フィールドワーク通信

広島を拠点にフィールドワーク。カンボジア、インドネシア、市民まちづくり

新建築3月号2006表紙

2006-06-07 11:12:41 | 研究室通信
新建築の2006年3月号の表紙だった。

安佐南区にあるレストラン等の複合施設である。
昼ごはんをそこのイタリアレストランで食べた。

60~70名程度の人数が入る一室空間で食事をとる。柱は、入り口そばの1本だけである。奥の庭、手前のテラスで外部を感じながらも、室内は暗く、照明が印象的だ。

とにかく、食事がおいしい。昼のセットで3000円弱だが、この値段にしては、とても質の高い料理だった。

で、この空間。

小学生や高校生に建築を指導することがある。いわゆるワークショップであるが、その時、我々がつかっているのは、壁でなく、家具で建築を考えるという手法である。

模型をつくる。模型をつくろうとすると、まず壁をつくることを着想してしまう。しかしそれが、建築の可能性を狭めているのではないかという問題意識である。

伊東豊雄氏が、どこかの大学で、家具から構想する課題を出したと聞いたことがある。ネタはそこにある。

それを、キット化し、30名規模の子ども対象のWSで活用したのが我々のオリジナリティといえばオリジナリティだが、ここにも先達はいる。松江時代に親しくしていた、米子高専のタカマス氏だ。

いずれにしても、家具から建築を考えるというアプローチが、建築の幅を拡張していくことは確認済みである。

で、この建築である。

これは、いわば、家具の建築である。大空間はユニバーサルスペースとして存在して、その空間の色づけは家具によって行われている。特徴的なのは照明である。照明と椅子・机によって空間がデザインされている。

が、これはいけない、と感じた。
これは建築ではない。

やはり私は古いのかもしれない、と思うが、建築はもっと自律的なものであり、力強いものであるべきだと思っている。大空間を用意しておいて、家具でどうにでもできるというのは、建築でない。

新建築の表紙である。

この建築家とは、今度、宮島で、いっしょに仕事をすることになるので、その時、こんな話ができればいいな、と思っている。

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