在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

第52回目 今年のVInitalyは4月15日〜18日 

2018-03-23 22:20:19 | イタリア・ワインABC
今年のVinitalyは4月15日から18日



第52回目のVinitalyが4月半ばから開催される。
もちろんヴェローナにて。

毎年、復活祭が移動祭日なので、それに合わせてというか、それを適当に避けて、3月終わりから4月半ばの開催。

あまり早いとまだボトル詰めしたばかりとか、中には、昨日詰めてきた(笑)というのも混じるが、今年は4月半ばなので、ワインにとってはちょうど良いと思う。

それに4月も半ばなら、ヴェローナも少しは暖かくなり、オーバーコートが要らない。
(寒い年の3月だと、ローマではすでに要らないオーバーコート、ブーツ持参となる。。。)

開催まで1ヶ月を切っている。
日本からだともうすでに予定しているとは思うが、イタリアにいて、一度は行ってみたいと思う方は、そろそろ準備を。

いろいろあれど、ヴィニタリーはやっぱりヴィニタリー。

有名どころをハシゴして歩くのも楽しいが、マイナーな州や地方を訪ねてみるのも、面白い発見がきっとある。

会場があまりに広いので、出会うことはないと思うが、もう見かけたらお声をかけてください。


http://www.vinitaly.com

亜硫酸無添加について Nona' 2016 Stefano Berti

2018-03-23 18:13:43 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Nona' 2016 Stefano Berti



ワインの製造過程における亜硫酸の使用に関しては、ほとんど必須と言っていいと思う。
収穫後から瓶詰めまでの過程において、幾つかの場面で、幾つもの理由で、どの程度の量を使用するかは、ワイナリー次第(もちろんワイン次第)である。

今では、使用量に関して、赤、白、糖度などに応じてEUで使用量が制限されているが、その量は決して少なくはない。
その制限量を守れば、規定通りのワイン(Convenzionale)、自然派ワイン(もちろん有機栽培であることが必須)となる。

さて、自然派ワインにもいろいろあることは(幸い)もう知れてきているが、自然派ワインだからといって、亜硫酸を使用していないわけではない。
もちろん、全く使わないでやっているところもあるの だが、酸化防止が主な目的の亜硫酸を使わないということは、酸化のスピードが速くなる、つまり、ワインが持たないという問題に直面してしまう。

そこで、亜硫酸に代わる酸化防止をもたらす成分(酸やタンニン、その他)を多く生成させる、正確にはその生成されたものを守るように努める、ということになる。

酸を添加して、亜硫酸を使わず、ハイ、亜硫酸無添加です〜、というワインも(単純に言って)ないわけではない。
しかし、それでは、亜硫酸を使わない本当の意味の自然なワインにはならない。

つまり、亜硫酸を全く使用せず、よくできたワインを造ることは非常に難しいことなのである。
亜硫酸を使わずに美味しいワインを造りたい、とは、本当に自然なワインを造りたいと願っている生産者なら誰もが思うだろう。
しかし、言ったように、そう簡単にはいかない。
(ところで、亜硫酸は、発酵の過程で微量だが自然に生成される、ということは付け加えておく)

さて、このワインは、やっとローマで手に入るようになった、というか、知り合いのエノテカに入れていただいたので、購入した3本(3種)の最後。

Nona'、よく見るとaの上にアクセントが付いているので、ノーナではなくノナNo ha、つまり持っていない、という言葉をかけているのだと思う。
おそらく、No ha solfiti aggiunti (亜硫酸添加なし)。



ステファノのワインには結構惚れ込んでいるが、彼の造るワインでも、亜硫酸を添加していないものはこれだけ。
つまり、他のワインは少量であっても亜硫酸を使用している、ということになる。

品種は、サンジョヴェーゼ。エミリア・ロマーニャのサンジョヴェーゼで、トスカーナのではない。
裏のラベルに、しっかりと、赤字で「亜硫酸無添加」と書いてある。

色は、明るい、とても魅力的な色。
香りはかなりニュートラル。花の香りが強いわけでも、フルーツの香りが強いわけでもなく、もわっと霧がかかったような中に、ふわっと酸味を感じる。
時間が経つと、酸味の少ない梅干しの香りのような、シソのような香草の香りもないわけではない。
ここで、良いワイン、それを評価の高いワイン、と置き換えると、それとは違うと思う。
香りの強さ、複雑さ、そういうものがこのワインの特徴ではないからである。
しかし、一口含むと、やや突出した酸味と優しいタンニン、若干の塩味が体に染み渡る。
強さとか持続性とか関係なく、カラダに優しい、そして、ココロに入り込むワイン。

あとは、このワインがどの程度もつか、しばらくたってどんなワインになるかにすごく興味。
また買いに行かなきゃ。