そうしそうあい 全15巻
漫画、れべるむ
金髪ヤンキーと孤立優等生の甘い恋愛を軸に
その周りの恋愛模様も描いた青春なお話。
主人公メグミちゃんは黒髪で真面目な優等生で
家も厳格で可愛いが故に孤立していた。
金髪ヤンキーのソウシは喧嘩も強いが
売られた喧嘩は買うだけのタイプ。
ないものねだり的に一目惚れでカップルになる
メグミとソウシは、バカップル全開で
何もかもが可愛い愛しい。
昔、孤立してるメグミに手を差し出そうとして
余計に孤立させそうになり見守るしかできなくなった優等生メガネイケメン橘くん。
とにかく愛すべき天然おバカさんで
昔、友達の彼氏を一回だけならと受け入れて
しまったせいで友達を裏切ってしまい
中絶を経験しているが明るい前向きなミキ。
橘くんとミキも相思相愛だけど、
橘くんはわかっていてミキがもっともっと
自分を好きになるよう放置、
ミキは橘が自分を好きな自信だけなくて
いつもとっても一生懸命。
(男女問わずミキにチョッカイ出した人は
橘に制裁をくらっているようです)
タクくんもミキと同じ愛すべきおバカさん
かと思いきや、実は賢いのを隠してます。
賢いんだけど兄たちより少し劣るだけで
家では底辺扱いのため、
思い切りバカを演じて
それでも一緒だったことで頑張る意味が
わからなくなり周囲と家族で賢いか馬鹿か
言われることが違うこととかも負担となり
誰からもバカだと思われることを選ぶ。
親友の菊池(チヒロ)くんは全て知ってて
その芝居に付き合っている。
メグミは密かに賢いと気付いてる。
チヒロくんも家族のせいで拗らせてる。
再婚して出来た母親に虐待され
父親は奥さんの味方。
母親への威嚇のために髪を赤く染め
喧嘩も強くなった。
心優しく皆んなに頼りにされている。
タイヨウちゃん(本名は大陽“はるひ”)は
元は優等生な見た目だったが
男たちに犯されそうになったことがあり
ヤンキーの格好をしてる男性嫌いの
か弱い女の子。
ロン(本名は愉)は、お調子者で
すぐに人のモノを欲しがったり
その人が好きな人を真似たりする。
イケメンなので女性は寄ってくるため
情報収集能力と拡散能力が強い。
最後の方は、メグミとソウシも
なんやかやありますが結局ラブラブなので
大丈夫って感じで、
橘とミキはさっさとくっつけよ!
なだけなんですが、
タイヨウちゃん、チヒロ、ロン時々タクの4人は
超複雑!
こっちが話のメインっぽいぐらい。
実はタイヨウちゃんを襲ったのは
ロンがケシかけた男たちでした。
ロンは小さい時にタイヨウを助けたことがあり
それを再現したかったらしい。
しかし目論見が外れて
タイヨウちゃんに大きなトラウマを植え付け
名乗ることも出来なくなって
昔のことも昔々のことも無いものとして
近づきますが男嫌いのため拒絶されます。
しかし、ミキやメグミと仲良しになると
ソウシ、タク、チヒロも一緒になることが多く
何かと助けてくれるチヒロくんに心を開いて
いきます。
ロンは時間が経つほどに自分がしたことの
卑劣さが嫌になりタイヨウへの思いは深くなり
でもタイヨウとは絶対に結ばれないことも
自覚していきます。
タイヨウは男嫌いが高じてか
優等生のまま清く可愛いメグミを好きに
なってしまいますが、
ソウシが好きな無邪気さも可愛く思ってるので
片想いのまま友達のままでいようと思ってて
チヒロにだけ その思いを告白。
それはチヒロが好きなのはタクだと
タイヨウが思っているから
安心感あってのことのようです。
(チヒロは認めるけど、
それはタイヨウへの優しい嘘なのかは謎。)
結局、ロンの過去も過去の過去も
タイヨウに知られることとなります。
しかしタイヨウの気持ちは良くも悪くも
揺らぐことなくロンを拒絶することに
代わりはありませんでした。
そして、周囲からはチヒロとタイヨウが
カップル扱いされてて、
お互いが大事で側にいて欲しいのは確か
なんですが、2人ともそれが
愛情なのか友情なのか同情なのか。
チヒロはタクを大事にし続けるつもりだし
タイヨウのことも守り続けるつもりです。
タイヨウはそれでいい、
それがいいと思ってます。
(男性恐怖症は直ってないから)
そんな感じで
それぞれのカタチで“そうしそうあい”となって
めでたしめでたし。
最終巻の表紙では黒髪のソウシくんに。
メグミは金髪のソウシ好きだっけど
ソウシの(メグミとの)将来のためにと
黒髪になったソウシも好きになるのも
感慨深い。
たんたんと話が進んで
シュールコメディな感じなのに
それぞれのキャラが抱えてる闇は深くリアル。
いや、私は知らない世界だから
本当のリアルかは知らないけれど。
こういうことが大なり小なり普通な
高校生たちもいるんだろうなぁと感じました。
私自身は真面目高校の真面目学生だったので
まったくわからない世界ですが、
ヤンチャ中学の真面目学生だったので
見えない壁の向こう側は
こんな世界だったのかなと思いました。
ほんと、私ったら真面目に10代を過ごしすぎて
知らないことがいっぱいだわ。
あと、
タイトルの“そうしそうあい”が平仮名なのも
“そうし(宗嗣)”くんと“そうあい(相馬愛実)”
の物語って意味もあるんだろうな。
感想は名前をカタカナ表記にしましたが、
漫画は平仮名表記で呼び合ってることが多く
でも、本名は皆んな立派な漢字でした。
平仮名表記で関係の柔らかさ軽やかさを
感じたので、作者さんの意図だと思ってます。
コメディっぽいのに重いテーマで
なのに軽やかで可愛らしい青春なお話でした。
ありがとうございます。