明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

香港デモの結末

2019-11-22 15:56:44 | ニュース
香港は一応中国である。厳密には中華人民共和国香港特別行政区というのだそうだ。1839年ー1842年の阿片戦争で大英帝国の植民地になり、太平天国の乱・義和団事件・辛亥革命・日中戦争などの戦乱による難民や共産主義体制を嫌って流れ込んだ人々が大半を占めるという(情報はWikipediaです)。やっぱり、元々がイギリス流資本主義を気に入っている人達の国なのである。そうならばイギリスは香港を返還ではなく「独立させる」べきであったし、それが出来なければ政治的に近い国民党の台湾に返還すべきだった。なのにあろうことか、共産主義の中華人民共和国に返してしまった、と言うのが騒動の根本的遠因である。これはイギリスが現在の世界中の紛争地域の原因を意図的に作った手法で、植民地を開放する時に主義主張の対立する集団を一緒にするという「禍根を残すやり方」である(私のネジ曲がった解釈)。香港も一国二制度とやらで何とか折り合いをつけてやっては来たが、結局火種は残っていて解決はしていない。まあ、香港が大きく成長したのはイギリスの植民地としてヨーロッパ経済の中に組み込まれたからであるから、元々地域的に産業があるわけではなかった。だから中国の共産主義体制を嫌って香港を離れる人も多いわけで、歴史的に見れば、学生たちがデモで主張しているほどには「明確な正当性」が無いとも言える。中国本土の人間が最も嫌う「体制批判」を、香港社会が「機能不全」になってまでも過激なデモを続けるわけだから、彼等にとって一番大切な「市民の後押し」を失ってしまうのは当然である。何れは旧全学連のように、政府に押し潰されてしまうだろうと思う。学生は市民の声を代表する「自由選挙」を求めているのだと思うが、信奉する社会体制そのものが中国と香港で「それほど違うわけではない」のである。根本的に国の体制をどうするかという問題を云々するには、彼等は余りに経験不足だと私は思う。デモに参加していた者はその事に早く気が付いて、「体制の中でどう生きるか」に邁進したほうが良いのではないだろうか。共産主義は悪で、資本主義が善だ、という簡単なものでは、今は無くなっていると思う。このデモは「英米軍産諜報」による隠然たる扇動である、という「中国潰しの陰謀論」も無しとはしないが、その辺りは決して「真実が暴かれることはない」だろうから分からない、としておこう。結局デモが収束するにつれて香港の金融街はその機能を徐々に本土に奪われていき、より「中国色が強く」なって香港らしさを失くしていくんじゃないだろうか。近くに深センという中国の一大工業都市があるが、こことタッグを組んで「より柔軟な形」で中国経済に呑み込まれていくのではないか。私はデモの映像を見ながら、そんな風に考えている。

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