フィールドワーク通信

広島を拠点にフィールドワーク。カンボジア、インドネシア、市民まちづくり

ウブドの今0825

2006-01-22 21:44:54 | インドネシア通信
 今日は、休みの日にした。

 アピアピには今日から山口の秋本さんがやってくるため、我々は別の宿に移ることにした。マデさんが管理しているもう一つの別荘があるというので、そこへ移った。アメリカ人建築家が所有しているもので年に一度程度しか利用しないという。2階建てで、1階はキッチンとリビング、広いテラス、寝室は2階に2室とられている。階段が家の中心を分断し、そのことで1階部分リビングとダイニングに区切られるわけであるが、2階の部屋割りに無理が生じ、ベッドが適切に入れられていない。1階のリビングも少し小さく感じるため、4人では利用しにくい。

 快適なのは、テラス空間である。内部で過ごすのは寝るときぐらいで、あとはずっとテラスで我々は過ごしている。4m弱の奥行きでL字型をしており、リビングやダイニングから直接出られるようになっている。そこにテーブルをおいて椅子を出し、夜風に吹かれながらビールを飲んでいる。私はいまテラスに直接腰をおろし、かためのクッションをテーブルにして、文章を打っている。床の白いタイルがひんやりと冷たく気持ちがいい。テラスには3箇所、天井にファンがついていて風が流れるようになっている。アピアピもそうだが、クーラーを設置せずに、広いテラスを設けることで外部と内部との距離をとり、天井ファンで風の流れをつくることで、暑さに対応している。

 結局、この別荘で昼ごろまですごした。午後ウブドのまちに出ることにした。昼食後まちを歩いた。インターネットカフェで2時間近くをすごした。カンボジアのスケジュールのつめや参加のまちづくり事例集の打ち合わせなどをしながら、尾道を旅行中の平さんとメールのやりとりを行った。2時間の間に3度ほどやりとりをしたように思う。尾道とウブドでほぼリアルタイムにメールのやり取りができるなんて、世界も狭くなったもんだと思う。

 その後、ウブドのまちを歩いた。今回のねらいの一つに、バリの都市構成の原理を明らかにするというのがある。ロンボクのチャクラヌガラで、バリ人都市の構成を明らかにしたが、バリ本土の都市については概要しか触れられなかった。一本のみち沿いにナワサンガの原理にしたがい、3つの寺の配置や中心の十字路周辺の王宮やアルンアルンの構成が知られるが、住宅地の具体的な構成についてはあまり知られていない。我々にとって身近なまちウブドで、住宅地の集合の仕方について調査すると面白いんじゃないかと思いながら、まちを歩いた。

 明確な感触は得られなかった。ウブドは他の町と同様、中心を走る1本のみち沿いにまちが形成されており、横の広がりをあまり感じさせない。つまり基本的にみち沿いに形成された街村の形状で、住宅地の集合の仕方がシンプルではないかと感じた。とはいえ、うろうろしているうちに、もう1本南北を走るみちの存在に気づいた。またそれら2本のみちをつなぐ東西の細い路地の存在も気になった。

 夜には、王宮で開催されたレゴンダンスを見に行った。王宮の南西角の一画で開催されたが、観客席からレゴンや踊り手たちが出てくる割れ門を見上げながら、これは山だなあ、とぼんやりと思った。山の中から神々が湧き出づるようだと思った。昨年みたヌガラのジュゴクとはまったく異なり、きらびやかな衣装や迫力ある姿かたちに魅了された。ジャワの王宮文化がバリに流れて花開いたものだと再確認した。

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