俳句の箱庭 top

お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

●五体俳句006・胸01・石田波郷

2010-08-30 00:00:37 | 五体俳句

○五体俳句006・01・石田波郷

○「秋の夜オリオン低しの上」(石田波郷01)

○季語(秋の夜)

【鑑賞】:石田波郷といえば病床俳句で有名です。この句もベッドで横たわる自分の胸の上のオリオンが低い、という意味にとれます。オリオン座とは冬の宵、南の中天高くかかるもっとも明るく形の整った星座ですが、ここでは「秋の夜」という季語が優先されます。


石田波郷(いしだはきょう)(1913~1969)

○好きな一句「吹きおこる秋風鶴をあゆましむ」02

○季語(秋風)

【Profile】:愛媛県松山市生れ。東京都下清瀬市国立療養所東京病院にて死す。『→馬酔木』同人→五十崎古郷に俳句を学び、→水原秋櫻子の『馬酔木』に投句。1932年上京、「馬酔木」の編集に従い同人となる。1937年主宰誌「→」創刊。1942年、「馬酔木」編集同人を辞す。1943年応召し、駐留地の北支で胸膜炎を病み、1945年送還。翌年、「鶴」復刊。1948年「馬酔木」同人に復帰。発病し東京療養所で3回にわたって胸部成形手術を受ける。1965年再入院、以後入退院を繰り返す。69年芸術選奨文部大臣賞を受け、同年死去。句集「鶴の眼」「惜命」など。

石田波郷掲載句

3雑炊や頬かがやきて病家族(雑炊・冬)〈五体28・頬2〉2011/2/1

4プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ(夏)〈色彩40・みどり1〉2011/5/11

5泉への道後れゆく安けさよ(泉・夏)〈特集82・言葉(道)〉2012/6/22

6西日中電車のどこか掴みて居り(西日・夏)〈次元91・方位(西)〉2012/8/19

7雪はしづかにゆたかにはやし屍室(雪・冬)〈方法149・破調2〉2013/11/21

8雁や残るもの皆美しき(雁・秋)〈特集292・美し俳句1〉2016/8/19

9十月や顳顬さやに秋刀魚食ふ(十月・秋)〈五体303・こめかみ1〉2016/10/30

10緑蔭を看護婦がゆき死神がゆく(緑蔭・三夏)〈色彩530・緑4〉2021/5/12


コメント    この記事についてブログを書く
« ●五感俳句006・質感=軽01・西... | トップ | ●三色絵007・匙が曲がると・透次 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

五体俳句」カテゴリの最新記事