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明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

ゴルフの愉しみ(49)ステップアップ・ツアーは、もうレギュラー並みの激戦だ!

2020-11-14 20:52:26 | スポーツ・ゴルフ

去年、渋野日向子が全英女子オープンを取って以来、女子ゴルフが女性のプロスポーツの華として不動の人気を得てきた(私の個人的感覚)。黄金世代からプラチナ世代の登場で世代交代も一気に進み、見ているファンも「若い女性が増えている」との情報も聞こえてくる今日このごろである(これは確かなニュース筋の情報である)。ところが今年はコロナ禍でスポーツ界が軒並み中止という悪条件で、女子ゴルフも例外ではなく試合数が激減してしまった。今年は仕方がないのかなと諦めていたら、やっと遅ればせながらステップアップツアーが始まってくれたのだ。そしたら、あっという間に今週のフンドーキンレディースで、はや7試合目である。私ぐらい歳を取ると、日の経つのが早くてかなわない。まあそれはおくとして、ステップアップ・ツアーも今年は特に「今まで未知数だった若手」の活躍が目立ってきた。特に韓国のリ・ハナは凄い。何しろショットの精度が、他の選手とは段違いだと私は思う。これは来年レギュラーに行って大活躍するな、と感じた逸材である。とにかくスイングがスムーズで一切乱れない。完璧とはこういうスイングを言う言葉だと思った。

植竹希望とのプレーオフを制したのはリ・ハナ。毎回ティーショットをバンカー横の狭いフェアウエイに狙い撃ちして来る正確性は、群を抜いている(バンカーにも入れているが、それでもめげずにバンカー横を狙ってきた)。4ホールめのティーショットはバンカー横のラフから1mという場所で、そこからピン下2mにつけてバーディー、見事な優勝だった。植竹との差は、ショットの精度だろうか。また一人強い選手がやってきた。ステップアップの選手は試合経験を積んで、その中でも力のある選手がレギュラーツアーに上がってくる。その意味では「これから伸びてくる」選手を見極める格好の場である。そこで私の注目している選手を紹介したい。選ぶ基準は「見た目と素材の伸びしろ」である。なお、シードは取ってないがレギュラー主体に活躍している選手は、今回は残念ながら割愛した。

1、植竹希望
今回惜しくも負けてしまったが、パーオン率100%というアイアンの精度で「ぐんぐん」のし上がって来た。しかもアイアンが良くなったのは「ここ1、2年」だそうだ。トップからクラブが下に落ちて、ややシャローに見える独特のスイングが特徴である。ガタイが大きいので、それだけでも迫力があるが、飛ばしという点では「天性の飛ばし屋」ではない。どちらかと言えば、正確なショットでスコアを作るタイプだ。彼女、見てくれは全然可愛くないが、愛嬌はある。とにかく実力で上に来るところが、またいい。ステップアップツアーも近々卒業して、来年は早いうちからレギュラーツアーを主戦場とするのではないか。但し、リ・ハナの方が一枚も2枚も上手であったのは間違いないが。

2、山路晶
飛距離が武器の新人である。多くの飛ばし屋に見られる欠点を彼女も持っているわけだが、ドライバーはグリーン近くまで飛ばしているのに「パターは先に打つ」のだ。「何で?」である。なんとも歯がゆい。折角飛距離が有るのに・・と思いがちだが、「ショットの精度でプロになっている選手」は山程いる。山路くらいの精度ではプロにはなれなかったのに、何とか「飛距離で」プロになれたと思えば逆に納得はする。最終的には「精度と飛距離を両方持っている人」がプロで活躍できるのだ。アメリカPGAツアーでも、340ヤードのデシャンボーもいれば290ヤードのコリン・モリカワだっている。どちらかと言えば「パターの上手い人」が勝つとも言えるが、見ている方は「飛ばし屋」に人気が集まるようだ。山路も今のうちは「スゲェ飛ばすじゃん!」と褒められていい気分かも知れないが、これから精進して「アプローチとパター」を死にものぐるいで練習しないと、簡単に置いていかれてしまうのがプロの世界である。まだまだレギュラーへの道は遠い。

3、木下彩
去年、爆発的なスコアで「私のお気に入り」ハン・スンジを破って優勝した若手選手である。性格はサバサバした体育会系のようだが、見た目も「部活やってる女子高校生」みたいで、生活の切迫感がまだない。試合はアグレッシブで「攻撃的なゴルフ」をするので浮き沈みが激しいが、今回のフンドーキンレディースは2オーバーで26位Tだった。彼女の実力では、もう2、3枚皮が剥けないと上に行くのは難しい。それにはショットの練習だけでなく、コースマネジメントもしっかり出来るようにならないと難しいだろう。いいコーチに巡り会えるかどうか、というのも大事である。といってもアニメ・キャラの彼女の魅力は「飄々としてる」とこなのだが。

4、川崎志穂
ドライバーを「飛ばす」という点だけは凄いなと思うが、それ以外では全然並以下の選手である。試合でも毎回予選落ちのようだ(レギュラーのアースモンダミンでは58位タイ、今回のフンドーキンレディースでは40位タイだ)。ただテレビの三觜プロの番組の提供が「ミツウロコ」だったので、何となく親近感があるだけなのである。早くレギュラーで活躍を、というのが所属先皆んなの願いだそうだが、どうも叶えられそうもない。ちなみにミツウロコは今年、セキ・ユウティンをサポートした。川崎も崖っ淵で後がない。まあ本人は真剣なんだろうが、成績がついていかないのは才能がないんだと思う(ドライなようだが・・)。ドライバーはインパクトが「バシイッ」と凄い音がして、他の女子とはレベルが違うのだが、「その先が全然」では勝てないかもね。私の希望としては、せめてもう少しテレビに映らないかな、っと思っている。

5、幡野夏生
彼女も三觜先生の番組で知った選手である。まだプロテストには受かっていないと思う(韓国ツアーライセンスは持っているようである)。おちゃらけポーズで目立っている選手のようだが、本当は意外と真面目な所があるようにも思った。まあこのような「まだプロではない」選手が一杯出てくるのが、テレビの「サバイバル」である。確か彼女も1回くらい出たような記憶がある。ステップアップツアーにも出られない「半分プロ」みたいな宙ぶらりんの選手にもスポットを当てる番組で、そこからスターが生まれる「かも」、というのが売りである。今レギュラーで戦っているセキ・ユウティンも、サバイバル出身者だと聞けば「なるほどねぇ」と思えるかも。

番外編:藤田光里と香妻琴乃
元はレギュラーで華やかにプレーをしていた二人である。藤田は怪我、香妻は多分病気じゃないかと思う。復調はして来ているようだが、まだレギュラーで活躍するには至ってない。今回のフンドーキンレディースでも予選落ちしてしまった。何だか淋しいような気がするが、プロの世界は弱ければ誰も構ってはくれない。過去の栄光を忘れろと言っても難しいだろうし、もう一度頑張るしか無いのであろう。その気持が「いつプツンと切れるか」が心配である。

以上、私の注目選手でした。その他にも毎年新しく力のある若手が続々と出てくる。ステップアップツアーは今や「レギュラーで予選落ちの選手」と実力的には殆ど変わりがないところまでレベルが上っているのだ。ちょっと前では考えられないくらい、バーディー合戦も出てハイスコアが続出している状況である。まさに火花が散る名勝負が見られてもおかしくないのだ。今回は、リ・ハナと植竹希望のプレーオフだった。ステップアップも戦国時代、ますます面白くなっているのだ。

ところが一握りのトップを目指して激しく争っているグループがある一方で、力が及ばず底辺で藻掻いているグループもある。一時はレギュラーを牽引する選手の一人だった原江里菜も、無念のシード落ち以後、引退せずに何とか頑張っているのである。自信満々に戦っている上位陣の中で、こういう複雑なものを心に秘めて参加している選手もいる、というところがステップアップツアーの「闇」なのかなぁ、と考えさせられる部分だ。

ところで、その年のプロテスト合格者のみで争われる「加賀電子カップ」という試合がある(今年は2019年合格者で開催されるそうだ)。明日を夢見る新人選手のみが、一同に揃って人生1回きりの勝負をする大会である。今年は12月10日ー11日の日程で行われるらしい。皆んな和気あいあいと、楽しい雰囲気で集合写真に収まっているが、選手はこの試合を境にして「レギュラーとステップ」という二股路に分かれるのだ。この先は、実力だけが物を言う「厳しい現実」が選手を待っている。一旦下部ツアーに席を置いてはいるが彼女等も意地を見せて、是非ともレギュラーツアーで暴れてもらいたい。

以前、三觜先生のテレビ番組「 The Golf 」でゲストに出ていた今綾奈プロ、まだプロテストに合格していなかったと思うがどうしてるかな。彼女も気になっている選手の一人だ。私は彼女がプロテストに合格し、ツアーで活躍するのを「テレビで見たい」と待ち望んでいる一人である。


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