不倒翁(ふとうおう)

澄心書道教室 作品創作活動 学習中文 アクセサリー製作に奮闘中

空海 行書③風信帖

2013-08-18 15:55:15 | 書道教室
 日本書道史のうえで特に優れた書人に嵯峨天皇、空海、橘逸勢たちばなのはやなり三人をあげて三筆と呼んでいます。
 1678年刊行の貝原益軒の和漢名数かららしく江戸時代になってから呼ばれたようです。
 また入木道書道のことを言います。王羲之の筆力が強い為に木に書いた字が滲みこむこと三分にも及んだという伝説の古い伝承では空海、菅原道真、小野道風を三聖といっていたようです。
 三筆にしろ三聖にしろ最も傑出しているのが空海です。

風信帖は、空海が最澄に送った手紙3通を集めて1巻としたもので最初の手紙の冒頭に「風信雲書」とあることから風信帖とよんでいます。
 空海の書蹟は多くが伝えられていますが、最高の書と言われています。
 空海と最澄は平安時代の初期に同時期に遣唐使として入唐しています。
 空海が最澄よりも1年1ヶ月遅く帰国し、その時に持ち帰った経典の借用を最澄が弟子の経珍を介して願い出ています。
 811年11月に金剛界灌頂を12月には胎蔵界灌頂を空海から受け、812年にも同じ願いを繰り返しています。
 「風」「雲」「天」は王羲之の集王聖教序とくらべても同一書法であることもうかがえますが、全体では、入唐時長安を中心に書かれていた、顔真卿の影響も強く感じられます。
                
                墨光書道院NO425 25年 4月号より

最新の画像もっと見る

コメントを投稿