フィールドワーク通信

広島を拠点にフィールドワーク。カンボジア、インドネシア、市民まちづくり

風力発電のプロペラ

2006-06-01 11:27:58 | 研究室通信
風力発電のプロペラはかっこいい。
シンプルな形態、機能と形態の一致、構造物としてのスマートさ。
3年ぐらい前から、島根県で、日本海沿いに風力発電のプロペラを設置するという話が景観問題になっていた。

設置するものの高さが高いから、景観を阻害するんだ、という議論は、くだらんと思って聞いていた。

景観と高さはしばしば関連づけられて議論されるが、高さに集約されるこの議論はつまらんと思っている。高くてもいいデザインのものもあれば、低くてもだめなものもある。

高さはわかりやすい。数値でその是非を判断できる点が魅力だ。しかし、それは議論を単純化し矮小化している。

そういうコンテクストの中で考えるとき、風力発電の美しいプロペラは、規模は大きくとも、認められるべきものだと考えていた。

しかし今日の朝日新聞の写真をみて考えが若干修整された。

それぞれの地域のは大切にすべき風景がある。松江で言えば、町中から望む宍道湖の風景である。その宍道湖の風景は、背景となる山との調和で成立している。

今日の新聞の写真では、その山の稜線から、醜くも風力発電のプロペラがにょきにょきと何本も飛び出ていた。

醜い。

地域の大切にすべき風景を阻害するような構築物は排除されるべきだ。立地の問題が一つのポイント。

それと、配置の仕方だ。
ぱらぱらと点在するプロペラは醜い。数と位置を考えて配置すべきである


写真は、鳥取の大栄町近辺で撮影したものである。9号線から撮ったものだが、海沿いの水平な地形の中に夕日をうけて建つプロペラは美しかった。

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