『ベースボール不要論』

[副題]~大マスゴミと野球(よきょう)/現代日本の致命傷~
[副々題]~がんばれ日本! なくなれ読売!!~

第1章 わが国は途轍もない「野球大国」である![1]

2005年03月24日 | 第1章
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 スポーツにしては珍しく、選手は長ズボンをはいてほとんどジーッとしています。あまり動きません。ダーツやビリヤードほどではないですが、きわめて不活発で散漫。
 また、ルールだらけの少々複雑なボールゲームゆえ、世界にはほとんど普及していませんし、今後普及する見込みもほとんどありません。

 そう、野球です。アメリカ合衆国からわが国にやってきたベースボールという名のボールゲーム。(注1)

(注1)
 たまに「野球とベースボールは似て非なるもの」なんて小難しいことを言う人がいますが、私はそんなことは言いません。野球とベースボールは同じ競技。区別いたしません。

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 さて、「知らないよ」なんてつれないことを言わないでほしいのですが、ベースボールというボールゲームは世界ではまったくの不人気です。周知のことと思います。

 北米の野球チャンピオンを決める戦いを「ワールドシリーズ」、そしてその勝者を「ワールドチャンピオン」と言いますが、それは傲慢チキなUSA帝国の人々が「われわれだけが(あるいは、われわれこそが)世界だぁ!」などと自己陶酔しているからそう言っているに過ぎません。

 また、日本国内に目を向けても、「いまや野球は世界のスポーツだぁ!」などと寝ぼけたことを発言する人物がたまに出現するのですが、それはその人がまさに寝ぼけているのです。あいにく事実はまったく違います。

 少しずつ世界に広まっているのは事実ですが、ベースボールはまだまだ日米及びその周辺諸国限定のマイナースポーツ。「ワールド」や「世界」などという言葉とはおおよそ無縁です。

 わが国が、たとえば、困窮をきわめているような国、あるいは紛争に明け暮れているような国の子どもたちに、バットやグローブなどの野球用具一式を無償で送ったとしましょう。はたして喜んでもらえるでしょうか?

 喜んでくれそうな国にブチ当たる可能性はあるにはあります。が、その確率はほんの数パーセントでしょう。おそらくほとんどの国で「何じゃ、こりゃ?」ということになるはずです。

 「何だ、このヘルメットは? かぶるのか? カッコ悪いなぁ~」てな感じ。グローブやミットなどの妙に手のこんだ革製品、バットにヘルメット、パジャマみたいなユニフォームにベルト、そして帽子、キャッチャーが身につける不格好な防護服などなど、ホント、「何じゃ、こりゃ?」ですね。分厚い取り扱い説明書を同梱しなければ別の用途に使われてしまうかもしれません。

 まあ、「ベースボールというボールゲームがこの世に存在していることぐらいは知ってるよ」というのが精一杯ではないでしょうか? この地球を一つの人格として見たとき、ベースボールの認知度、人気はせいぜいこの程度でしょう。野球が「盛んに」行われている国、ベースボールに「熱心に」取り組んでいる国を数えてみてください。両手があれば十分です。

 しかしながら、私たちの国においてはまったくそうではありません。ベースボールはわが国の大大大……大人気スポーツです。日本列島の隅から隅まで、野球は見事なまでに行き届いており、しかも深く深く根を下ろしています。もう「こびりついている」と表現したほうがいいかもしれませんね。

 野球を知らない日本人はまずいません。スポーツとは縁のなさそうな、可愛らしい小さなおばあちゃんだって、野球のことならそこそこ知っています。野球なしでは窒息死してしまいそうな人もたくさんいますね、この国には。いったいなぜなのでしょう?

 えっ? 世界の人々がわかっていない? いやいや、そんなことは断じてない!!!

 世界の人々はわかっていますよ。怪しいのは明らかに日本国のみなさまのほうです。なぜって、これほどまでの「野球大国」「野球やりすぎ国家」「ベースボール大好き国家」は他にありませんから(ごめんなさい。正確に言うと、台湾、キューバあたりもそうかな?)。

 日本の側にこそ、何か抜き差しならない理由、のっぴきならない事情があるのではないでしょうか? 「野球じゃなきゃダメだぁ!」「ベースボールじゃないとちょっと困るなぁ~」というような、何か悲鳴にも近いスペッシャルな背景が……。私はそう踏んでいるのです。(つづく)

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