フィールドワーク通信

広島を拠点にフィールドワーク。カンボジア、インドネシア、市民まちづくり

大学院講義2

2006-10-13 10:20:02 | 研究室通信
金沢21世紀美術館を題材としたディスカッション

・開放性・公開性・透明性・水平性
・入り口が複数個所あり、無料回遊エリアが一定量設けられることで、自由に出入りできる
・一般的な美術館であれば、エントランス・ホワイエにもぎり?の場所があるため、自由入館可能であっても精神的なストレスが与えられるがここではない

・搬入スペースや自家用車からの動線を地下にもってきているが、釈然としないものを感じる。配置計画的にそれらをどのように処理するかが建築家の腕の見せどころではないのか。地下にもっていくという解は、安直。搬入車動線と自家用車動線が重複しているのも問題では?

・つくられていない空間⇔かかわりを必要とする空間

・自由にランダムに部屋を配置しているようではあるが、それぞれの部屋の出入り口の配置を見ると、いくつのか経路が想定できる。
・作家によって、どういう経路をイメージしたのかイメージしなかったのかを調査すると面白い。建築後の裁量の大きい建築は、使われ方そのものが評価に直結するので、実態として、多様な使われ方がされていなければ、それはある意味建築家の閉じた幻想にすぎない。

・館内周縁部にだだっぴろい余剰スペースともとれる空間が多くある。どう評価するのか?
・作家や学芸員の裁量が大きく働くスペースが多いが、逆に、作家や学芸員のかかわりが存続しなければ、つくりこみの少ない散漫なスペースが放置されるだけでは?
・各部屋のボリュームも、一般の美術館に比べると特異。これもまた作家や学芸員のかかわりが希薄であれば、作品ともども死んでしまう可能性大。

・フレキシビリティのある建築においては、それぞれの使われ方によって、空間の分節方法が異なる。その際の、分節の手法をどうするか?ここでは植木鉢の配置。この植木鉢配置が適切なのか?という問い。オブジェ?ガラス可動スクリーン?といった選択肢。植木あるいは植木鉢そのものに対して、重要な空間構成要素の一つであるという配慮が足りないのではないか、という疑問。

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