フィールドワーク通信

広島を拠点にフィールドワーク。カンボジア、インドネシア、市民まちづくり

バリの闘鶏1224

2006-03-07 18:46:49 | インドネシア通信
 闘鶏にいった。はじめてバリに来た1991年に、民博の佐藤先生につれていってもらって以来である。バリは様々な面で十分に刺激的な島だが、闘鶏にまさるものはない。男達の熱気、かけ声、鶏の表情、飛び跳ねる姿、したたる血、バリの激しさを感じることができるのは、闘鶏しかない。バロンダンスもケチャダンスも、観光客向けに去勢されてしまって、ただの見世物にしか思えない。

 闘鶏の賭けの仕組みを、マデさんに聞いたが、いまいちよくわからない。1時間ほど熱気に包まれて観戦したが、私の理解では以下の通りである。まず、対戦相手を決めるための、顔合わせの機会がある。結界によって仕切られた矩形のフィールドに大勢のコック・ファイターたちが集まって、対戦相手を決める。しゃがみこんで鶏同士を向かい合わせ互いの士気を高める。相手が決まると、それぞれの鶏の足にナイフをつける作業にはいる。専用のナイフケースには、4~5本程度のナイフがそろえられている。4~5人の仕切り役が壇上にいて、その試合の賭け金総額をアナウンスする。ここらへんが定かではないのだが、鶏の所有者だけか、その他数人が参加しているのか、その時点での賭け金総額がアナウンスされるのである。それをみて、観衆達は、自分がどちらに入れるかを決める。基本的に、双方の賭け金総額が同じになるように賭けを募っているようである。そのときの勢いには迫力がある。会場数箇所に賭けの受付を担当する人間がいて、その人に自分が賭ける金額を伝える。コック・ファイターは自分の鶏を殴ったり相手をにらみつけたりさせながら、鶏の士気を高め、会場の双方に分かれて手を離し、戦いの開始である。鶏は飛び跳ね、相手をナイフで切りつける。ナイフがすぱっと決まり相手の鶏が倒れて明快に勝負がつくこともあれば、お互いの傷が同等とみなされドローとなることもある。会場の片隅に3m弱の席が設けられ、そこに3人の審判がいて、勝負の決着を告げる。

 午後からは、土地区画整理のサイトをみにいくことにした。筑波大学の吉田氏からもらったデンパサール市土地局の地図をもとに歩いた。計13箇所のサイトが記されている。
・区画整理後に、土地に住宅等の機能がはりつかなければ、道路部分が不法占拠等で消滅する場合がある。
・区画整理とともに、道路等のインフラが必ずしも整備されるわけではないので、その地域の利便性が必ずしも飛躍的に上昇するわけではない(土地の価値が飛躍的に上昇するとはいえない)
・土地の規模が大きくなるケースが多いので、中心部など土地の価格が高く利便性のよいところでは、大規模な住宅が建つ傾向がある
・郊外部では、宅地化が進まず、かといって農地として有効に利用されるわけでもなく、歯抜け、穴あき状態のまちが形成される

 とりあえず歩いてみて、上記のことがわかった。調査をするとすれば、宅地寸法を採取したり、宅地利用の用途を調べたり、道路の整備状況を調べるなどが考えられるが、対象地の面積が広いため、やるとなると多大な労力がかかる。調査をして面白い結果がでるかどうか、自信をもてないでいる。

 夜は白石と合流。マデ家の家族とともに近くの寺院で開催されているレストランに行く。寺院の建設費・改修費などを得るために、村民が無償で働き、レストランを運営している。ここでの利益は、個人のふところにはいることはなく、すべて村のもの、寺院のものとなるという。ネオンと音楽とビールがあふれ、人々でごったがえしていた。ここが寺院の中だとは思えない空間であった。

 夜中は、テラスで飲んだ。一人一人と消えてゆき、最後は白石と自分だけになった。2時すぎ終了。

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