在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

7 Barolo; Granbussia 2000 2001 2005 Percristina 2001 Sandrone Rinaldi e Montezemolo バローロ7種

2015-10-31 20:01:56 | Piemonte ピエモンテ
Barolo Granbussia 2000x 2 Aldo Conterno アルド・コンテルノ
Barolo Granbussia 2001x 2 Aldo Conterno アルド・コンテルノ
Barolo Granbussia 2005x 2 Aldo Conterno アルド・コンテルノ
Barolo Percristina 2001 Domenico Clerico (magnum) ドメニコ・クレリコ
Barolo Cannubi Boschis 2011 Sandrone サンドローネ
Barolo Tre tine 2011 Rinaldi リナルディ
Barolo Enrico VI 2011 Montezemolo モンテゼモロ



このところ仕事が忙しく土曜日の試飲会になかなか行けず残念なのだが、長年通っているエノテカDI Biagioで、内輪の試飲会が開かれることになった。
親しい人だけを招いての特別な試飲会である。
エノテカには鍵をかけたごく小さな部屋があり、そこにはガヤを始めとした、高級なワインだけが置いてある。
そこにあるワインの中で、だいぶ経った幾つかのワインを、ダメになる前に開けてしまおうという、いつもいつも寛容なアウグスト氏の意向で開かれたものである。
何を開けるかというと、コンテルノ(アルド)のGranbussia。数ヴィンテージがある。そう簡単にダメにはならないとうか、あと5年でも10年でもいい、と私は言ったのだが、いや、どうせそう売れるわけではないし、開けてしまおう、と。
こういう肝っ玉の大きいことはそう誰でもはできない。
そこで、Granbussiaの縦飲みを中心にしたBaroloの夕べとなったのである。

エノテカに若干早めに着くと、血相を変えたアウグスト氏がいた。
どうしたのかというと、ワインがすでにダメになっているのではないか、これではせっかく来てくれた皆様に申し訳ない、そこで、別のワインも開けている、と言う。
Granbussiaがそう簡単にダメになるわけはないので(保存状態も悪くない)、そんなはずはないと試飲してみると、確かに2000年の1本はまあまあ来ているが超えてはいないし、2本目は素晴らしい。
しかし、すでに別のワインも開けていて、それが2001年のPercristinaのマグナムだったのである。
今日の値段は、xxユーロで、内容からすると超お得値段なのであるが、おまけにPercristinaまでついて、大判振る舞いになった。
儲けを気にしないアウグスト氏にしかできないと思う。

最初に新しいヴィンテージのBaroloが3本、こちらは横飲み、Granbussiaが3ヴィンテージ合計6本の縦飲み、そして、Percristina。めちゃくちゃ素晴らしい試飲会になった。



Barolo Cannubi Boschis 2011 Sandrone
まずは2011年の3本。Granbussiaがダメになっていても、これらは絶対大丈夫、という配慮で3本も。
サンドローネはいつもパフォーマンスがいい。かなり硬いはずのカヌビでこれだけの華やかさを持っている。熟した赤いフルーツ、スパイスも程よく甘く、強さ、持続性も良い。ただ、リナルディがとても綺麗な色を持っているのに対して、爪の淵が薄く、ガーネット以上を帯びている。そして、タンニンがやや粉っぽい感じも受ける。味のインパクトはよく、ボディも申し分ないところに、酸がふっと出てくる。持続性もよく、フィニッシュもとても綺麗。万人受するタイプ。++++

Barolo Tre tine 2011 Rinaldi
個人的に大好きなリナルディ。しかし、先入観は捨てて試飲。色がとにかく綺麗。輝きがあり、明るいガーネットで、サンドローネと比べると明らかだが、色が均一、全体に透明感と輝きがあり、淵まで色がきれいに出ている。香りは一瞬閉じているが、出てくると酸味がきれいで、エレガント。花の香り、まだフレッシュな赤い木の実にわずかスパイスがきれいに続く。インパクトは優しく、酸味がとてもきれいで、タンニンが繊細、長く続く余韻がかなり心地よい。+++++

Barolo Enrico VI 2011 Montezemolo
最初は気がつかなかったのだが、わずかにコルク臭が付いている。まだ付き始めで、何度か嗅ぐうち、ふっとコルクが出てくる程度。
色はリナルディと対照的に濃く、色が濃くないネッビオーロにしてはかなり濃い方だと思う。そして、完全にガーネット。かなり熟したフルーツ(黒)は、ややアルコール漬け風、甘いスパイス、カルーバ、キーナ、そして、バニラ、カラメル、クリームなどが出てくる。インパクトはしっかり、ボディがあり、やや重たい感じ。どーんとしたタイプが好きな人には受けると思う。強さで飲ませるタイプのバローロ。+++(+)

Barolo Granbussia 2005x 2 Aldo Conterno
人数が少ないので1本でも良いのだが、心優しいアウグスト氏は2本用意。そして、2本とも開けてしまう。そこで、縦飲みに加え、2本のボトルの違いまで見れてしまう。
1本目と2本目にはあまり差がない。どちらも最初は閉じているが、まだ花が感じられるくらいで、フルーツもフレッシュ。リコリースなどスパイスも出始め。酸がかなりありエレガントで長う続く余韻がとてもきれい。まだまだ若い。+++++

Barolo Granbussia 2001x 2 Aldo Conterno
1本目と2本目の差はまだ大きくはないが、出てきている。熟成香がきれいで、スパイス、薬草、革、リコリース、キーナ、スモークな香りも。タンニンがかなり柔らかくなって、甘さ(糖分ではない)を感じるくらい。この手のワインは深く考えてはいけない。直感で飲む。1本目+++++ 2本目+++++(+)

Barolo Granbussia 2000x 2 Aldo Conterno
1本目と2本目の差が大きい。1本目はアウグスト氏が心配したように、下り坂を下り始めたところ。マデイラ風の香りも出ているので、飲み慣れていない、枯れたワインが好きでない人は嫌いというかもしれない。タンニンは優しく、フィニッシュに熟成香が残る。
2本目は熟成香が出ていない。1本目+++ 2本目++++(+)



Barolo Percristina 2001 Domenico Clerico (magnum)
このマグナムボトルはアウグスト氏がクレリコ氏から頂いたもので、貴重な1本。エノテカに送られてきたときには手紙が添えてあった。クレリコ氏の、クリスティーナへのオマージュである。もう何も考えてはいけない。ただ、味わうだけ。