明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

イヤホンの音はイヤーパッドで決まる!

2020-12-07 19:30:12 | 科学・デジタル

実は少し前に SHURE の左右独立型ワイヤレス・アダプターと AONIC 5を買って、念願のワイヤレス生活を始めたのだが、イマイチ音が籠って聞こえて、どうにも気持ち良くない。元々持っている SRH1540 で聞くと、流石に完璧な音が鳴る。まるでミュージシャンが考えた「最高の音」を聞いている、という実感が得られた。こんな音が欲しいのだが、買ったばかりの SHURE のワイヤレスでは、か細い痩せた低音とやたらに軽く透明な高音しか響かないのである。これはまずい!。

試しにワイヤレスから元のワイヤードに戻すと、流石に AONIC 5である。それなりに引き締まった低音に豊かな中音域と輝くばかりの高音が出た。やはりワイヤレスはダメだったか、とガッカリしたが、まあ良い。家ではヘッドホンにして最高の音を聴き、出かける時は AONIC 5を使うことにすれば「それなりに楽しめる」と思ってしばらくそのまま使っていた。ところがイヤーパッドが合わないのか、しばらく使っていると緩んできて外れてきてしまう。緩くなれば、押し込めばまた元通りにはなるのだが、どうも今一の装着感である。耳には SHURE 掛けで装着しているから取れはしないが、外れるということは耳穴にキッチリと嵌っていないから、音がスカスカと漏れて「音楽にならない」のだ。これでは高い金を払った甲斐がない。

そこで COMPLY のイヤーパッドを BIC カメラで買ってきて、取っ替え引っ替え試してみた。形はずんぐり丸型で、SHURE のもともと付いている長目のタイプではないので、装着するとノズルが少し余る。日本人というかアジア人用のタイプを買ったのだが SHURE の作りから見ると西洋人は耳穴が「深い」のかもしれない。ようやくキチンと嵌るタイプの大きさを見つけて耳にはめ込み、聞いてみた。なんと耳にピッタリと合うイヤーパッドは単に外れにくいだけでなく、音質をガラリと変えて「別物のように」聞こえるではないか。これこそ SHURE だ!、最高の音だ!

結論:手持ちのイヤホンの音質に疑問を感じたら、イヤーパッドを変えてみよう!

私はイヤーパッドだけでなく、SHURE の耳掛け式ワイヤーの形状も色々工夫して、最適の形に曲げて使用している。工夫次第で音質が変わるから、1日かけても「自分の最適解」を見つけるべきである。良い音の見分け方は、テレビの「4K・8K画質」と同じく、近くの果物も遠くの木々の葉も同じように「クッキリハッキリ見える」のが良い音だ。この「音の分解能」は音量とは関係なく、例えば視力が弱い人は「ぼやけて見える」のと同じように、分解能が低いスピーカーは「音がモヤっと聞こえる」のである。これは音を大きくしても変わらない「音質」の問題だ。良いイヤホンで聴くと4K・8Kテレビ(実際は8K放送はまだされてないが)のように、楽器の一つ一つがクリアーに独立して聞こえ、それぞれ別個の存在のまま、全体が渾然一体の音楽になって聴こえてくる。もちろん音の質感や、響きの立ち上がりから減衰までの手触りといった細かい部分までが、まさに手に取るように聴こえてくるのだ。

音楽はチャカチャカ踊って大音量でグワングワンさせてれば、ノリと雰囲気で行けちゃうってもんじゃなくて、細かい音の「それぞれの音像を聞き取って味わうこと」が楽しいのだと言える。ドラムの叩き方ひとつをとってみても、10人のドラマーは10種類の違った音がする(筈である)。単にリズムが正しく刻めて、打音の入れ方にセンスがあるというだけでなく、そのドラマーの「叩いた音の質」を聞き分けて、さらに味わうことができるくらいに「繊細な分解能」を持った耳が欲しい。その第一歩が、イヤーパッドの交換である。これを変えることで「音楽が変わる」と断言できる。

ちなみにイヤーパッドは今回 COMPLY を買ったが、オーディオショップに行けば沢山のメーカーのものが出ているので、根気よく「自分の耳にぴったり」のものを探し出すことが大事だと思う。それには買って失敗することもあるだろうが、音楽をトコトン極めたければ、そのくらいの努力は惜しむべきではない。限界ギリギリの、唸るように地を這うベースの「しわぶき」を聴いて、是非とも音楽に酔いしれてみてください。


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