今日はブリヂストンレディースの決勝をレポート。大雨で36ホールの短縮競技となったが、なんと稲見萌寧が「13バーディー」のツアー新記録で、既にダントツの一位となっている。これで今週は稲見で決まりだ!、となりそうなのだが「そうはイカの〇〇」である。いくら技術が優れてると言っても、一日で13バーディは出来過ぎだろう。とにかくパターがポコポコ入ったらしいが、果たして今日はどうなるのか。このブログがアップされる頃には優勝の行方も分かっていると思うので、それとは別の事を書こうと思います。
1、福田真未
黄金世代が登場したばっかりの頃は人気の点でも割とツアーの中心という雰囲気もあったが、彼女も今年でプロ11年目だという。テレビを見ても30歳を過ぎた選手がちらほらとしか映らない現状を考えれば、まだ「雰囲気がある」福田などは貴重な存在である。20歳前後の若い世代が席巻するツアー界にあって、彼女のような中堅選手は今後どういう意識でプレーを続ければ良いのか。悩む所だ。実力的には賞金獲得額35位でシードは取らなきゃいけないが、さらに言えば「何か際立った個性」をひとつ持つことが求められるにじゃないだろうか。芸人で言えば、確実に笑わせてくれる「IKKOのどんだけ〜」みたいな受けネタを持っても良い。まあアスリートだからネタを考えるというのは本意ではないと思うが、何か「ゴルフ以外で絶大な人気が出る」というのが理想である。可愛いだけの若手に負けない「得意技」をひとつでも持っていれば、例え40になっても息の長い愛される選手として頑張れると思うのだが。それには技術もさることながら、何と言っても「体力」がなければならない。今の黄金世代の選手たちは、30過ぎてもアスリートとしての体力を維持しているのであろうか。本当に試されるのは「これからの10年」である。
2、稲見萌寧
なかなか13バーディーなんてゴルフは、一生のうちでも滅多にない快挙だと思う。年間10勝もするような不動裕理のような絶対王者でも、その他の選手とそれ程技術が違っているわけではないだろう。目標に対しての精度が数メートル近いというだけである。勿論プロの世界では「それが途轍も無く大きな差」であるのは、私と言えども分からないわけじゃない。多分、インパクトの精度が恐ろしく高いのだと思う。その点、今の上位陣で頑張っている選手達は皆、飛距離もそこそこ出るが何より「インパクトの正確性」でスコアを作ってきている感が半端ない。実際、球は飛ぶけど行き先はどうなるか分からない、という選手は結局上位には残れなくてテレビにも映らない。やはり打つだけではダメで、「正確に打つ」というのが大事。ところで大記録を達成した稲見萌寧だが、バーディを取っても「ニコリ」ともせずに淡々とプレーを続けていたのが気になった。やっぱこんだけ凄いゲームをした時は、思いっきり「このツキを楽しもう」って感じでラッキー感を出してくれると、我々祝福する側でも盛り上がってワイワイ出来ると思うのだが。滅多にない事だけに残念である。今、ツアーを一人で引っ張る看板選手になった稲見だが、今ひとつ人気が盛り上がらないのはそういう性格もあるのじゃないだろうか。そこへいくと今アメリカツアーで頑張っている渋野日向子なんか「スマイル・シンデレラ」と称号を付けられるほどの人気があった。特にスポーツ選手は人気稼業だけに「口角を上げる」のが大切と知るべし。昔は「歯を見せるんじゃない!」などと意味不明の叱責をお叱りをくらったものだが、今は「笑顔」が人を幸せにする特効薬だとわかってきている。稲見萌寧もそろそろトッププレイヤーとしての自覚を持って、「笑顔を磨く」時が来たのかも。
3、堀琴音
これらは「プンプンお怒りモードが売り」の琴音姉さんだ。一時は不調に喘いで表情も暗くなっていたが、最近ゴルフの調子が良いらしくてちょくちょく笑顔が出るようになり、持ち前の「女王様」の雰囲気が戻ってきた(本人はそのつもりはないだろうが)。持球をドローからフェードに変えてショットが安定したらしいが、原英莉花もドローからフェードに変えて成績が安定した口である。彼女は成績も良くなっているが、何と言っても「ファッションがオシャレ」で見ていて楽しい。この点で、私の推しメン「三ヶ島かな」の女性らしい柔らかなライン重視のドレス感覚と通じるものがあって、ゴルフにもベストドレッサー賞があったら迷わずトップスリーに挙げるのは間違いない。今日は一緒に回っていたのがぺ・ソンウと山城奈々で、そもそも二人とも「見てくれ無視」のゴリラ軍団という逆ハンデはあるものの、淡いグレーのワンピースを優雅に着こなして「既に勝負あり」の感があるのは心地よい。やっぱ女子ゴルフの醍醐味はプレーもさることながら、ウエア勝負というのもあるよねぇ〜。
4、古江彩佳・西村優奈・安田佑香
言わずと知れた「ジャパン」のメンバーである。思えば岡本綾子が米ツアーで賞金女王を取り、不動裕理が6年連続で「不動の」賞金女王に君臨した時代からジワジワと女子ツアーも人気が出てきて、「藍ちゃん」こと宮里藍の世界ナンバーワンでほぼ日本のプロスポーツ界の頂点に立ったと言える。その後は続々と途切れることなく魅力ある新人が出てきて、横峯さくら・森田理香子などが大活躍していた。そしてこの数年はアンソンジュとイボミに鈴木愛が2回ずつ取って、やや上位陣が変わらない「マンネリな感じ」になっていたのである。それが2020年から中身が一変して、ツアーの主役が急激に若手にシフトするようになり、今や稲見萌寧・大里桃子・西村優奈の独壇場になりつつある。ちょっと前までは韓国勢が2回に1回は勝っていたのが、コロナ禍で入国が制限されているのも手伝って、日本勢が毎回のように優勝争いをして「見ていて楽しい」ツアーになっている(こうでなきゃあ、いかんよねぇ)。全英オープン優勝の渋野日向子も去年大活躍した原英莉花も、はたまた今年2勝している小祝さくらさえも「やや存在が霞んだようになっている」から、恐ろしく変動が激しい世界である。そんな中で、この三人はジャパンの外人コーチから徹底して「マネジメント」を鍛えられているという。技術もありアスリートとしての強化も怠らずメンタルも微動だにせず、なおかつ「マネジメント能力に長けている」というのは最強ではないだろうか。この徹底した「教育・指導」というのがこれからのゴルフ界でも「最重要課題」になってくるんじゃないか、私は彼女達を見ていてそんな気がしている。要するに私の思うに彼女達は、間違いなく「プロフェッショナル」である、ということだ。
5、鈴木愛
一昨年の賞金女王が、ようやく戻ってきたかなという感じ。彼女が活躍しなけりゃツアーが面白くない。余談だが私が考えるに「パッティングは背が低いほうが入る」という説がある(お分かりだろうが、私の説である)。全体的にイマイチという彼女だが、一番自信を持っている筈のパット数ランキングでもまだ一位は取れていない。パーオンホールでのパット数で一位の古江彩佳、二位の笹生優花、三位の稲見萌寧、四位の勝みなみ、五位の西村優奈、とパター巧者が名を連ねている中、鈴木愛は小祝さくらに続く七位である。これがダントツの一位に返り咲く時が来たらその時は、再び鈴木愛の賞金女王も有り得るかもね。
6、意外に活躍した選手達
① 青木瀬令奈:ちょっと低迷した感のあるここシーズンだったが、今日は何と7アンダーノーボギーと爆発した。〇〇委員長とかいう役職についていて何かと用事が多く不調に陥ったんではないかと心配するが、ようやくここに来て復調して来てくれた。65は今日のベストスコアじゃないかと思うが、久し振りに笑顔が戻った良いゲームであった。ちょっと大人の雰囲気も備わって来て、ツアーの顔としての余裕も感じられる。ただ、もうちょっと飛距離があったら・・・と惜しい気もするが、今は「ないものねだり」はよしておこう。彼女の言うように、今年シード権を取れたら御の字である。
② 野澤真央:アスリートとしての潜在能力はツアー界でもトップクラスだと思うが、何せゴルフは筋肉よりも「技術」だというのが辛い(我々アマチュアに取ってはそれが嬉しいのだが)。それが段々と小技なども覚えてきて、上位に顔を出すようになってきた。私は彼女がステップアップツアーで頑張っている頃から見ているが、やっとレギュラーで戦えるスタートラインに立ったな、という感じである。これからの活躍が期待される一人だ。
③ 三ヶ島かな:久々に9位Tのフィニッシュである。まあ、これではテレビにはなかなか映らないが、応援している私としては上出来の試合である。優勝できないと言うのは何が欠けているのかというと、ドライバーの飛距離とアイアンの精度とそれにパターがスコスコ入れば・・・ていうか、それって全部じゃん!。まあシード圏内をキープしていれば良しとしよう。そうこうしている間には、たまには本人もビックリするぐらい出来過ぎの日が来るかもしれない。要はそうなった時に慌てず「舞い上がったりしない事」である。私も今振り返って考えると、奇跡的にハーフ41を出した時にはハーフ終了近くには「ここをパーに収めれば云々」と、計算に余念がなかったように思う。なんでも初めての時には、どうしても平常心ではいられないものである。三ヶ島かな選手にもそんな日がいつか来ることを祈って応援したい。
PS:稲見萌寧が15アンダーで優勝!。分かっていた事だが、やっぱりドラマは起きなかった。まあ今回は稲見の圧勝で幕を下ろした(今回も、と言うべきか)。全ては来週、新しいスターが出てくるのを期待しよう!
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