goo blog サービス終了のお知らせ 

在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

モンタルバーノ シチリアの人情刑事 すごい人気

2017-03-16 02:04:39 | 何故か突然イタリア映画
Il commissario Montalbano



モンタルバーノがすごい人気。
テレビを見ない私がテレビドラマを見る事は稀で、仕事じゃなきゃ、見なかったと思う。
でも、見たら結構面白く、7−8話程度、過去のを見てみた。

タイミングよく、11年目(毎年ではない)の2017年版の2話、新エピソードの放送が2月終わりから3月始めにかけてあり、1話目は40%以上の視聴率、2話目はそれを上回り44%、おとといは2016年のエピソードの再放送があり、それも 39%を超えた。
ちょっとびっくりする数字である。
なぜ故に今またモンタルバーノ?

過去の人気を知らないので、私には比較ができないが、最初見た時、ププっと笑ったかわいさ、風景、背景がとてもきれい、シチリアのマフィアが絡んでたり、殺されたのが娼婦、若い女の子だったりして、お色気、セクシー場面も適度に盛り込まれ、伏線がたくさん、何気ない登場人物がキーワードを持っていたり、ドンデン返しが多く、最後の10分にならないと本当の犯人がわからないなど、ではないかと想像する。

モンタルバーノもそうだが、さらにすごいシチリア弁のおじさん、おばさん(の役)もたくさん登場、特におばさんが若い娘のアリバイに意地悪な発言をしたりするところも面白い。

さる映画賞の審査上映会でイタリア映画をほぼ毎週見ている為、イタリア映画には慣れてきたが、こちらはテレビドラマだけあって、結構手抜き部分も見えたりして、それも面白い。

さて、そのモンタルバーノのロケ地の幾つかを見に、シチリアに行ってきた。
日本でも、人気テレビドラマのロケ地、ストーリーの由来の場所は行ってみたい、と思う人も多いだろうが、イタリアでも同じ。

ロケ地の一つ、シクリの街では、案内してくれた女の子が、すごくたくさんの人が来るようになって嬉しい、と言っていた。

モンタルバーノ?サンレモと同じで、あんなの室内履きで見るだけのものじゃない、くだらない、と言った(正確には書いた)知り合いがいたが、ここまで人気があるものは、決してバカにしてはいけない。

みんないろいろな理由や楽しみや興味があっていろいろなものを見ているのだがら、気に入らなかったら黙っていればいいだけ。

それに、モンタルバーノは、見出すと結構ハマる。

ロケ地をぼちぼち写真で紹介。

Il commissario Montalbano モンタルバーノ シチリアの人情刑事 視聴率 40,80%

2017-03-01 15:14:56 | 何故か突然イタリア映画
「モンダルバーノ シチリアの人情刑事」視聴率40%以上 あれーびっくり



またレイバンが売れそ〜


昨日の夜放送された「モンタルバーノ」、なんと視聴率が40、8%だったとは驚いた。
私も見ていたので、この数字のうちに入っていることになる。

この忙しいのに、テレビなんてつけないのに、テレビドラマなんて見ることないのに、という私が見たくらいだから、大げさにしてもかなりの資料率を記録したことは間違いない。

昔、
猫が見てても視聴率
猫が見てなくても視聴率
と聞いたことがあるが、猫が見ていた分(見ていなかった分も?)を差し引いても35%以上はいっているだろう

すごーーーーーーーーーい。

かなりびっくり。

初回放送1999年。つまり、前世紀。(笑)
毎年放送されたわけではなく、今回が11(シリーズ)目で、毎回(毎年)、2話か4話(今年は2話)の放送。
これでこの視聴率はかなりすごいと思う。

主な役者は同じ。
つまり、代替わりしているわけでなく、約20年、同じ役者が同じ役をやっている。(これもすごい)

一番変わってないのはハゲのモンタルバーノ。
一番変わったのは、準主役のミミ。

実は、ハゲていると年を感じさせず、髪ふさふさの男前が一番年を感じさせる。。。。

見てみると、ストーリーは結構練ってあって、どんでん返しが多いなか、ちょっとセクシーな場面、人情あふれる場面と、盛りだくさん。

こういうところが受けるんだろうなー

さて、来週も今年の2話目が放送。乞うご期待。

Il commissario Montalbano モンタルバーノ シチリアの人情刑事

2017-02-27 09:41:33 | 何故か突然イタリア映画
イタリアでは今晩から 11シリーズ目、2話を2週に渡って放送
1999年からの放送。長い。。。。




ちょっと必要があって、このところ「モンダルバーノ シチリアの人情刑事」を見ている。
この忙しいのに、と思うのではあるが。(笑)

イタリアにいたら イタリア国営放送RAIのテレビドラマ「モンタルバーノ」を知らない人はいないだろう。
見たことがない人は少ないと思う。
(日本でも放送されたので、結構ファンがいる)

テレビドラマは、元々好きではないのでほとんど見ない。
(たいだいテレビも見ない。。)
この前の「メディチ家の人々」は、かなりに話題になったので珍しく見た。
その他、歴史物は見てもいいと思うのだが、たいていの場合見逃してそのままになる。

だから、モンタルバーノのようなサスペンスもの、刑事物は逆立ちしても見ないだろう。

しかし、必要に迫られ見てみると、これがかなり面白かった。
結構ハマる。

まず、調べてみると、初回放送が1999年。あれー、前世紀。(笑)
毎年放送されているわけではなく(そーなんだぁ)、去年の放送までで10年、1シーズン、2−4話で、合計28話、1話が1時間30分から50分になるので、全部見ると膨大な量になる。

それを、適当にチラチラと。
1話みるだけでも結構時間がかかる。

最初見たときは、ぷぷぷと吹き出してしまった。

映画なら(一応)「そんなことはない」場面が、テレビだからか「そんなことのある」場面になっている。

殺人現場で、証拠品を手づかみしたり、動かしたり、勝手に持って行ったり。。。素人でも、手袋を使うとか、写真を撮るんじゃない???と思って笑ってしまった。

何話か見てると、パターンがわかってくるので、殺人現場で、
これ、素手で掴む〜
とか、
これ、持っていっちゃう〜
とかわかってくる。(笑)

それにしても、古いエピソードと新しいのを続けてみると、役者の年の取り方にはビックリ。(ストーリーの年月はそれほど変わっていない)

さすがに20年近いから、年を取らないわけにいかない。。。
(ハゲのモンタルバーノが一番年の変化を感じさせない)

モンタルバーノの食事の場面というか、正確には、邪魔が入って食べられない場面が多いのも愉快。

これも、
ここで電話がかかるぞ〜
邪魔が入るぞ〜
また食事抜き〜
とか読めてくる。

実は、モンタルバーノのシチリア料理とか、モンタルバーノロケ地ガイドなどの本が出版されている。(ビックリ!)

ロケ地はシチリアのラグーサ周辺、内陸の丘の上の街もきれいだが、シチリアの海、海際に住むモンタルバーノの家がすごくきれいで、目の保養になる。

夏のバカンスにシチリアに行きついでにロケ地を楽しんでしまおう、と言う、モンタルバーノツアーも人気があるらしい。

さて、今晩から、11シーズン目の2話(第29、30話)が放映される。


La pelle del l'orso di Marco Segato イタリア映画の紹介 「クマの皮」

2017-02-16 12:36:47 | 何故か突然イタリア映画
La pelle dell’orso クマの皮
監督 マルコ・セガート



50年代の北イタリア、ドロミテ。
今でも、冬はスキー、夏はトレッキングのできる、山岳風景の素晴らしく素敵なところである。
そこに大グマがいる。

そのクマが、とうとう家畜小屋の家畜まで襲い、退治することになるのだが、名乗り出たのがピエトロ。
掛けをすることになった。
掛けの相手は、地元の石屋。
もしもうまく仕留めることができれば1年分の報酬。
もし失敗すれば1年無償で働く。

ピエトロには14歳になる息子、ドメニコがいる。
母親はいない。

クマ退治に出た父親を追い、山に入るドメニコ。

最後は、傷を負って暴れたクマに襲われたピエトロ。
その瞬間、息子のドメニコがクマを仕留める。
(ネタバレ〜)

全体に画面が暗いが、山の自然が見事に綺麗に描かれている。
今回のインタヴューには、映画の画像制作のディレクター(なんと若い女性)も出席したが、自然をリスペクトすることを最優先してほとんどいじらなかった、自然はそれだけで絵になる、ということを言っていたが、まさのその通り。
山が好きな人には特に、見とれてしまうくらい綺麗な画像が多い。

そして、セリフが極端に少ない。
役者の表情、目がセリフを語っている。
特に、少年役の役者はなんと13歳だというので、結構すごい。
よくある可愛い少年ではなく、骨格のしっかりした少年で、13歳とは思わなんだ。


監督と少年役の少年

ドロミテはヴェネト州。
ここにもこんなに方言があるんだぁ、とちょっと驚き。
ナポリ弁、シチリア弁は有名だが、50年代のヴェネト州にもこんなにきつい方言があったとは。かなりわかりにくいセリフもあった。

クマは本物。
今時、CGでもいいのだが、と言いながら、ドキュメンタリー畑から出た監督が使うのは、絶対本物。
大変だっただろうなぁ、と思う。
クマにその気がないときは、数時間の待ち時間にもなったらしい。
あっちにハチミツ、こっちにハチミツ、の作戦だったらしい。


ホンモノのクマさん

ストーリーの中、セリフが少ないとはいえ、いろいろなエピソードを散りばめている。
亡くなった母親の親友の女性との出会い、父親が蛇に噛まれてしまう、などなど。
親子の関係の描きかたも含め、それらのエピソードに好感を持つか、いらないんじゃない〜と思うかはそれぞれ。

そして、実はクマが家畜小屋の中にいる家畜まで襲うことはないそうな。。。なーんだ。

個人的には、山の画像の美しさ、骨格がっちりの少年の好感度を含めて、結構良かった。
そして、昨年、日本で話題になったクマ、スーパーX(?)を思い出した。
そう、日本にはまだ凶暴なクマはいるんだよね。。。。

Fai bei sogni di Marco Bellocchio イタリア映画の紹介 「いい夢見てね」

2017-02-09 11:18:06 | 何故か突然イタリア映画
Fai bei sogni いい夢見てね
監督 マルコ・ベロッキオ

9歳で母親を突然亡くした少年。
母の死因を知らされず、父の死後、真実を知る。



時々(かそれ以上。。)、自分がひねくれていると思う時がある。

良い映画だと思った。
良くできていると思った。
特にテクニカル的によくできている。
130分というかなりの長さなのだが、飽きさせない。
ドラマチックであるだけでなく、サスペンス的な要素も兼ねている。
音楽、音響効果も評価できる。

しかし、なのである。

マッシモは、9歳の時、突然母親を亡くす。
というか、母親が突然消えてしまう。

葬式の場面が出てくるので、母親は本当に亡くなったはずなのだが、父親がひた隠し、突然の心臓発作で亡くなった、ということになっている。
母親の最後の姿を見ていないマッシモにはそれが信じられない。

母親にべったりだった少年。一人っ子。
母親の死を絶対に信じたくないし、友達には、母親は遠くに住んでいる、と嘘をつく。
教師も困らせる。

大人になって新聞記者になった。
まだ母親の死因を疑い、突然消えた母親の影を背負って生きている。

さて、30年以上経って、父が亡くなり、母親の本当の死因を知る。
それは、自殺だった。(ネタばれ〜)

ストーリーはある意味比較的シンプルなのだが、最後まで持っていく間がうまい。

スリラー、サスペンス風の場面もあるので、特に最初は、本当に母親は死んだのか?まさか生きてないよね、と思わせたり、殺されたのかも?殺人犯はだれ?まさかね〜という感じでもあった。

ただ、途中で、この展開は自殺だった?と思うようにはなる。
最後は意外と呆気ない。。。

うーーん、新聞記者になったマッシモ、私なら当時の新聞記事を片っぱしから調べてみるだろうなぁ、(時は1999年、今ほどコンピューター化されていないくても読む手がないことはない)

原作があり、それを読んだ監督がとても気に入って映画化した、ということなので、大きく変えるわけにはいかないわけだが、若くして乳がんにかかり、治ったはずなのに、もう治らないと思い込んでいる母親、9歳の一人息子を残して自殺はいけないよ、と思う。

子供と友達、というタイプの母親なので、成長しなかったんだろうなぁ。

結構冷ややかな夫との関係にも悩んでいたんだろうなぁ。

私には男の子がいないので、成長した男の子がどれだけ母親にべったりになるかわからないのだが、ここまで母親の影を追うものなのか?
この辺は特に興味深かった。

個人的には意外に呆気ない結末、と思ったのだが(殺人、を期待したわけではないが。。)、終了後のインタヴューでは、良かった〜素晴らしい〜という意見が多数で、映画の作り方、途中の展開には大きく同意するが、最後がまずまず。

新聞記者として行った戦地で見た、殺された母とその息子。
母を憎んでいるという新聞の投書に回答するマッシモ。(ここは涙〜)

など、さすが、と思わせる場面は多数。
だから、勧めるかと問われれば、かなりオススメ。
78歳の大御所監督。

今回のインタヴューには、母親役の女優も出席。
映画の中でも美人だが、本物はさらに美人だった。(きれ〜)

La stoffa dei sogni di Gianfranco Cabiddu イタリア映画の紹介「夢の布」

2017-02-03 21:57:09 | 何故か突然イタリア映画
La stoffa dei sogni 夢の布
監督 ジャンフランコ・カビッドゥ




原作を読んでいたらもっと楽しめたにちがいない。
しかし、読んでいなくても楽しめる。

マイナーな作品だけど、すごーーーくいいのよ、と、映画の紹介に力が入ったのは審査員の一人。

なるほど、かなり評価できる作品。
こういう映画がミニシアターでの上映だけというのは残念。

監督は65歳。ベテランだが、どちらかというと地味系で、これが5作目。
名前からわかるが、サルデニア島出身。
音楽のプロから映画音楽の世界に入り、自分でも映画を作ってみたくなった、という経歴の持ち主。

原作は二つ。

シェークスピアの「テンペスタ」とエドアルド・デ・フィリッポの「コメディの芸術」。
後者はともかく、テンペスタかぁ。。。読んでおけばよかった。

ドラマチックコメディ、いや、基本的にはコメディ。
そう、あまり深く追求しない方がいいと思うところは多い。

サルデニア島の北西のはずれにある島、アジナーラ島は、監獄がある島。

そこへ向かう船が大嵐で沈没してしまう。

乗っていたのは、芝居の一座の家族と、収監されるはずだったナポリのチンピラヤクザ、カモッラのボスと手下二人、そして、ボスの息子など。

島には、15年も住んでるという刑務所のディレクターとその娘(美人)、羊飼いなど、住んでいる人はポツリといる。

さて、島に打ち上げられ、ある意味自由になったチンピラが一座の家族を脅して、一座に加えてもらい、俳優のふりをして島を脱出しようとする。

それを不審に思った刑務所のディレクターが、次に船が来る1週間後までにシャイクスピアのテンペスタを見事に上演してくれれば、との条件を出す。

芝居なんてしたことのないヤクザたちが芝居の練習を嫌々ながら始める。

その間、別な岸に打ち上げ荒れたボスの息子に惚れてしまうディレクターの娘。
人魚姫の世界的?

1週間で即席に作り上げた芝居が素晴らしい。
映画だからできるわけだが、これだけを演劇にして上演できそう。
映画の中、即席で作り上げた(という)セットや効果、音響効果など、かなり面白い。お見事。

無事に流れ着いた(?)小道具が入っている長持ちは、いろいろなものが入っているらしく玉手箱のよう。(だから、やっぱりコメディ)

このアジナーラ島は、現在では定期船が通っていて、一般人も上陸できるそう。
ただ、泊まることはできない。(施設もないそうな)

青い海とサルデニアらしい茂みの緑、荒涼とした焼けた土色、画面がとても美しい。
そこに、真面目〜なコメディ。
文学的な内容も盛り込まれ、かなり興味深い作品。

すごーーーーくいいのよ、という言葉は本当だった。
楽しめる。

Cronaca di una passione di Fabrizio Cattani イタリア映画の紹介「ある夫婦の愛の物語」

2017-02-02 18:08:31 | 何故か突然イタリア映画
Cronaca di una passione
監督 ファブリッツィオ・カッターニ

久々、泣けてくる〜
不況の犠牲者。こんな不況にならなければ、夫婦揃って幸せな生涯を過ごしたはず。。。




シンプル、実に地味な映画。
フィードバックやら、回想場面もなく、時系列そのままにストーリーが流れていく。
タイトルを直訳すると「ある情熱の新聞記事」。

暗いが、全体にしっとりとした良さがある。
こういう(真面目すぎるほど真面目な)映画は見たくない、と思う人もいるだろう。
でも、心に残るものがある。心に響く。

映画は娯楽、と言い切る若者は、こういうのダメ〜と言うだろう。
しかし、壮年にはぜひ見て欲しい。

結婚生活40年以上、夫婦の恋愛物語でもある。

超真面目夫婦、70代のジョヴァンニとアンナは、小さなレストランを経営している。
アンナの料理を喜んで食べに来る顧客はいるが、経営は苦しい。
一人息子はやや離れたところに住んでいて、二人目の子供が生まれたばかり。
自分たちの生活に手一杯で、親のことまで真剣に考える余裕はない。

ある日、税務署から、税金滞納、支払い催促の通知がきた。
1年前にも来ていたのだが、その時は支払うことができず、さらに金額は増えて、50000ユーロ(600万円)に達していた。支払わなければ持ち家が競売に掛けられる。

何人かの友人に相談するが、どこも不況で、助けてくれる友人はいない。
超真面目な性格が災いし、子供たちに事情を訴えて助けてもらおうとも思わない。

持ち家を手放し、レスランも閉めざるを得ない状況に追いやられ、なんとか見つけた下宿はシングルルームしかないようなところで、結婚して初めて夫婦別々に過ごす。

低所得者用アパートの申し込みのオフィスで、夫婦二人の寝室だけがあればいいんです、と訴える。(涙〜)

何ヶ月にも渡って市長に訴えたことが功を奏して、なんとか小さな仕事は見つかった。
二人で住める小さなアパートも見つかった。

しかし、最後にはその職も失うことになり、失わないためには、ウソの障害者認定を受ける必要に迫られる。(実はイタリアには沢山いる。。。)

そんなことはできない、と断るジョヴァンニ。(涙〜)

結婚生活40年以上、地味に真面目にやってきたのに、職を失い、道を閉ざされた夫婦に残された道は。。。

最後の旅行を計画する。

そして、最後の食事。(ダメ〜、涙〜)

上映後の恒例のインタヴューには、監督以外、ジョヴァンニとアンナ役(お年を召しているが美人)の二人、市長役の女性の合計4人が出席した。

監督曰く、2012年に本当に起こった話を元に制作したそう。
このところの長い不況の犠牲。
イタリアでも統計的に自殺は増えている。(日本ほどではないが。。。)
その全員が不況の犠牲とは言えないが、その数値は国としてもまずい(だろうな〜)ので、統計に出さなくなったらしい。
そんなこんなで、世の中に何か訴えることのできる作品を作りたかった、と。

笑わせる場面もあるのだが、内容は明るいとは言えず、制作に資金を出す人は少なく、わずかな資金、短い撮影期間で制作された。

自殺者の多い日本でもせひ上映して欲しい。
息子夫婦に電話するところ、会いに行くところなど、小津監督の「東京物語」を思わせる場面。。。。子供が小さくて、生活はあっぷあっぷ。でも、親のこと、考えてあげてね〜と思うと同時に、私も、もっと考えてあげればよかった、と反省するのであった。

La ragazza del mondo di Marco Danieli イタリア映画の紹介「あっちの世界の少女」

2017-01-27 00:34:00 | 何故か突然イタリア映画
La ragazza del mondo あっちの世界の少女
監督 マルコ・ダニエリ

エホバの証人の世界を暴露と言っては言い過ぎ??




個人的にはかなり面白かった。
宗教とか心理学に、もともと興味があるからだと思う。

タイトル直訳の「(ある)世界の少女」とはいったいどういう意味なのかと思ったのだが、なるほど、そうか。。。
「一般の世界の少女」
「あっちの世界の少女」
のこと。
エホバの証人の世界から見れば、私たちは「あっちの世界」に生きていることになる。

宗教の世界は恐ろしい。
うまく作用すれば、これほど素晴らしいことはないのに、ちょっと間違うと恐怖の世界。
宗教という名の下に、殺し合いが合法化されてしまう。

さて、エホバの証人は、輸血を拒否する、という話で有名だが、キリスト教の中でも、かなり極端な一派だと思う。

バリバリエホバの証人の家族に育った娘、ジュリア。年の離れた妹がいる。
ジュリアは高校生で、クラスの中でもダントツに頭がいい。
大学進学を決めないといけない時期だが、エホバの証人では大学進学を勧めないので、親も進学を反対、父親の経営している家具会社で(単純な)事務の仕事をすることになる。

そのジュリアが、ドラッグの密売で捕まり、監獄に入れられていたことのある少年、リーベロに惹かれてしまう。
リーベロはかなり短気だが、心は優しい。この世界からは足を洗いたいという気持ちがある。

エホバの証人では、「あっちの世界の人間」とは、表面上の付き合いしかできない。
手を握るとか、ましては抱き合う、キスすることも絶対にダメ。
結婚は絶対に信者、それも結婚前に性交渉を持ってはいけない。

ところが、ジュリアが「あっちの世界の少年」に惹かれてしまった。

二人が抱擁しているのを、妹が偶然見てしまい、親に告げ口する。
エホバの証人の尋問を受けるジュリア。

こっちの世界に戻るかと思いきや、とうとうリーベロと逃げ出してしまう。

二人で住む家を借りるのに、昔の仲間に声をかけ、終いにはまた密売の世界に入り込んでしまうリーベロ。
警察に捕まりそうになった時に、持っていたドラッグを全部捨てたために、大きな負債を負ってしまう。

その大金を返すのに、いかにも真面目なジュリアが、密売に手を染める決心をする。

やっと借金を返せた時、実は、ジュリアの心は冷めていた。
別れを告げるジュリア。
リーベロは、ありったけのドラッグを飲み込み、救急病院に運ばれる。

リーベロは、おそらくもう一度留置所に入ることになるだろう。
ジュリアは「あっちの世界」に残ったまま、学業に専念することを選択する。

若い二人、全然違う二人がこれだけ惹かれ、ハッピーエンドかと思ったのだが、そうではなかった。

二人の演技が上手い。めちゃくちゃ上手い。
まだ若いのに、これから期待できる。

監督の(長編として)デビュー作。

「あっちの世界」に戻った元信者たちの協力を得、もちろん創造した部分はあるが、かなり事実にも基づいているのだそうな。

上映後の質問。
エホバの証人から抗議文など届かなかったですか?
なかった、というのが監督の回答。
しかし、間違った内容というか、映画だけをみて、勘違いした内容を書いた新聞記者には抗議文が届いたそう。

この映画だけ見るとかなり閉鎖的、特殊な世界に見えるが、実際にはそこまでではないらしい。
それでも、信者以外と結婚してはいけないわけだから、生まれた子供は「こっちの世界」にどっぷり浸かって育つ。

一番怖かったのは、ジュリアが、エホバの証人の幹部3人に尋問されるところ。
質問内容には爆笑なのだが、どっぷり浸かって育った身には、ほとんど恐怖。こわ〜
そして、迫真の演技。

Io e lei di Maria Sole Tognazzi 私と彼女

2017-01-16 11:22:08 | 何故か突然イタリア映画
Io e lei 私と彼女
監督 マリア・ソーレ・トニャッツィ

レズビアンの世界を綺麗に描いた作品




仕事が入って、いつもの上映会で見逃した作品。
ネットで見られるようになったので、うちで。
そこで、上映後の監督インタヴューはなし。

昨年の映画館での公開時、それなりに成功した作品。
女性監督の作品で、話題になったと言うと言い過ぎか。

主役は、大御所女優マルゲリータ・ブイと超グラマー女優のサブリーナ・フェリッリ。
最近、ゲイの世界が出てくる映画はちらほらあるが、これはその反対のレズの世界を描いたもの。
かなりきれいな仕上がりになっている。

フェレッリ演じるマリーナは元女優で、今はちょっとした事業で成功している。公というわけではないが、レズであることを隠さない。
方や、ブイ演じるフェデリカは、離婚して、思春期の息子の母親でもある。
二人が一緒に住み始めて5年になるが、フェデリカはまだレズの関係を隠したがるし、恥ずかしいと思う部分がある。

そのフェデリカの前に、昔の、ちょっと気になる男性が現れ「浮気」をすることに。
ただ、彼女は「浮気」だとは思わない。(だって、 むしろ、こっちがノーマル)
マリーナの方は、怒って、彼女の持ち物を全て浮気した男性の元の送ってしまう。

フェデリカがノーマルな世界に戻るかと思い気や、最後はマリーナの元に戻る、というエンド。

面白かった場面は、フェデリカが息子に「好きな人ができたのよ」と打ち明けた時、息子の方が「それって男性?それとも女性?」と聞く場面。
「また女性でも、もう免疫ができてるからね」

ちょっと出来過ぎの息子。
そこはコメディ。

最後、フェデリカとマリーナが元の鞘に収まってしまうのは、ちょっとご愛嬌というか、やっぱりこうなるよね〜という感じで平凡過ぎだが、こうならないわけにはいかないような設定だよねー。。。

フェリッリは超グラマーで、まあ大きな胸をトレードマークにテレビ界にも出現、知らない人はいないくらい有名な女優だが、あれ〜パオロ・ソレンティーノの有名な「グレート・ビューティー」にも出てたのね。それにしても、太った。。。。(人のことは言えないが)

監督は女性。インタヴューでは、あなたももしかしたら隠れレズですか?という質問が出たような気がする。。。

Fiore di Claudio Givannesi 花

2017-01-14 16:57:01 | 何故か突然イタリア映画
Fiore 花
監督 クラウディオ・ジョヴァンネージ

少年少女の監獄(更生施設)での囚人たちの恋愛。
このような身であっても男女が惹かれるのは同じ。
そして、本物の(元)囚人たち、本物の建物を使って、リアル。
おすすめ。




結構良かった。そして後述するが、かなり考えさせられたこともある。

「更生施設の少年少女たちの恋愛もの」なのだが、監督の意図は、まず「恋愛映画」。そのシチュエーションが、更生施設入りの少年少女たちのものである、ということだそう。

ダフネはまだ20歳にもならないくらい。家出していて、携帯の恐喝で小金を稼いで暮らしていたが、ある日、とうとう警察に捕まり、少年 少女専用の監獄(更生施設)に入れられてしまった。
そこは、男女が別の棟になっていて、お互いちらっと顔を見ることはできるが、直接顔を会わせることができる機会はミサの時だけ。

いつの間にか、ジョシュと惹かれあってしまう。

先に年期を終えて、ピッツェリアで働きだしたジョシュを、義理の弟の献身式のために1泊外出の許可をもらったダフネが、逃げ出して追いかけて行ってしまう。

私たちがいるフツーの世界とは違う恋愛映画を作りたかった、というのが監督の意向。
まだかなり若く、3作目。しかし、超有名映画「ゴモッラ」のテレビシリーズの監督の一人でもあり、かなり良い経験を積んでいる。

上映後のインタヴューは非常に興味深かった。
監獄であるだけでも未知の世界だが、それが少年少女のものとなるとなおさら。

まず、撮影の前に、本当の監獄(更生施設)に半年ほど通い、いろいろな話を聞いたそう。

建物は、3つの棟(未成年、男性、女性)に分かれているとのこと。
囚人は21歳まで(現在は25歳まで)で、未成年のセクションは完全に立ち入り禁止。

男女が触れあう機会はなく、手紙を含めた交流も禁止。
しかし、ミサの時間(宗教に興味がなくてもみんな喜んで参加)と年末のパーティーだけは顔を合わせられる。

実際に聞いたエピソードをストーリーに盛りいれている。
毛布に火をつけたり、喧嘩、殴り合い、異性と触れ合う機会はないので、レズ的行為やら(でもとても綺麗に描いている)いろいろ。
興味深いのは、出獄した時に働けるように、いろいろな講習があること。
裁縫、美容、男性はピザなど、お互いがモデルになったりしてやるところがかわいい。
映画の話が出てから、それじゃあ、ということで、演劇の講習もやったとか。

だからか、結構演技の上手い出演者たちのほとんどが実は本当の囚人だった人たち。
ダフネは違うが、例えばジョシュは3年の刑を終えて出たのだそう。

そして、撮影された建物も本当の少年少女の監獄(更生施設)。
これは、数年前のラクイラの地震で壊れた本物の建物を、地震後改装したがそのままになっているというのを使ったから。

一般人には全く関係ない世界の本物が見れる。

さて、かなり考えさせられたのは、ダフネのお父さんも前科者という設定だが、実際に少年たちと話をすると、残念ながら8−9割の子供達の親が前科者であるということ。

これは、イタリアに真面目に暮らして、彼らの犠牲になっている身としては非常に困る話である。
つまり、前科者に子供を作るなとは言えないが、明日、規制をする、という世の中になれば反対できなくなる。

家に泥棒2回、車2台、ステレオ数台、携帯のひったくり数回、なくした財布は一体いくつかわからない。
その度に、この手の人たちを恨むからである。
人権はわかるが、負の連鎖は断ち切ってほしい、と願う。

ということで、一応、こっちの現実とは切り離し、あっちの世界のことだけを考えると、非常に興味深い映画だった。

ただ、刑期を終えずに逃げたら、どうせ最後は捕まるし、ますます出られなくなるよ〜と、おばさんはダフネには言いたかった。



In guerra per amore di Pif (Pierfrancesco Diliberto) 愛のために戦う

2016-12-15 16:49:36 | 何故か突然イタリア映画
In guerra per amore di Pif(Pierfrancesco Diliberto) 愛のために戦う
監督 ピフ(ピエルフランチェスコ・ディリベルト) 




このところのPC不調でかなりの時間を取られているのと多忙が重なり、書く時間がなく、 毎週の上映会で見た映画がちょっと溜まっている。

さて、見る前から巷で面白いとは聞いていたが、かなり面白かった。
そして、ちょっと泣ける部分もある、かなりオススメ映画。
(と言っても日本では見れないが)

監督、主演ともにピフことピエルフランチェスコ氏がやっている。お父さんも映画監督で、その才能を受け継いだのか、かなり多彩。

最初、タイトルを見た時は、また戦争物〜と思ったのだが、実にうまく戦争と愛とコメディとちょっとお涙を組み込んでいる。

こういうコメディは日本で上映しても良いのでは、と思うのだが。

1943年、第2次世界大戦中のニューヨーク。
イタリア移民、レストランで働いているアルトゥーロとフローラは恋仲。しかし、フルーラは、マフィアの大ボス、ラッキー・ルチアーノの息子と、不本意にも婚約してしまう。
アルトゥーロがフローラとの恋を成就させる唯一の方法は、フローラのお父さんの許可を直接得ること。
でも、フルーラのお父さんはシチリアにいる。
許可を得ると言ったって。。。。

時はちょうどアメリカ軍がシチリア上陸作戦を立てていたところで、アルトゥーロは恋のために戦争に参加することになった。

シチリア上陸の場面が、なんとなくロバート・キャパのノルマンディー上陸作戦の写真のようだったり、最後、ホワイト・ハウス前のベンチに座っている姿がフォレスト・ガンプを思わせるようだったり。
お父さんが戦争に行ってしまった息子の姿は、トルナトーレのバーリア風。

恋とマフィア、それもマフィアと政治の癒着、夫が戦争に行ってしまい、残された妻と息子のストーリー、アルトゥーロの恋の成就を助けてくれる上官、そのために命を落としてしまうのだが、などの伏線がとても良く盛り込まれている。

映画の中ではちょっと間抜け風でもあるアルトゥーロ、本物は結構カッコイイ。

今期の上映作品の中では今の所一番。



La vita possibile di Ivano De Matteo 生きていけるさ〜

2016-11-15 11:24:18 | 何故か突然イタリア映画
La vita possibile di Ivano De Matteo 生きていけるさ〜
La vita possibile 監督 イヴァーノ・デ・マッテオ



結構好きなマルゲリータ・ブイ主役の映画。
大御所女優。
ということで期待したのだが、なかなか重かった。

結果がはっきりしないドラマチックな映画の特徴だろうか。
重たい、重たい、重たい〜という感じが最初から最後まで。

全体に暗い画面、セリフがなく思考中という表情の人物アップも多く、もう少し明るい画面、場面が欲しかった、のが個人的意見。

ただ、上映後の会見で、監督曰く、ハッピーエンドとか、ハッピーエンドを期待させるような感じに持って行きたくなかった、ということなので、まあそういう作り方をしている、というのだろう。

テーマは、夫の家庭内暴力から、13歳の一人息子を連れて逃げた母アンナと息子ヴァレリオの苦労話。

ローマからトリノの友人(女性、カルラ)の家に移り住み、新生活を始める。

息子は友達ができず、いつも一人で自転車を乗り回しているだけだが、そんな中、なんとか友達になれたかもというのが売春婦の東欧の少女。
そして、近所の小さなトラットリアのおじさん。(フランス人でかなり手が早く出る)

母親は、やっと仕事が見つかり(映画博物館になっているモーレ・アントネリアーナの掃除か掃除係なので内部が見れる)当然、母親に反発してグレたりもするが、家の持ち主の母親友人の明るい性格、トラットリアのおじさんとの友情などに助けられて、どうやら友達が無事にできそうかも、というところで終わる。

本当なら、トラットリアのおじさん、結構お母さんのアンナに気がありそうだし、手が早くても、どうも前科もありそうだけど、とてもいい人なので、ここでハッピーエンド。。。となっても良さそうな感じが、そうはならない。

うーーーん、惜しい。

トリノの町並みや、夫の暴力から逃れる女性の話、という内容に興味があるなら面白く観られると思う。
でないと、結構重く、暗い。

なお、暴力を振るう夫が一瞬だけ映るのだが、監督。
実際は、とても明るく感じがすごーーくいい。

I Medici メディチ家の人々 テレビドラマ 日本でも放映〜

2016-11-12 11:16:41 | 何故か突然イタリア映画
i Medici メディチ家の人々 イタリア国営放送 テレビドラマ 
日本でも放映〜 (いつかわからないけど。。)



イタリア国営放送(RAI)のテレビドラマ。
日本での放送も決まっているよう。
最終回はイタリアでほぼ30%を記録したという、大成功したテレビドラマ。

テレビドラマどころか、テレビも見ない私が珍しく見たシリーズ物。

8話からなるが、イタリアでは嬉しいことに1回に2話ずつ、4週、4回に分けて放送した。
(じれったくなくていい)

どこまで忠実に歴史が表現されているのだろうか、と興味を持って見た。
そして、メディチの誰、何をドラマにしたとか。

キャストはかなり豪華。
ダスティン・ホフマンがメディチの大御所、メディチ銀行を築き、メディチ家の成功を導いたジョヴァンニ・ディ・メディチ(ディ・ビッチ)を演じている。
そして、主役は祖国の父と歌われたコジモ・ディ・メディチ。演じるのはリチャード・マッデン。

ヒロインはコジモの妻のコンテッシーナ・デ・バルディ。
ちょっと気取った感じはあるけど美人!

イタリア人の役者も登場しているが、ダスティン・ホフマンがイタリア語を話すわけはなく、オリジナル言語は英語。

ダスティン・ホフマン演じるジョバンニ・ディ・メディチが毒殺されるところからストーリーは始まる。

時は15世紀前半。

ジョバンニの二人の息子、コジモとロレンツォ(最後の方で二人の確執が表面化)、コジモの息子ピエロ(のちの痛風病みのピエロ)、妻のルクレツィア・トルナブオーニ、メディチ銀行の会計士ウーゴ、コジモの忠実な家来のマルコ、コジモの愛人。
メディチ家に対立するのはアルビッツィ家のリナルド、そして、パッツィ家。
芸術家、ヴェロッキオ、ブルネレスキも登場。
歴史的人物の登場が盛りだくさんで、ラブストーリーあり、サスペンスあり。(テレビドラマだからね〜)

歴史的事件を沢山盛り込み、話の中心は、誰が父、ジョバンニを殺したのか。

結構面白かった。

でも、ジョバンニが毒殺された。あれ?毒殺だったの???
コジモの弟ロレンツァがずっと独身。そして、殺された。えーー?じゃあ、のちのコジモ1世は生まれないじゃん!
ピエロは一人息子のはずないけど。。。。

などなど、???マークが沢山。

そうしたら、なるほど。今時のウィキは便利〜
やっぱり、ジョバンニは自然死で、毒殺ではなく、ロレンツォも独身ではなく、殺されてもいず、ピエロも一人息子ではなく(愛人の息子あり)などなど幾つか史実とそぐわない点が列記されていた。
そのほか、まだ建設されていない建物が登場したり。

日本なら歴史にできるだけ忠実にストーリーを作らないとブーイングになるような気がするのだが。。。

ご愛嬌〜と思ったのは、水の都ベニスに亡命した時、ベニスの建物の撮影がティヴォリで行われていた。(ティヴォリには噴水はあるけど運河はないよ〜)
この辺り、撮影費を安くあげたのか??ベニスはホテル代が高いからね〜(笑)

コンテッシーナのドレスが特に綺麗で、何度か同じドレスを着ているものの、目の保養になる。
また髪型も、女性としては結構気になる部分。
どんな風に結ったんだろう〜と見とれたり。

父ジョバンニを毒殺したのは、メディチの失脚を狙っているアルビッツィ?
いや、弟のロレンツォかも???
最終回で明らかにされる。。。。

結構面白かった。
と、私が思うだけあって、視聴率はかなりに上がり、大成功。

続編も予定されているということで、メディチ2の主役はロレンツォ豪華王だそう。
ふむふむ、こちらも楽しみ。

日本での放映はいつ??
やったら見てね〜

La pazza gioia di Paolo Virzi' めちゃくちゃ嬉しい〜

2016-11-04 21:36:35 | 何故か突然イタリア映画
La pazza gioia  めちゃくちゃ嬉しい〜
監督 パオロ・ヴィルツィ

テルマとルイーズを思わせると言ったらオーバーだが。。。という女2人の珍道中




この春に公開された映画で、コメディ映画などで成功しているヴィルツィ監督の最新作。
大御所、人気監督の作品なので、かなりの成功を収めている。評判も良く、評価もかなり高い。
実は、春に公開されたものなので、すでにいくつか賞も受賞している。
(賞によって、春の公開作品はその年に含まれたり、翌年に含まれたり微妙)

xx日はヴィルツィの面白いコメディだからね、と言われていて、かなり期待したのだが、個人的にはまあまあだった。
みんなが同じ経験をしているわけではないし、同じように感じる、評価する必要はないわけで、良かった〜と言っている人もいたし、違う反応をしている人ももちろんいた。

先週の映画「Piuma」(羽)は、期待していなかった分、と言っては失礼だが、テンポが早く、爆笑場面がいっぱいで、期待以上に面白かった。

今週は、面白いコメディ〜と聞いていたので期待したわけだが、確かにコメディのカテゴリーに入るだろうが、かなりドラマティックなものだった。

上映後の監督のインタヴューで、「テルマとルイーズ」みたい、と言った人がいたが、私もぼーっと、そんな感じを受けた。

トスカーナの田舎に、こじんまりとした、精神病院というより厚生施設がある。「黄金荘」という名前。
近くの園芸畑での仕事に参加するなどを通して、社会に復帰するのを目標としている。
そこにいるのがベアトリーチェ。美人でおしゃれ、明るく、饒舌なのだが、症状は重く、なかなか外に出してくれない。
そこに、幼い子供を抱いて海に飛び込み自殺を図った(そこで子供は養子に出された)、刺青、ピルシングいっぱいの若い母親、ドナテッラがやってくる。かなり暗ーい性格。(監督の妻で、すごい汚れ役)

ドナテッラに興味を持ったベアトリーチェが、友達になりたいと近づくのだが、最初は嫌われる。
やっと外に出してもらえるようになったベアトリーチェ。畑に通りがかった市バスを見て、突然飛び乗り、脱出。
そして、ベアトリーチェについてきたのがドナテッラ。
そこから女二人、車を盗んだり、高級レストランでただ食いをしたりの珍道中。
途中でお互いの親や、元伴侶やら、養子に出した息子、その両親など、いろいろな人物が登場する。
珍道中する中で、女二人の親交が深まっていく。。。。というような話。

盗んだ車を女二人が乗り回し、厚生施設から脱走する模様、追いかけられても逃げる、逃げる〜という感じが「テルマとルイーズ」の雰囲気を醸し出している。

しかし、どうして、この映画をそれほど面白いと思わなかったのか。
なんだか、やや薄っぺらいところがある、と思ったのである。

ベアトリーチェが、執拗になるほど、どうしてドナテッラに興味を持ったのか
最初は嫌っていたのに、あっと言う間に一緒に脱走する身になってしまうドナテッラの心境の変化

こういうのをくどくど描いてもいい映画にはならないが、何かキラッと光るもの、閃くものがないと、薄っぺらい心理描写となってしまう。

「テルマとルイーズ」のような名画は、そういうところの描写が粋なのだと思う。

いや、すでに賞も取っているので、良かった〜という人もいるわけで、あくまでも個人的な意見。

しばらくしてもう一度見ると、もっと良いと感じるかも。
終わりが分かっていて見ると、逆に、微妙な心のヒダをもっと感じられるかも。

インタヴューに登場したヴィルツィ監督、しゃべるわしゃべるわ、爆弾のように饒舌。
とてもユニークな監督で、すごーく好感。



昔見たよね〜という懐かしの「テルマとルイーズ」

テルマ&ルイーズ [Blu-ray]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン



Piuma di Roan Johnson ピューマ(羽)

2016-10-28 12:07:38 | 何故か突然イタリア映画
Piuma  ピューマ(羽)
監督 ロアン・ジョンソン

羽子ちゃんのお父さんとお母さんの物語〜



うちの子供達がこうでなくて良かった〜!がまず思ったこと。

そういう意味では、基本的部分でかなりイライラさせられる映画だったが、映画自体はすごく面白かった。笑える場面がいっぱいの爆笑コメディ。

さて、個人的にイライラさせられたのは、18歳の高校生カップルが妊娠してしまい、子供を産むことに、という映画の最も基本的部分。

上映後の監督の会見で、監督曰く、堕ろす、というのが前提になっていないことからストーリーが始まる、ということだったが、その通り。

まだ勉強があるのよ、とか、大学はどうするの?とか、高校卒業旅行もあるじゃない、とか、子育てって言ってもお金がないでしょ、とかの話で堕胎を説得する場面は最初、ほんのわずか。

それも、以前堕ろした時の後遺症で、これを逃すともう2度と妊娠できないかもしれないという言い訳(見え透いたウソ)に屈して、双方の両親ともに黙認。

私が親だったら絶対に説得する!と思うと、親の態度にイライラ。

しかし、よーく考えてみると、18歳で妊娠して産む選択をする人たちが多くなれば、人口は増えるよね、と思ったり、親になるのに年齢はない、いつになっても親に適さない人がいるかと思うと、18歳でも良い親になれる人はいるだろうし、とも思う。

結局は、自分の人生が幸せだったかなんて、死ぬ間際になってみないとわからないわけで、こういう選択もありかもね、と思ったり。
しかし、やはりこれが自分の娘(息子)に起こったら、と考えるとイライラしてしまうのであった。

本当に起こらなくて良かった〜

18歳の高校生カップル。フェロとカテ。
高校卒業試験が迫ってきているのに妊娠してしまった。
フェロの家は郊外に住む中産階級だが、カテの家は、お父さんは博打でお金をすってしまう、はちゃめちゃな性格、ルーマニア人のお母さんも変わり者で、ちょっと荒れた家庭。
こんな家庭に育ったら、妊娠でもして、早く家を出たいと思うかも。。。

フェロのお父さんの演技が上手い。
そして、フェロのおじいさん役が、スパイスが効いていてとてもいい。
それから、親戚のステッラという女性も、ちょっとこじつけ部分はあるが、なかなか。

卒業試験はなんとか通り、卒業旅行のモロッコ行きは断念、暑い夏をローマで過ごすことになるのだが、そんな二人が少しずつ親になる自覚を持っていく様子が面白おかしく描かれている。

女は妊娠した時から母親になるが、男は生まれた子供を見た時からだよね〜
途中でフェロがふら、くらっときてしまう場面もあり、また爆笑。

8ヶ月目になって、親になるのは早すぎる、と悟った二人が子供を養子に出すのを決意するが。。。。

ピューマは羽の意味。
二人が付けた、生まれてくる女の子の名前。

監督曰く、イタリアにもやっとcine panettone以外のよくできたコメディ映画が登場してきている、とはホント。痛快。
(cine panettoneとは、クリスマスに向けて上映される、どーでもいい、実にくだらない、笑うだけのコメディ。パネットーネはクリスマスに食べるお菓子で、パネットーネ・シネマの意味)