元々、活字は嫌いじゃないけど、しばらくご無沙汰してました。
雑紙の字は読んでも、小説、エッセイに手が伸びなかったここ数年・・・<長いわ
心惹かれるものが無かった・・というのもありますが、やはり眼精疲労や気分の問題だったのでしょう。
土曜日の夜、以前から少し気になっていた「貴志祐介」さんの本を衝動買いしてしまいました。
角川から出ている「天使の囀り(さえずり)」文庫版です。
「貴志祐介」さんといえば「黒い家」「十三番目の人格 ISOLA」などが有名なちょっと怖いお話を書く先生です。
「黒い家」は映画でしか観ていませんが、なかなか面白かったですね。
小説を読むとさらに怖さが増すかもしれません。
「ISORA」は未読です。
何故、この本が気になったか・・・私も不思議で仕方ないのですが、
ま、表紙に騙されて購入すれば えらいこっちゃ・・・・・ な作品です。
いや、冗談じゃなく・・・・。
特に想像力豊かな方は止めた方が良いですね。
私の知らない分野の話ですが、基本 最初から最後まで 「死」がまとわりつきます。
貴志先生の描写力にも唖然とさせられますが(たまに詳しすぎて鬱陶しい感じもある)、その下調べ力もすごいものです。
簡単に「ホラー!」という作品ではなく、なんか身近に起こってもおかしくない・・だけど非現実的な内容に感じる。
(ん?逆か?)
そんな作品です。
主人公は20代後半の「女性」です。
それも「しっかりとした医者」です。
恋愛もする、患者にも優しい、人としてもタフ・・・な彼女の前向きな姿勢、そして医者としての強い精神力。
読み進めて行く内にちょっとうさんくさく感じてしまうのは、私が出来た人間じゃないからでしょうか(笑)。
それでも色んな事実が明らかになっていき、彼女がへこたれないまま戦っていく場面は芯の強く格好いい女性に見えます。
最後の行動も彼女ならではの優しさと強さから為せるものだと感じました。
ただ単に彼女目線で楽しめる作品ではなく、周りの登場人物の背景なども割と細かく描かれています。
全ての人にオススメ出来る作品でないことは間違い有りませんが、
私は読後、思った以上にさわやかな気持ちになりました。
次に手を伸ばすのは・・・彼のどの作品か・・自分でもちょっと楽しみです。
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