愛のカタチ。

●もう10日ほど前になりますか....。たまたま、「誰も知らない泣ける歌」とかいうテレビの番組に遭遇しました。

その時に聞いたこの曲が、“今の私には”、沁みました。

誰だってそうだと思うのですが、“身に覚えのあること”や　“今のこと”...。重なる部分があるほどに、心を揺さぶられます。

『愛のカタチ』（この番組をご覧になった方は、この先の十数行は無視してください。）

この曲は、曲の作者であり、歌い手である『中村つよし』さんの、祖父母。つまりおじいちゃんとおばあちゃんのことを歌ったものだそうです。
おふたりは、それはそれは、仲の良いご夫婦だったそうです。
晩年、おじいちゃんは病に倒れます。おばあちゃんは、毎日病院へ通います。
でも、面会時間は限られていて、ずっとおじいちゃんの側にいることができない。
そこで、おばちゃんは、家の前の路地に、古びた椅子を出して、後の時間をその椅子に座って過ごしました。
病院の、おじいちゃんの病室が、そこから見えるから...。

ただ、祈りは届かず、おじいちゃんは天に召されてしまいます。

おじいちゃんと永久の別れをした直後、おばあちゃんに認知症の症状が現れます。
ひとり娘のことが分からなくなり、自分の名前も分からなくなって、....なのに、おじいちゃんの名前、おじいちゃんとのことは、死ぬまで忘れることがなかったというのです。

わずか半年の後、おばあちゃんもおじいちゃんの後を追う事になるのですが....。
このお話には、おまけのエピソードがありました。

庭の椅子にすわって、日がな一日、病院を見つづけたことに、ある時おばあちゃんがぽつりと言ったそうです。
「おじいちゃんを見るために、座っていた訳じゃないの。おじいちゃんに、私を見せたかったのよ。」

●母は、まだ私の名前を忘れてはおりません。
でも、少しづつ、その兆候は大きくなっていることも事実です。少しづつ..という点が、救いですが。

この歌を聞いたとき、おばあちゃんが我母の姿に重なり、そして自分自身にも重なり、不覚にも涙しました。
よろしかったら聞いてみてください。

このYOU TUBEにアップされた動画は、あの番組を録画したもののようです。けっして良い画質ではありませんが、伝わるはずです。