明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

日本酒の探求

2018-03-25 19:30:00 | 生命・健康・医療
日本酒の味を探求して◯◯年、年と共に好みも変化してきたが、病気のせいかそれとも年のせいかアルコールが弱くなって量が飲めなくなってきた。金はあるが量が飲めない、いきおい高級路線に走るのは仕方がないのだ。以来私は日本酒は「1300円前後」のものを標準にしている。私の友人たちは大量に飲むので、自然と紙パックの「コスパ高い系」になっちゃうようである、やはり金はあったほうが良い。それで今日は、最近私の飲んだ酒を紹介しよう。

1 前にコンビニで買った東光の甘口が感動レベルの旨さだったので、甘口つながりで兵庫西宮の銘酒大関「極上の甘口」をチョイス。しかしこれは期待はずれのレベル、甘いだけで「酒らしさが感じられない」デザート系のソフトドリンクだった。まあ色々と酒を飲んでいると、中には「コンセプトが間違っている」と思えるものにぶつかる時がある。甘口と言っても「甘いだけ」では酒じゃない、という見本である。4号瓶だったので「4日は我慢して」飲まなくてはいけない。美味しくない酒を我慢して飲むことほど辛いことはないのだ。酒は吟味して買うべし!

2 次は石川県加賀は鹿野酒造「常きげん 山廃仕込み 純米酒」である。柏のビックカメラ酒売り場にはいつも何種類か置いてある。今回は甘口に懲りたので「山廃」を攻めてみるつもりでチョイス。山廃とは「山卸=櫂入れ作業」を「廃止」した製法の略で、酒造りに不可欠な乳酸を「自然の乳酸を利用」する方法で作る古式製法らしい。山吹色が特徴だ。まあ味とは直接関係はないと思うが、最新テクノロジーを駆使して作り上げた「獺祭」のようなものもあれば、未だに古式に則って「2、3倍の手間暇をかけて」作っている酒もある。だが大変な苦労をかけても「肝心の味が悪ければ」酒としてはダメなのだから、山廃を採用するにはそれなりの覚悟がいるとおもうのだが。というわけで「常きげん」はどうかというと、ラベルにかいてある「コシの強い、キレのある」味はそれなりに感じられた。が、どうも私の舌にはピンとこない。体調もあるだろうが、味は「普通」である。2、3倍手間暇かければ「価格も2、3倍」となるのが普通だから、価格が1200円位なら「本来は4、500円」の値段なわけで「大したものじゃない」のかも知れない。

3 いつも行く柏のマミーマートで何か珍しい酒を買おうと思って、姫路ヤエガキ酒造の「八重垣 特別純米 山田錦」をチョイス。コンテスト金賞受賞だかなんだかで首に宣伝ビラがくっついていた。濃淳重厚などっしりとした味わいで、まだまだ知らない良い酒があるのだな、と実感させられた。瓶も真っ黒の不透明な瓶で「なんとなく上物」感が漂っている。特別な説明が無い所が「自信の表れ」とも取れる。まあ何にしても、真っ黒の瓶に濃いグレーのラベルに銀色の明朝体で「八重垣」とだけ書いてあるのが心惹かれた。味も私の好みに近い。これは一応「愛飲酒」候補に取っておこう。だが、後味がややキレがない。甘みも少しどんよりした感じである。全体的に「主張がボヤケている」気がしないでもないのだ。酒は難しい。やはりキリリとした辛口のスッキリ感は、現代の酒には不可欠な要素である。だが辛いだけの酒ではつまらない、酸味も少々ないと「味が単純になって」しまう。結局旨味も過ぎると「しつこい」と感じたりするので難しいのだ。すべては「バランス」である。

4 口直しに軽い300mlクラスの酒で「暖かくなった春の宵」を楽しむ事にした。兵庫西宮は日本盛の「日本盛 生原酒 純米吟醸」、新潟新発田は菊水の「菊水 純米吟醸」、石川金沢は福光屋「加賀纏 純米大吟醸」と立て続けに飲む。いずれも飲みなれている銘酒ばかりのポケットタイプだ。こういう酒は初めて飲む「どんな味かというドキドキ感はない」ものの、安心して呑めるのでその代わりに特にツマミを少々凝ってみる。普段はダイエットも考えて乾き物で済ませるのだが、今回は日本盛に「マミーマートで1200円の本マグロお造り」を合わせた。ゴルフの練習帰りの午後4時に「造りたて」を買ってきて、録画しておいた「エレメンタリー ホームズ 4」を楽しんだ。いい感じである。次の日は菊水で「マミーマートの天婦羅盛り合わせ 850円」を奮発、添え物の「グリル3種 598円」でフランクとエビと厚切りハムを楽しむという「豪華カロリー祭り」である。たまにはダイエットも忘れて「バクバク食べたくなる時が人間にはある」のだ(と言うのは私の勝手な言い訳)。残念なことに「止めてくれる愛妻」が私にはいないので、食べようと思えば「いつでも」食べられる。だから私の自制心には半端ない努力が必要なのだ。しかし今夜は忘れよう、別にお祝いする何かがあったわけじゃないが「まあいいじゃないの」楽しければ、である。最後の週末は定番の福光屋で締めてみた。なんか外は花粉が「派手に舞っていて」コノヤローと思うのだが、自然には勝てず如何ともし難い。それで今夜のつまみは「しっとりとニシン昆布巻き」に爽やかな冷奴と冷凍洋野菜のシーザーサラダ、それに「三陸産の野沢菜わかめ ごま風味」を合わせてみた。ちょっと「コンビニのあたりめ」を炙って飲む加賀纏は、さすがに越後の酒で「口に含むとズシッ」と来る。味は辛口でキレがあり、「酒を飲んでいるという存在感」が堪らない。やはりこういうのを酒というんだな、と感心した。私の友人のN・S氏などは、越後の酒はどうも性に合わないようで「もっぱら東北の酒」を愛しているらしいが、私はそこまでは「酒を知り尽くしている」わけではないので、飲む度に「これもいい、あれも良かった」となって、未だに愛飲の酒が決められずにいる。いかんせん、日本に酒蔵は1000以上あって、その酒蔵から「さらに何種類か酒が出ている」わけであるから、「全部を知るには遅すぎる」年齢なのだ。しょうがない、とりあえずこれからは少し「西日本の酒蔵」を攻めていこうかな、というのが今年のテーマでもある。

5 久々に気合を入れて、神戸灘は菊正宗から「菊正宗 生酛 大吟醸」をチョイス。なんでも「生酛」というのは伝承の技術で、酒母酵母を4週間かけて手作業で作るのだそうだ。全国1000以上ある酒蔵でも菊正宗以外には数蔵しかやってない貴重な製法だという。どんなもんかなと試しに飲んでみた。大吟醸だからなのか生酛だからなのか分からなかったが、まあまあ美味い方だろう。しかし特別惚れ込むというほどじゃないから「生酛」で作った意味は「それ程無い」とも言える。菊正宗は紙パックでも大量販売してるから「わざわざ生酛なんか作らなくても」と思ったが、何かのこだわりがあるのだろう。安かろう悪かろうばかりの酒蔵では無い、ということなのだろうが、生酛担当の職人と紙パック担当の職人は「同じ」なんだろうか?と疑問が湧いてきた。同じだとすると「生酛を作るこだわり」は紙パック作りには邪魔だろうし、別の人だとすると「生酛担当には変な優越感が生まれるが、売上は紙パックのほうが断然多い」というジレンマが社内で起こってしまう。痛し痒しである。多分全体の売上があって「生酛のような手間ひまかけた酒造り」が出来るのだろうが、それにしても「パフォーマンスが悪い」のじゃないだろうか。シャンパンのように「特別な製法」としてブランドになればそれなりに評価されるのだが、結果に表れない技術というのは「イマイチ生産性に乏しい」と思われてもしょうがない。熟成酒などもその手の「個性」の主張なんだろうけど、やはり酒は「美味い!」と心から言える酒が一番なんじゃないかな。

6 今度は、私の第二の故郷大分は国東から萱島酒造「西の関 手造り純米」である。もともと機械で製造する部分が少ない酒造りで「手造り」というのもなんだかなぁと思っているので、もしかしたら50%に精米するところから「手でやっている」んじゃないだろうか、などと想像してみるが、本当のところは分からない。ただ紙漉き技術の和紙みたいに「手造りが独特の風合いを生む」のでなければ、手造りだろうが機械づくりだろうが「味が良ければ」それでいい、というのが私のスタンスである。ビートルズの「愛こそはすべて」ではないが、酒は「味が全て」である。で、西の関はどうかというと、東の「キレ味すっきり辛口」が全盛なのに比べて、「独特のトロッとした味のほんわかまったり感」が特徴である。味は濃淳系だが「酒を味わっている満足感」にやや欠けるかな。辛口系が続いた後などに口直しに飲むような「テイストを変える」役割なら面白い。だがずっと愛飲するというには「存在感」が薄いようである。萱島酒造にはもっと酒の種類がある筈なので、もしかしたら「とんでもなく旨い酒がある」かも知れない。多分もっと高い5000円とかするような極上酒なら、また別の世界が広がっているのだろうが、私は残念ながら「そんなに酒にのめり込んで」はいないので、ある意味で「未知の世界」のことと観念しいる。その未知の世界を探検する気ならそれもいいだろうが(道を極めるというのは何でもそうだが)、私はそれ程興味が沸かないのだ。普通で行こう、普通で。

7 こんな感じで酒の道をフラフラ探訪している私だが、今日柏駅の東口のスーパー「マルエツ」に置いてある、島根県松江市の李白酒造「李白 特別純米」をチョイスした。久しぶりに出逢った「本物の酒」である。甘みも酸味も口に含んだ重量感もしっかりと感じられ、それでいて喉ごしのスッキリとした爽快感は「幾らでも飲める座右の酒」そのものである。大観先生愛飲の酒「酔心」を好んで飲んでいた時期があったが、私はこの李白を「愛飲の酒」と定めよう。世に美味い酒は数知れずあるだろうが、私だけの愛飲の酒を見つけられて幸せである。李白、いーいお酒です。





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