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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

現代経済への警笛『21世紀の資本』

2020年06月02日 22時42分53秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Capital in the Twenty-First Century
製作年:2019年
製作国:フランス・ニュージーランド合作
 配給:アンプラグド

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:37/57
⠀ ⠀ 社会勉強🧐:★★★★☆
わかりやすさ😊:★★★★☆

久しぶりの新作映画は、あの大ベストセラー『21世紀の資本』の映画。
(ちなみに本は読んでませんw)
まあ、映画というより、もはや経済の授業みたいな感じだったけど(笑)

本は700ページを超えるらしいけど、それをギュッと103分に収めてる。
事前知識が必要かなと思い、でも本を読むのは辛いなあと思ったので、
サラタメさんのYouTubeで要約だけ観てから臨むことに。

本の内容としては、労働者がどんなにがんばって賃金を得ても、
金持ちたちが資産運用で得られるお金の方がはるかに大きいから、
このままだと金持ちは金持ちのまま、
貧乏は貧乏のままという格差が埋まることはない。
だから、金持ちの資産に税金かけて、庶民に分配しようぜってこと。

なんだけど、この映画では小難しい話は一切なし。
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という数式も出てこない。

本を読んだ人は復習の意味で、まだ読んでない人はこれを機にぜひ観てみよう。

トム・ピケティ氏の主張をかっさらうだけなら、
サラタメさんのYouTubeだけでもいいけど、
この映画は17世紀あたりのイギリス、フランス、アメリカの経済事情から始まり、
トム・ピケティ氏だけでなく、いろんな経済学者へのインタビューを元に構成されており、
かつ当時の各国の社会情勢をイメージしやすい映画の映像も交えているから、
とても観やすい(『プライドと偏見』や『オリバー・ツイスト』など)。

19世期のイギリスでは上位1%の富裕層が国の70%の富を有していたというから、
富の集中度合いのハンパなさに驚く。
まあ、ちょっと前にも大富豪62人が全世界の半分の富を持つと言ってたから、
まさに金持ちは金持ちのままだなと(笑)

僕個人はお金というものにあまり興味がないので、
彼らのことを勝手に「十老頭」や「王下七武海」みたいなもんだろうなと
中二発想で楽しんでいたけれどw

しかし、そういう既得権益はなかなか手放したくないよなあ。
よほど「この社会をよくしよう」と思っている人でないと
富の再分配には興味を持たなそう(それが、長い目で見て社会全体の崩壊を招くとしても)。

面白かったのが、本筋とはあまり関係ないのだけど、
とあるゲームで参加者を金持ちと貧乏人に分けて、
金持ちにはスタート時にお金をたんまり渡し、
ゲーム中の収入も貧乏人の2倍という設定でプレイさせたら、
何百ケース観察しても、金持ちプレイヤーの言動が徐々に横柄になっていき、
貧乏人プレイヤーをバカにするような発言をするようになったとのこと。

しかも、やってることは両者共に、ただダイスを振るだけ。
なのに、金持ちプレイヤーはすべて自分の実力だと思い込むようになったのだとか。

あー、こういうところからマウンティングや差別が始まるんだろうなあと思った。

規模が大きすぎて、ちっぽけな僕には何をどうするかなんてことまでは考えが及ばないけど、
あくまでも人としての人生を考えるならば、
「超富裕層に、俺はなる!」なんて本気で思わない限り、
自分の好きなことを大切にして、
小さな感動を大切にするのが精神衛生の観点からもいいのかな、と。
(おいしいフルーツサンド食べるとか)

社会全体で言えば、、、まあ長くなるからやめようw

ただ、富裕層だろうがなんだろうが、100年経てばみんな等しく死ぬけど。
それだけは、それだけが、何もしなくても唯一自然と与えられた平等。

映画『21世紀の資本』公式サイト

5月22日(金)より全国順次公開!|300万部の世界的大ベストセラーの映画化!あなたが金持ちになるか、貧乏になるか?その答えは、この映画が教...

映画『21世紀の資本』公式サイト

 

日本アニメーション映画の金字塔『AKIRA』

2020年06月02日 22時35分22秒 | 映画
2ヶ月ぶりの映画館での映画。・゜・(ノД`)・゜・。

あの大画面、大音響は家では無理。
やっぱり映画は映画館に限る!

で、コロナ明け一発目は、
ちょうど観ようとしていた矢先に観れなくなってしまった
『AKIRA』のIMAX版。

いやー、相変わらず濃いよ、何度観ても。
小さい頃に父親に観せられたのが最初なんだけど、
ラストで鉄雄が機械と人肉でグッチャグチャになった肉塊と化すシーンはいまだにトラウマで、
この映画観てから、肉体が肥大化したり機械と融合したりする表現を見ると、
背筋が凍りつく感覚になる。

でも、その分ものすごく印象に残る映画なのは確か。
1988年7月16日公開と今から30年以上も前のアニメだけど、
SFかつサイバーパンクな世界観に、
グロいがゆえに心に残る表現の数々など、
これは本当に日本人として観なければならない
アニメーション映画のひとつだと思う。

原作漫画はまだ読んでないけれど、
当時20代でこの世界観を作り上げた大友克洋先生のセンスと才能は凄まじい。

内容としては割と現実世界の延長のような話で、
まさに映画の公開日と同じ1988年7月16日に新型爆弾が炸裂し、
第三次世界大戦が勃発したという設定のもと、
舞台はその31年後である2019年の「ネオ東京」。
そこでは、反政府のゲリラ対軍隊の攻防が続いているというもの。

しかも、ラストの最終決戦の場は東京オリンピック会場という
タイムリーすぎるシーンも今となっては運命的なものを感じるw

正直、キャラクターデザインは好みが分かれると思うんだよね。
アニメキャラって普通は目が大きくて鼻がシュッとしているような
美化された形で描かれることがほとんどだけど、
この作品の登場人物は目が小さくて鼻が低くてスタイルも悪く、
まったく美化されないリアルな日本人として描かれているから。
見た目でのアドバンテージがない分、
より映画の中身に集中できるって意味で個人的には好きだけど。

そんな中で、金田正太郎と島鉄雄という若さゆえの勢い全開な2人の少年を主人公に、
アキラというキーパーソンや、
体の成長が幼いまま止まり老化だけが進んでしまう、
超能力を持った“実験体”のマサル、タカシ、キヨコの存在など、
見た目も中身も設定も濃い登場人物がツボる。

特に、鉄雄の変化がこの映画の見どころだと思うんだよね。
彼は幼い頃よくいじめられていて、
そんな彼をいつも助けてくれた金田に対してずっと劣等感を持っていたがゆえに、
超能力に目覚めた後はその反動で力を誇示するようになるっていう展開が、
カスキャラがラスボスになる感じがして、ある意味スカッとするところはある。

ハリウッドのヒーローモノにあるような、
ダサいキャラがスーパーパワーを手に入れてヒーローになるというパターンの、
悪の道にそれてしまう流れが面白い。
それこそ、昨年公開された『ブライトバーン』的な感じ。

さらに、全体的に絵がリアルでグロテスクなところも後々印象に残りやすいポイントかなと。
血はドボドボ出るし、先にも書いた鉄雄が巨大な肉塊と化すシーンは
トラウマになるぐらいおぞましいのだけど、
むしろこの体験こそが、僕がダークな物語やグチャミソした展開の物語に
惹かれてしまうきっかけとなったのは否めない。

世界的な評価も高く、30年以上経った今も愛され続けているこの映画は、
ぜひ生きているうちに観て欲しいと思う!

そして、、、新作アニメや実写化の話は、、、どうなりましたかね(笑)