在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

面倒くさがり屋のイタリア人

2008-02-02 01:28:02 | もろもろ、つれづれ
テルミニ駅で切符を買うのに並んでいた。列はそれほど長くはなかったが、進み方がかなり遅いのはすぐにわかった。
それでも、もっとひどい時もあるから、これくらいならまだマシかも、と思っているところ、小学生の子供を連れたアフリカ人の女の人が、私の二人前にすっと割り込んできた。あまりの見事さに、みんな一瞬あっけにとられるくらい、見事な割り込み方だった。
あまり見事なので、すぐに文句を言いだす人はおらず、しばらくして、その割り込みをあまりにも正当化しようとしているオーラが、大きな体から出ていた為、さすがに、私も含め3人で抗議した。そうしたら、その前にいた4人グループと一緒なの、と悪びれず、本当にずうずうしくも言い放った。その4人組は外国人(東欧あたりか)なので、言葉は全く通じない。4人組の順番がきたあと、堂々と、次は私よね!と、列の一番前を陣取っている。
彼女の順番が来た。ここでも全く悪びれず、堂々と、そして、後ろの人に出し抜かれないように、と巨体をゆさっと揺らしたかと思うと、一瞬後には、空いたカウンターに向かってダッシュ(見事!)していた。
ここで、カウンターの職員の一人が異変に気づき、彼女の割り込みが暴露された形になった。しかし、それでも、本人は全く動じない。
それから、1分後、その職員の鶴の一声。コンナヤツ、さっさと終わらせてお引き取り願おうじゃないか!
それを聞いて、これぞイタリア!と思った。面倒くさいことは、たとえ正しくなくても避けて通るに限る。早く終わらせてしまうに限る。
これがドイツ人なら、きっとこうはいかない、本気で怒るだろうなぁ(正義に立ち向かう!)、日本人ならかなり抗議するだろうなぁ、と思ったが。。。
という訳で、思わぬところで、「面倒くさがりやのイタリア人」を再認識してしまったのであった。個人的には、正しいことはもっとちゃんと主張してよね~と言いたかったが。。。