て判断すると、導入後に後悔する、
なんて事もあり得ます。

ウエステックの整列機は、その生産性・汎用性・投資効率等から、
一部のお客様からは、ほとんど万能であるかのような評価も
戴いていますが、それは並べる部品の形状や、お客様の工場の
生産体制などが、整列機の使用に向いている、という、
或る意味での偶然性も含まれています(謙遜ではなく)。

通常、商品の欠点を述べる事は、マイナスイメージにも
つながるため、あまり大っぴらにしなかったり、
隠したりする会社も有ります。

しかし、ウエステックは、お客様の生産工程の効率化を
第一に考えています。また、欠点を隠して売ったとしても、
その時は売上が上がりますが、信用を無くしますので、
次回からは話が来なくなります。

仕様打ち合わせの段階で、これは整列機では並ばないな、
という部品だったりした時は、もちろん断りますが、
仮に並ぶ部品でも、整列機を導入するメリットが
感じられない場合は、敢えて整列機をお勧めしない事すら
あります。

それでは、整列機の欠点を述べて行きたいと思います。

整列機の一般的な欠点は、以下の7点が考えられます。

1:パーツ整列機には必ず整列治具が必要である。

2:生産能力の表示が難しい。

3:作業者が必要であり、その作業者によって生産性が変動する。

4:整列させる数倍の数量の部品を投入する必要がある。

5:品種及びロットの切り替わり時に整列率が落ちる。

6:自動化が難しい。

7:カンバン方式と呼ばれる生産方式に向いていない。

過去のブログで、上記の3~7番の内容に関しては、
或る程度説明しています。

しかし、1~2番に関しては、意味がよく分からない、
という方もいらしゃるかと思います。

では、1番の「整列機には必ず整列治具が必要である」
について説明して行きます。

パーツ整列機最大の特徴でもある、整列治具を交換する事で、
様々な部品に対処可能である事は、長所でもありますが、
一方で短所とも言えます。

パーツフィーダ等の部品供給装置は、単列または複数列に
並んだ状態で、部品がシュートから出て来ます。

整列機は、定められた姿勢及び整列ピッチで、
定められた治具に整列する事が目的の装置ですから、
当然ですが整列治具が必ず必要となります。

整列機の製造メーカーが整列治具を製作する場合には、
設計・整列実験・加工・整列条件設定などを行い、
加工精度と整列率を保証した治具を製作する
必要があります。

整列治具の設計及び加工には、経験やノウハウを必要とし、
その価格には、加工の工数よりも、人件費的な要素の
比率が大きく反映し、それぞれのメーカーによって、
価格設定にも極端な開きが有ります。

整列率は、整列機よりも、整列治具で良否が決まる
場合が多い事は、過去のブログでも何度か述べさせて
戴きました。

ウエステックの整列治具の実勢価格は、1枚あたりの単価が
30,000~50,000円くらいする物が多く、その内容を考えると、
非常に安価であるとの評価を戴ける場合もありますが、
加工の難度や、加工時間の長さから、1枚あたり数十万円
する物も有ります。

お客様の生産能力が時間的にタイトだったり、
膨大な量を生産する必要があったりしますと、
整列治具の製作枚数が多くなり、治具だけで
数百万~数千万円に達する場合もあります。

整列治具は、部品を変える毎に必要としますので、
整列機を検討する場合には、整列治具の種類と単価を
必ず考慮する必要があります。

整列治具の加工は、マシニングセンタで1枚ずつ
切削する事が多いのですが、精度や数量によっては、
エッチングや成形で製作する場合もあります。

ちなみに、ウエステックでは整列治具加工のため、
現在33台のマシニングセンタが稼働しています。

一品一品がオーダーメイドですので、
33台、加工している物が全て違います。


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