けれど時間とは、生きるということ、そのものなのです。
そして人のいのちは心を住みかとしているのです。
人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。
都会のはずれの円形劇場の廃墟にモモという浮浪児が住み着いたところからはじまる物語。この子がま
た、聞き上手で癒し系で、誰からも愛される少女だったのである。ほのぼのと読み進んでいくと、「灰色
の男」の登場で物語はいきなり不穏な空気に包まれる。心やさしき人々は「時間を貯蓄する」という男た
ちの提案と取り引きを契機に、効率主義にめざめ、ゆとりをなくし、心貧しくなっていく…極端にデフォ
ルメされているとはいえ、短気な自分とって痛い描写も多かった。「時間をケチケチすることで、ほんと
うはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということは、だれひとり気がついていないようでした」
…とかさ。童話を読んで反省する大人って、ピュアなのかその逆か。(どうでもいい)
日本で紹介されたのは1976年、映像化もされ大きな話題を呼んだこの童話を、私は読んだことがな
かった。本書は時間についての考察を深めつつ、心豊かな暮らしの大切さを説いている…が、実はエンデ
はその裏に、もっと現実的な本質を見据え、社会のありかたに警鐘を鳴らしていたのである…というのは
また別のお話で、実はそれが書いてある本を読むために読んだ。しかし見事に構築された世界観に、どっ
ぷりはまることができた。たまには童話もいいね。
そして人のいのちは心を住みかとしているのです。
人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。
都会のはずれの円形劇場の廃墟にモモという浮浪児が住み着いたところからはじまる物語。この子がま
た、聞き上手で癒し系で、誰からも愛される少女だったのである。ほのぼのと読み進んでいくと、「灰色
の男」の登場で物語はいきなり不穏な空気に包まれる。心やさしき人々は「時間を貯蓄する」という男た
ちの提案と取り引きを契機に、効率主義にめざめ、ゆとりをなくし、心貧しくなっていく…極端にデフォ
ルメされているとはいえ、短気な自分とって痛い描写も多かった。「時間をケチケチすることで、ほんと
うはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということは、だれひとり気がついていないようでした」
…とかさ。童話を読んで反省する大人って、ピュアなのかその逆か。(どうでもいい)
日本で紹介されたのは1976年、映像化もされ大きな話題を呼んだこの童話を、私は読んだことがな
かった。本書は時間についての考察を深めつつ、心豊かな暮らしの大切さを説いている…が、実はエンデ
はその裏に、もっと現実的な本質を見据え、社会のありかたに警鐘を鳴らしていたのである…というのは
また別のお話で、実はそれが書いてある本を読むために読んだ。しかし見事に構築された世界観に、どっ
ぷりはまることができた。たまには童話もいいね。
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