フィールドワーク通信

広島を拠点にフィールドワーク。カンボジア、インドネシア、市民まちづくり

スラム環境の何が悪い?051228

2006-02-12 16:18:42 | カンボジア通信
WDAティダさん案内によるスラム視察/WDA事務所訪問/環境省の事務次官と面談/ひろしまハウス打ち合わせ/芸術大学建築学科打ち合わせ 翌日はいきなり仕事。学生たちが、すでに予定を手配してくれていたので、それに乗っかって動いた。 朝一はWDA関連の視察である。WDAは、日本語に訳せば女性開発協会だろうか。広島ともつながりのあるNGOである。広島の市民団体がプノンペンに建設をすすめているひろしまハウスの施工業務担当企業を決める際にも、名前が挙がったNGOである。そのつながりもあって今日の視察が実現した。前回の調査では、バサックスラムを訪れたが、それはSVAのサポートによるものだった。なかなか単独でのスラム訪問がしにくいという認識の中、カウンターパートとなるNGOを探していてWDAと出会った。 . . . 本文を読む

ものを与えることの戸惑い その2

2006-02-10 11:05:29 | カンボジア通信
 ものを与えることによって、こちらが上であちらが下になる。そういう意味の現前が不快だ。だが、なぜそう思うんだろうと、あらためて問うてみる。  日本で、友人にプレゼントを贈る。たまたままちを歩いていたら面白げなものがあったので、買って帰って友人に贈る。ここでは上下関係が生まれるとは考えない。それはお互い対等な経済的環境にあることがベースとなっているからだ。  海外で考えてみよう。例えば、アメリカ人にプレゼントを渡すことを想定してみる。やはりそこには上下関係は生まれない。もっと言えば、インドネシアを訪れ研究協力関係にある大学に赴き、そこの教授なりに日本からのお土産を渡したとしても、決して上下関係は生まれない。  経済だけでなく、文化的な要因も考えられる。上記の例は、いずれもこちら側の感覚をもとに議論していて、その場合、やはり経済的な環境が与える影響が大きいと考えられる。  が、例えばインドネシアでよく言われたのは、もてるものがもたざるものにものを与えるのは当たり前だということである。イスラームでいうところの喜捨の概念だと思う。こちら側の感覚としては、わからない。逆に、みじめではないだろうか、とも思う。 . . . 本文を読む

ものを与えることの戸惑い051010

2006-02-06 19:13:33 | カンボジア通信
 初めてカンボジアの地を訪れた昨年、CCホームの栗本さんに1週間案内していただいた。実体的実質的な活動を目指す彼は、セレモニーや飾りに対して批判的な意見を持っていた。私も同感する部分が多かった。だからどうしてもこうしたセレモニーを懐疑的に見てしまう。それだけではない。率直に言うと、ものを与えることに対する戸惑いがある。ものを与えることに付随する様々な意味をどう捉えていくかは重要な問題だ。  今回 . . . 本文を読む

カンボジア学校建設NGO051009

2006-02-04 18:57:58 | カンボジア通信
表彰式/アムダ 窓の風景/小学校/ひろしまハウス/王宮・銀寺/アムダ診療所  昨晩の晩餐にはアムダの塩田さんが同席された。ウエストはアムダと提携してカンボジアに小学校を建設している。塩田さんは在カンボジアアムダ日本人スタッフとして、ずっとカンボジアにおられた方である。  アムダは、岡山に本拠地を置くNGOである。医療救援活動を世界各地で行っている。まだ近代医学の流通していない地域に、医療保健チームを派遣し、ベーシックな医療を浸透させる活動をしている。  ウエストは、社長が岡山出身ということもあって、海外への社会貢献活動はアムダを通じて行っていた。学校建設に関わるにいたった経緯はわからないが、アムダが窓口となって学校建設を行っている。  学校建設を行うNGOには4つのタイプがある。 . . . 本文を読む

子連れでカンボジア、カンボジアでワイン051227

2006-02-03 19:03:17 | カンボジア通信
カンボジアへの家族旅行である。3歳と1歳の子どもを連れての家族旅行だ。もともとの発案は、数年前からあった。子どもの航空料金が大人料金になる前に、海外旅行を一度しておこうという話があった。ちゃんと調べたわけではないが、3歳が区切りになると思っていた。だから3歳までであれば、子どもの航空料金は無料あるいは格安になるであろうと。今回の企画の発端はそんなところからである。もう一端としては、やはり私の新しい . . . 本文を読む

カンボジアのホテル20051009

2006-01-28 09:46:21 | カンボジア通信
出発/ホテル/表彰式/アムダ  ふたたびカンボジアだ。8月30日に帰国したばかりで、まだ1ヶ月ちょいしかたっていないが、縁あってカンボジアの地を再び踏むことになった。今回は、広島に本社を置くリフォーム会社である㈱ウエストのサポートによって、研修旅行が可能になった。学生たちの海外での経験の機会が、企業のサポートによって実現したのである。  大学生に対する教育を大学の閉じた環境だけで行うことの弊害がしばしば言われる。多様な主体のかかわりが、関係を活性化するのは、一つの真理である。 . . . 本文を読む

2005年夏カンボジア20050810

2006-01-24 18:16:25 | カンボジア通信
 今年の夏の調査はカンボジアとベトナムだ。メインはカンボジア。ベトナムは3日間のみ。今後の展開もにらんで一度ベトナムを見ておこうという想いからだ。    今日は朝6時の新幹線で出発。11時15分の関空発の飛行機。現在ベトナム空港にいる。トランジットのため2時間の滞在。  すでに学生たちは8月2日に日本を発っている。既に1週間カンボジアで過ごしたことになる。つくなりすぐ彼らは二手に分かれた。ポイペト隊とプノンペン隊である。ポイペト隊は、カンボジアこどもの家の本拠地で版築工法のさまざまな実験を行うのが目的だ。 . . . 本文を読む

JICAとODAカンボジア20050811

2006-01-24 18:15:29 | カンボジア通信
 調査は8時から。午前中は12時まで。1時半まで休憩して、午後の作業は5時まで。安全確保のためガイド・警察をやとっている。  午前中は、JICAの原口さんに会う予定。武蔵工業大学の佐藤さんに紹介してもらった。佐藤さんは、勝又研究室所属である。修論でカンボジアの学校建設についてまとめている。調査は昨年夏である。おりしも我々と時期を同じくして調査を行ったという。今年の建築学会の大会でも発表されるが、セッションは異なるが、扱っている内容はほとんど同じである。奇遇としか言いようがない。 . . . 本文を読む

SVA小学校建設カンボジア20050812

2006-01-24 16:51:29 | カンボジア通信
 10時からSVAの小味さんと面談。直前にティーさんと小味さんが知り合いであることがわかる。日本語の先生だったそうだ。  小味さんには昨年の調査をもとに建築学会の中国支部や大会で発表したものをお渡しするとともに、現在ポイペトで検討中の版築工法による学校建設について説明した。建築担当のサミーさんも同席してもらった。サミーさんとは昨年も会ったが、SVAの若手建築スタッフでロシアの大学の建築学科卒業のエリートである。 . . . 本文を読む

カンボジア仏教20050813

2006-01-24 16:50:47 | カンボジア通信
 はじめてフルでフィールド調査を行った。ドンペン地区の3番目の街区の調査の続きである。これまで1番目街区、2番目街区と路地調査のみを行ってきていた。路地の物品配置やアクティビティを調査するものだが、住戸内部に比べて調査がしやすいので、外部空間を優先してきていた。だが、図面をみると路地のみが描かれているもので、建物との関係や住戸との関係、集合住宅ならその共用空間との関係が、それでは読み解けない。街区 . . . 本文を読む

カンボジア鍋は美味しい20050814

2006-01-24 16:50:16 | カンボジア通信
 大塚さんの調子が悪そうだったし、今日は日曜なので、休みにした。学生たちにとっては2週間が経とうとしている時期であり、ピークが来るころである。体力を回復して翌日以降に備えようと思った。加えて、ドンペン調査がただやみくもに調査をしているだけという印象を持ったので、きちんと全体像を見据えて、個々の調査を組み立てる必要を感じた。調査のフレームを組みなおすための一日である。 11時までゆっくり過ごし、その . . . 本文を読む

プノンペン王立芸術大学20050815

2006-01-24 16:49:48 | カンボジア通信
 午前中は第3の街区調査。街区全体の宅地割りを把握した上、それぞれの集合住宅や戸建住宅についてアクセス調査を行った。調べてみると、住戸へのアクセスの複雑さがより明確になった。もともとはシンプルなアクセスであったと考えられるが、長年の住みこなしの中で、増改築が様々なところで行われ、それに伴ってアクセスが改変されている。  第3の街区では、4m程度の路地があったが、そのうち3mは隣接する集合住宅の1 . . . 本文を読む

カンボジア寺院建築20050816

2006-01-24 16:49:03 | カンボジア通信
 寺院建築視察。    亀山さんがずっと行っている寺院調査をサポートしようと1日時間をとった。車を30ドルでチャーターし、桔梗、亀山とともにプノンペンの寺院を回った。午後は雨が降り、かなりの時間足止めをくったが、全部で10近い寺を回ることができた。  クメール様式の本堂が目をひいた。仏様が東に向くように本堂そのものも配置されている。矩形の長辺方向が礼拝方向であり、東西の軸と一致する。内部の壁は数々の壁画で埋め尽くされている。必ずしもすべての寺院でではないが、列柱が礼拝の方向性を強調している。外観は、中央の多重屋根ならびに幾重にも水平方向に重なる屋根が特徴的である。床レベルを高く上げる例が一般的である。1階と2階をもつものもある。 . . . 本文を読む

ポイペト版築休憩所カンボジア20050817

2006-01-24 16:48:22 | カンボジア通信
 ポイペト移動。タクシーでの移動であった。60ドル。桔梗、広畑とともに移動した。バッタンバン経由の道であった。時速100kmを超えるスピードで、5時間半でポイペトについた。驚異的である。佐古と久しぶりの再会を果たした。 すでに版築壁は、1枚立ち上がっていた。集会所をイメージしていたが、できていたのは2m×2mの小さなものであった。2m×4mのものを指示したと思っていたが、まったく違うものに驚いた。やはり立ち上げの段階に関わることが重要だ。そもそも集会所とする案も、出発直前に決まったものだ。それまでは「やよいハウス」を計画していた。CCホームスタッフのやよいさんの家である。しかし住宅だと個人に帰属するため、みんなで使いにくく、一度打ち捨てられると、そのまま放置されかねないので、もっと公共性のある建物の方がいいんじゃないかという判断で集会所となった。 . . . 本文を読む

カンボジア子どもの家の版築20050818

2006-01-24 16:47:47 | カンボジア通信
 版築壁作成2日目。CCホームの生活は、朝7時から朝食、12時から昼食、夕方7時から夕食である。後はそれぞれが思い思いの活動をしている。スタディツアーといいながらも、明確なプログラムが決められているわけではない。学校を訪問したり、市場に行ったり、寺院を訪問したり様々なオプションがそれなりにあるが、それぞれ主体的に関わらなければ、ただ漫然と見ているだけになってしまう。のんびりするにはいいところだが、何かを学ぼうと思ってくると、たいしたことができないということになりかねない。我々は、休憩所を作るというわかりやすい目標があったため、毎日毎日充実した日々を過ごしていたが、それはどちらかというと異例である。 . . . 本文を読む