『ベースボール不要論』

[副題]~大マスゴミと野球(よきょう)/現代日本の致命傷~
[副々題]~がんばれ日本! なくなれ読売!!~

第1章 わが国は途轍もない「野球大国」である![2]

2005年03月26日 | 第1章
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 最近、そんな野球人気にも陰りが……、などと囁かれているのは私もよく承知しています。たしかに近ごろ、野球を見て大喜びしている人とそうでない人との色分けも、かなり鮮明になってきたような気がします。

 比較的スッキリとした、洗練された感じの若者や女性などは、もうすっかり野球にそっぽを向いているようですね。事実、私が「野球はもう要らないね」などと言うと「やっぱり?」といった調子で食いついてくる若者が、最近結構多いのです。先日は、手を叩いて大喜びする若い女性もいましたよ。

 が、しかし、この国を広く広く見渡したとき、野球はまだまだこの国の人気No.1スポーツだと認めざるをえないでしょう。

 世界の人々にもっとも愛されているサッカー、わが国の国技たる相撲、テニスにラグビー、水泳やモータースポーツ、バスケットボールにバレーボール、アイスホッケーやスキーなどの氷上・雪上のスポーツ、格闘技や自転車競技などなど、魅力あふれるスポーツは他にたくさんあります。そんな他競技もそれなりに人気を博しているようですが、現代における日本国民の“総意”とでもいうのでしょうか、この国の一番人気はやっぱり野球です。その人気の根強さたるや、風呂場の頑固なカビのごとし。

 ベースボールがこの国の「事実上の国技」であることは、もはや立派な既成事実です。なぜ野球はそんな高みにまで登りつめることができたのでしょうか?

 昨年、あるプロ野球チームの「球団経営ギブアップ宣言」を端に、球界再編問題が熱を帯びました。そのとき私は痛感したのですが、もしかしたらわが国は「人類史上最大のベースボール大国」かもしれませんね。えっ? 「野球社会主義国」? うん、ともかく、ちょっと恥ずかしくなるくらい、他の競技に対してかなり失礼なほど、この国の野球は馬鹿デカイ。

 少々誤解を招く表現かもしれませんが、この国の人々にとって野球とは、どこかの国の「将軍様」のような存在ではないでしょうか? ん? ちょっと言い過ぎ? うん、でも、抜き差しならない理由、のっぴきならない怪しげな背景……、絶対にあると思います。

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 さて、「野球濃度」という言葉を使ってみたいと思います。この野球濃度がいま現在、わが国において「50%」だと仮定しましょう。「いや、もう30%くらいだ」とか「いやいや、まだまだ70ぐらいはあるぞっ」とか、まあ、いろんな見方があるでしょう。また、地域によってかなり差があるようにも感じます。私が住む近畿地方なんかは、まだまだ「7、80%」はありそうな気もします。しかしまあ、日本全国をおしなべて「50%」ということで話を進めていきます。(つづく)

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