『山をも動かす』 アリサ・クレイグ 森下弓子:訳 創元推理文庫
ここロべりア・フォールズではアーチェリーが盛ん。その朝、秘書代行サービス業を営むディタにーも矢筒を背負って散歩に出かけたのだが―突如一本の矢が風を切り、目の前の木に深々と突き刺さった。発射されたあたりに行ってみると、町の水道課長が矢で射殺されている。ディタにーは、ぼやきながらも素人探偵を始めるが…。マクラウドが別名義で贈る奇抜でにぎやかな新シリーズ。 (カバー裏あらすじより)
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これはシャーロット・マクラウドが<アリサ・クレイグ>という別名義で書いた、<ディタニー・ヘンビットもの>の第一弾です。
舞台となるのはロベリア・フォールズという町。
活躍するのは、主人公である<ディタニー・ヘンビット>はもちろんのこと、<グラブ&ステーク園芸ロービング・クラブ>のメンバーの女性たちです。
この第一弾では、かなり忙しくことが運んでいきます。
殺人あり、陰謀あり、誘拐あり…
町の開発委員の選挙戦や、金婚式のお祝いの宴、資金集めのベークセールなど…大忙し。
短い準備期間にもかかわらず、それをやってのけます。
メンバーの女性たちが団結し動けば何でもできる!という感じです。
ドタバタ感はありますが、そこはマクラウド。
人物描写もユーモアも、期待どおりです^^。
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ディタニーのお隣のおうちで飼われている、(たぶん犬)の<エセル>がいいキャラクターなんです。
(たぶん犬)のエセルは…
「エセルはふつう、いくらかはビーグル犬、いくらかはブラッドハウンド、いくらかはアメリカクロクマの血が混じっていると思われているが、ほかはまったくの謎だった。アナグマからプロントザウルスまで、無数の憶測が立てられている。」(本文より)
で、役所としては万が一犬だった場合を考えて、犬の雑種の雌と分類されているという…そんなコです^^。
とても友好的(方法は過激ですが;)で遊び好き。
なんとも愛しいキャラであります。
このシリーズの次回作でも、このキャラは健在です。
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ベークセールや宴が催されるだけあって、今回もいろいろなお菓子が出てきます。
「ヘイゼルの、オレンジとココナツ味の糖衣をかけたニンジン、クルミ、オールスパイスの特製ケーキがぶあつく切られ― 」(本文より)
というくだりがあるんです。
このヘイゼルの特製ケーキがとても気になって、気になって…
これは作ってみなければ!!
ということで、いろいろ想像をめぐらして、レシピを考えました。
ニンジンケーキからレシピを膨らませて…
「ぶあつく切られ―」とあるから、パウンド型かな…
オレンジとココナツ味の糖衣…フムフム…
という具合です。
(いつか載せますね^^)
他にも焼き菓子がわんさかと出てきて、またまた読みながら無性に何かをつまみたくなりました。
いかんなぁ…
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カバーイラストは、ひらいたかこさん。
<ディタニー・ヘンビット>シリーズの次回作は『キルトは楽しい』です。
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