在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

La Colombera Derthona e Il Montino 2012-2004

2014-05-08 13:43:16 | Piemonte ピエモンテ
La Colombera
Derthona Colli Tortonesi 2012-2004
Il Montino 2011-2010
Vitigno: Timorasso



もういい加減に書くのも面倒、というところ、たまには書くかと思い腰を上げてみる。
今はFBに評価をパパッと書いて終わりにしているのだが。。。
ローマの老舗エノテカTrimaniでTimorassoの垂直試飲が行われるというので、行ってみた。
ティモラッソは、もうすっかり知られるようになったが、ピエモンテ、トルトーナの土着品種である。初めて名前を聞いたのは10年くらい前になるだろうか。イタリアは土着品種が非常に多い。さすがにあまり知られていない品種は、普通、悪くはないが、おお!と思うのがそうたくさんあるわけではない。おお!と思うくらいならとっくに知られていてもよいと思ったりする。という中、ティモラッソには、当時、おお!と思った。まだ、こんな品種があったのか、と。

ティモラッソといえば、ワルター・マッサというイメージがある。彼のおかげで今のティモラッソがあると言ってもよいくらいで、マッサ以外のティモラッソを知らない人も多いだろう。私も正直言って、マッサ以外は、わずか数社のティモラッソを飲んだことがあるくらいである。

今回のワイナリーはLa Colombera、ワイナリーからElisaさんがわざわざ来てくれた。
2004年から2012年まで縦飲み。ティモラッソが10年たってどんな風になっているか、非常に興味のある試飲会であった。

Derthona Colli TortonesiのDerthonaは産地トルトーナの古代名なのだそうだ。そこで、ティモラッソを造っているワイナリーは示し合わせ、Derthonaという名前のワインを造ろう、と決めているそうな。マッサを始め、生産者は仲がよいらしい。ピエモンテの生産者は概して仲がよいような気がする。お互いのワインを飲みあって、意見を交換し、全体のレベルが向上する。自分のワイナリーのことしか考えない生産者が多い中、とても好ましく、さすがピエモンテ!と思わせる。



試飲したワインは全部で10。
Derthonaが基本だが、上級クラスのIl Montino(畑の名前から来ている)が2ヴィンテージ含まれている。どちらも品種はティモラッソ100%。
評価はあくまでも個人的なもの。
+++がかなり良い。当然良い。という感じ。あとは、プラス/マイナス。

Derthona 2012 ++++かなりきれい。インパクトがとてもよく、ティモラッソのフルーティーさ(白桃や柑橘類)、花、わずかグリーン、スパイシー、ミネラルなどがとてもきれいに現れている。ミネラル豊富で塩味が感じられるが、すぐにほんのり甘い蜂蜜に覆われ、長く続く。
2011 ++(+)1年の違いだが、味わいに蜂蜜が増している。
Il Montino 2011 +++最初は閉じていたが、徐々に開いてくる。Derthonaのような強いインパクトがなく、同じティモラッソでもやや上品な感じに仕上がっている。
Il Montino 2010 +++酸味が他より際立つ。よりまじめな印象。後味がわずか短い気がする。
Derthona 2009 ++++かなりよい。約5年たって、ティモラッソの良さ(華やかさと落ち着き)が最大限に出ている感じがする。
2008 +++
2007 ++(+)
2006 ++++非常に良い。
2005 +++
2004 ++ボトルによって多少の違いがあった。しかし、ややマデイラ風の香りが出ていて、そろそろ下降気味になってきているのがわかる。


ワインに合わせて、という1品は、Vitello tonnato、代表的ピエモンテ料理のひとつで、そうだよね、でした。満足。大変良い試飲会だった。