玉川上水の木漏れ日

 ワヤン・トゥンジュク梅田一座のブログ

■右並びの不思議

2014年11月07日 | 旅のおはなし


ところで、神戸のエスカレーター、やっぱり右に並んでました。これ、関西の慣例です。郷に入れば郷に従えということでついつい右に並んでしまうけど。
でも、どうしてこうなったか、実はあまり知られていない。
日本はもともと武士の作法(刀を見せない・触れない)以来、左側通行が正式とされた。ちょうど鉄道をイギリスに倣った関係で車も汽車も左側通行。抜く場合は右から抜く。バリも日本と一緒なのでそういう意味では安心。
それに対し、西洋は伝統的に右が多く、エスカレーターも確かに右に並んでいるのを経験したことがある。当然この場合は左から抜く。一説にはナポレオンが左利きだったからそうなったというテレ東的な説も昔からあるが、実際はこれ、馬車と馭者の座り位置と鞭に関係があるらしい。いまの電車の車輪の幅も馬車から来ているというし、案外交通関係は馬車ネタは多い。
ちなみに、飛行機は世界中全部左から乗り降りする。つまり左側通行のならい。これは船の習慣から来ていて、漁船なども含めて船というのは左舷を岸壁につけるのでそうなったようであるが、これにもきっと理由があるはず。トラック競技はなぜ左回りか(心臓の位置関係らしい)とか、右利きと左利きの癖など、最後は人間の身体的理由に帰結するのではないかという気がする。今度調べてみますが。
そしてそれらはきっと、かたちやデザインにも影響している。現代こそ理由のあるかたちは大切、とおもっていますが・・・。
そういえば、映画「タイタニック」は港に停泊する巨大な船のセットを逆向きに作ってしまって、さあたいへん。ほぼできてから気がついたそうだが、仕方ないのでそのまま撮影した、と誰かが言っていた。

で、エスカレーター。関西ももともとは左に並んでいたものを、70年の大坂万博のときに欧米人がたくさん来るから国際標準に合わせよう、という優しい行政指導でそうなったそうである。さすがナショナル・プロジェクト、そこまでやるか。でも、馴れてしまうとそのルーツなんて考えることをしない。すでに関西の人は暗黙の習慣になっている。
ん~、世の中結構そういうことあるね。デズモンド・モリス先生に倣い、今後もいろいろマンウォッチングしてみることにします。でも、やっぱ、なんか変。僕の方が変?(は)

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